フリーランス
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[6]」という最終記述への、公的な中立体による調査による精緻化を行うことで、副業解禁への政策、同一労働同一賃金制度の改定による労働人口の流動化について、正しく実態と社会福祉費用を把握していく必要がある。

フリーランス向けに企業との商談や単価交渉、契約手続きなどをサポートするフリーランスエージェントのようなビジネスも存在する。市場のデータを活かしITエンジニアの案件獲得をサポートするフリーランスエンジニア向けエージェント[7]や、フリーランスの作家と出版社との間で権利関係の交渉を仲介する著作権エージェントなど、様々な種類のエージェントがある。
語源

英語「freelance」の語源は、中世に遡る。中世は貴族は主力となる騎士を中心とした封建軍の補強として、戦争の度に傭兵団(フリーカンパニー)と契約して戦争に臨んだ。この中には正式に叙勲されていない騎士黒騎士)や傭兵団を離れ戦場に臨む兵士がいた。当時は槍騎兵(lancer)が自分の従卒として歩兵弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない(: free)戦闘単位(: lance)を指す言葉として「freelance」が用いられるようになった。当時は兵士を指していた「free lancer」が、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化した。フリーランスのフリー(: free)は、拘束されてない(未契約)という意味で、無償の労働者(ボランティア)という意味ではない。英語でこの表現が初めて用いられたのはスコットの『アイヴァンホー』である[8]

日本では略してフリーと呼ばれることもある。

日本の税制上におけるフリーランス業の収入は営業等所得として、経費を差し引いた分から決算して確定申告(年間48万円以上)する必要がある。また、その収入が所得税法第204条に掲げる報酬等に該当する場合は所定の金額(原則として100万円以下であれば支払額の10%)が源泉徴収される。

芸能事務所に所属する芸能人など、ほぼ全員が自身のマネジメントを所属事務所に委託している立場にあるため所属事務所から支払われるギャラは「事業所得」となり、専属芸能人であってもフリーランサー同様自分で確定申告を行う必要が生じる契約となっていることもある。ただし自身を代表とする法人を設立し、法人と芸能事務所の間で契約する形を取っている場合、タレント業収入は法人のものとなり、自身はその法人から役員報酬という形の給与所得を受け取ることとなる。
保険・年金

日本では国民皆保険により、全ての人がいずれかの公的医療保険公的年金に加入しなければならない。どの団体にも属していない完全なフリーランスであれば、医療保険は居住地の国民健康保険、年金は国民年金第1号被保険者となる。業種によっては国民健康保険組合のような職業団体が結成した国保に加入することもある。

ただし個人企業法人(代表者のみで従業員がいない、純粋親族企業、など)として法人を設立している、いわゆる「法人成り」をしている自営業者は、業種や従業員の人数に関わらず社会保険制度に強制加入となる(医療保険は健康保険、年金は厚生年金(国民年金第2号被保険者))。社会構造として、法人と個人間の異なる制度あるいは一方の理解においてフリーランスの実態を捉える議論には注意が必要とされる。
労働法制

日本においては、フリーランスは個人事業主もしくは個人企業法人であることから、労働基準法でいう「労働者」には該当せず、同法の定める様々な規制(労働時間年少者妊産婦就業制限等)の適用対象とはされない。労働安全衛生法最低賃金法等の法令についても同様である。

こうした労働条件はフリーランスの場合、相手方との交渉で決すべきものであるが、労働基準法等の保護が及ばないことを逆手に取って、実際にはフリーランスの側にとって不利な条件を結ばされる場合もみられる。こうした契約は、態様によっては事業者間の適切な取引を守る独占禁止法の適用対象とみなされる[9]。そのため、企業によるフリーランスの囲い込みは優越的地位の濫用として、同業者間での引き抜き防止協定はカルテルとして独禁法違反となる[10]

フリーランスが労働組合を結成して、相手方との交渉に組合として臨むというケースもみられる(個々の事例にもよるが、労働組合法は基本的にフリーランスであっても対象となりうる)。

日本では正社員の解雇には様々な制約が伴うが、正社員に対し年収減少を受け入れて正社員を維持するか、業務委託へ切り替えることを強要し、切り替えた者を数ヶ月で契約解除することで整理解雇する違法な手段も横行している[1]

2023年4月28日、「フリーランス新法」が成立した。公布から1年6か月以内に公布される[11]
フリーランス業の例

基本的に自身の有する技能を提供する業種である。国税局では自由職業の例として、医師弁護士作家俳優プロ野球選手、外交員、大工を挙げている[2]
医療

開業医(個人医院を経営する医師、歯科医)

あはき業

報道・放送・マスメディア分野

以下の「フリー」は前述のとおり「フリーランス」の略

フリーアナウンサー

フリー俳優声優

フリーナレーター

フリーライター

イラストレーターデザイナーアニメーター漫画家などデザイン関係

フリージャーナリスト

評論家

芸術分野

俳優、
ミュージシャンなど事務所と契約、もしくはフリーランスの芸能人

作家翻訳家ライターなどの著述業

画家書家写真家など美術関係

キュレーター

著作権エージェント

技術職(技術者)・研究職

大工電気工事士など一人親方の技術者(工事毎に契約する)

レコーディング・エンジニア(近年ではフリーランスも多い)[12]

プログラマSEなどITエンジニア

博士研究員

スポーツ

プロ野球選手(1年単位で球団と契約する)

JRA所属騎手(厩舎に所属しないフリー騎手

プロレスラー(プロレス団体乱立に伴って経営難に陥る団体が多くなり、人件費を抑えるため所属レスラーを必要最小限とし、団体に所属しない実力のあるレスラーとシリーズ毎に契約して興業を行うことが多くなっている)

農林水産業

他の
農家漁師から労働を請け負う農家・漁師


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