フルクサス
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[1]このコンサートにはアリソン・ノウルズ(英語版)、ヴォルフ・フォステル(英語版)、エメット・ウィリアムズ(英語版)、ディック・ヒギンズ(英語版)、ナム・ジュン・パイク、ベン・パターソン(英語版)らが出演した[2][3][4]

このコンサートは評判を呼び、翌1963年にかけて、デンマークイギリスフランス・ドイツ・オランダの各都市を巡回した。各国の現代美術家たちの一部を刺激し、巻き込んでいった。マチューナスは、その最中の1963年2月にフルクサスを「反芸術主義による芸術共同体」としてまとめあげようとマニフェストを書き上げたが、社会的・政治的領域までに踏み込んだ、過激なアジテーション文に賛同する者はほとんどいなかった。(1991年、ディック・ヒギンズはインタビューで「フランスやドイツのダダイストのように分裂するのだけは避けよう」「イデオロギー的な線引きを厳密にし過ぎないにしよう」と参加者間で話し合って決めた結果だったと明かしている)。

特徴

多国籍のグループである(参加者の国籍はドイツ、アメリカ、日本、韓国など10ヶ国近くに及ぶ)。

メンバーと非メンバーの区別があいまいである。

美術音楽舞踏など広い芸術ジャンルにまたがる。

グループとしてのはっきりした主義主張を持たない。

フルクサスは自らの「イベント」を「ハプニング」と区別していた。「イベント」は、スコアに基づき、特定の行為を明確に行うもので、日常的な物を芸術の舞台に持ち込み、その垣根を壊し、日常に芸術的な物を持ち込ませるという反芸術的な意図を持っていた。

全てのコンサートが終了した後、マチューナスはニューヨークのキャナル・ストリートに居を構えた。そして、フルクサスの名簿の作成、コンサートの企画・運営、新聞の作成、フルクサスメンバーの作品を様々な形態(「フルックス・キット」など)で販売するなど、猛烈な勢いとあふれんばかりの情熱でフルクサスを芸術グループとして組織していった。また、世界をいくつかの区分に分け、それぞれの区分に統括責任者を置き、自らはニューヨーク本部のチェアマンとして君臨し、1960年代後半には自らの建築の腕前を生かし、「ロフトを改造し、内装を整え、芸術家に廉価で売る」という事業「フルックス・ハウジング・コーポレイティヴ」を行い、ソーホーを芸術家の街にするきっかけを作った。日本人ではオノ・ヨーコ武満徹一柳慧小杉武久塩見允枝子刀根康尚ヨシ・ワダらがフルクサスに参加した。

初期フルクサスは、創始者であるジョージ・マチューナスと、その賛同者である芸術家たちという二つの軸を持っていた。マチューナスは「芸術共同体」を夢想し、芸術家が創作活動に没頭でき、自由に作品を発表できる土壌を整えたが、芸術家はインフラにただ乗りする形で、結局「芸術共同体」としての道は歩まなかった。マチューナスはその夢を果たせぬまま、1978年に死去する。彼は晩年「フルクサスは結成後数年すると、グループの名前というよりも一つの生き方、物事のやり方を指すようになってしまった」と回想していた。

マチューナスの死後、フルクサスに興味を持つ研究者やグッズコレクターが現れ、その需要に応える形で世界中で公演を続けている。
フルクサスとその周辺のアーティスト
世界各国

アーサー・コプケ
(デンマーク語版)

アラン・カプロー

アリス・ハッチンソン(英語版)

アリソン・ノウルズ(英語版)

アル・ハンセン(英語版)

アレン・ブッコフ(英語版)

ヴィタウタス・ランズベルギス

ヴィレム・ドゥ・リダー(英語版)

ヴォルフ・フォステル(英語版)

エメット・ウィリアムズ(英語版)

エリック・アンデルセン(英語版)

オイヴィント・ファールシュトレーム(英語版)

キャロリー・シュニーマン(英語版)

グスタフ・メツガー(英語版)

ケイト・ミレット

ケン・フリードマン(英語版)

ジェームズ・テニー

ジェフリー・ヘンドリックス(英語版)

シモーヌ・フォルティ(英語版)

シャーロット・モーマン

ジャクソン・マクロウ(英語版)

ジャン・デュピュイ(英語版)

ジュゼッペ・キアリ(英語版)

ジュディ・リフカ(英語版)

ジョー・ジョーンズ

ジョージ・ブレクト

ジョージ・マチューナス

ジョージ・ランドウ(英語版)

ジョセフ・バード(英語版)

ジョナス・メカス

ジョン・アムレーダー(英語版)

ジョン・ケージ

ダヴィ・デット・ホンプソン(英語版)

ダニエル・スポエリ(英語版)

チャック・ウェルチ(英語版)

ディーター・ロス(英語版)

ディック・ヒギンズ(英語版)

テリー・ジェニングス

テリー・ライリー

トーマス・シュミット(英語版)

ナム・ジュン・パイク

バーツォン・ブロック(英語版)

ハリー・ルーエ(英語版)

バリー・マカリオン(ドイツ語版)

フィリップ・クラム(英語版)

フィリップ・コーナー(英語版)

ベック・ハンセン

ヘニング・クリスチャンセン(英語版)


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