フレイ
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彼の正式な名前は「ユングヴィ・フレイ・イン・フロージ」[6](「実り豊かなユングヴィの君」[1]の意)、あるいは本名を略して「フレイ・イン・フロディ」[1](「実り豊かなフレイ」[6]の意)だと考えられている。なお日本語訳により「フロージ」と「フロディ」の表記がみられるが同一の名前である。

フレイはまた妖精の支配者とされ[7]、神々から妖精の国アルフヘイムを贈られた[8]とされている。
関係者

妹は愛の女神フレイヤ。父は海神ニョルズ。母は、ニョルズの妹[9]または巨人女性のスカジ[注釈 1]。妻は巨人のゲルズ[10]。息子はフィヨルニル[11]。召使いにスキールニル[12]、妖精のビュグヴィルとベイラ[13]
財産
妖精国
アルフヘイム
『古エッダ』の『グリームニルの歌』第5聯で、フレイに最初の歯が生えたお祝いに贈られたと書かれている[8]
グリンブルスティ[14]
金色の毛をした[15]。『ギュルヴィたぶらかし』第49章ではフレイはこの猪に引かせた車でバルドルの葬儀に行く[14]
スキーズブラズニル
伸縮自在の魔法の船。普段は折りたたまれているが、広げると神全員を乗せられるほど大きくなる[15]
ブローズグホーヴィ
[16]。「血にまみれた蹄」の意。ゲルズに求婚する為にスキールニルに与えた馬と同一の馬かははっきりしない。

形状は飾りが彫られた細身の剣[17]。使い手が正しい者(もしくは賢い者)であれば[18]、使い手の元を離れて巨人族と戦う[17]。異文によれば「勝利の剣」と呼ばれ、ドヴェルグの鍛冶師ヴェルンドが作った剣とされる。切り裂けない物はなく、刃の輝きは太陽にも劣らないという[19]
主なエピソード
『エッダ』フレイとゲルズをあらわしたレリーフといわれている。

『ギュルヴィたぶらかし』第37章[20]および『スキールニルの歌』[21]は、一目惚れした巨人の女性ゲルズを手に入れるため、召使スキールニルを巨人の国に遣わせ、その褒美として自分のもつ勝利の剣を手放す経緯を語っている。『スキールニル-』では、スキールニルに暗い揺らめく炎も越えられる馬も与えており、そのためスキールニルはゲルズの館を囲む炎を乗り越えることができた。この時フレイが手放した剣は「愚かな者が持てばなまくらだが、正しい者(もしくは、賢い者)が持てばひとりでに戦う」といわれていた。勝利の剣は俗称で、固有名詞は不明であるが、レーヴァテインという剣と同一視されることがある。(レーヴァテインを参照)また、勝利の剣を手放したことが原因でラグナロクの際、鹿の角で戦うことになり、ムスペルヘイムから来たスルトに敗れることとなる[22]。なお『ロキの口論』において、フレイはロキから、「ゲルズを黄金で買った上に剣をやってしまい、ミュルクヴィズ(アースガルズとムスペルの国を隔てる暗い森)を越えてムスペルの子らが来たらどうやって戦うのか」と詰られている[23]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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