フリードリヒ・ニーチェ
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『letters and Anti-Semitic Correspondence Sheets』[注 11]は最近の私の悩みの種だが、私の名前を利用したいだけのこの党に対する嫌悪感だけは可能な限り決然と示しておきたい。」

また、1889年1月6日ヤーコプ・ブルクハルト宛ての最後の書簡は、「ヴィルヘルムビスマルク、全ての反ユダヤ主義者は罷免されよ!」と記している。主著『善悪の彼岸』の「民族と祖国」ではドイツ的なるものを揶揄して、「善悪を超越した無限性」を持つユダヤ人にヨーロッパは感謝せねばならず、「全ての疑いを超えてユダヤ人こそがヨーロッパで最強で、最も強靭、最も純粋な民族である」などと絶賛し、さらには「反ユダヤ主義にも効能はある。民族主義国家の熱に浮かされることの愚劣さをユダヤ人に知らしめ、彼らをさらなる高みへと駆り立てられることだ」とまで書いている。にもかかわらずナチスに悪用されたことには、ナチスへ取り入ろうとした妹エリーザベトが、自分に都合のよい兄の虚像を広めるために非事実に基づいた伝記の執筆や書簡の偽造をしたり、遺稿『力への意志』が(ニーチェが標題に用いた「力」とは違う意味で)政治権力志向を肯定する著書であるかのような改竄をおこなって刊行したことなどが大きく影響している。

しかしながら、ルカーチ・ジェルジや戦後に刊行のトーマス・マンの、ニーチェをモデルにした小説『ファウストゥス博士』において、ニーチェをナチズムと結びつけて捉えるべきかのように示唆する観点をもつ研究者や作家も存在する。

とくにそれは優生学に基づいた政策を人間に当てはめることを肯定する態度に表れている。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}これもまた人間愛の戒律の一つ()。――子供を産むのが犯罪となるかもしれない場合がある。最強度の慢性疾患や神経衰弱症の場合である。どうしたらいいのか? (中略) 結局は、ここで果たすべき義務(??)は社会にある。これほど社会に対する切実で、根本的な要求はあまりない。社会は、生命の偉大な委任統治者として、あらゆる失敗した生命の責任を、生命自体に対して(???)負うべきなのだ。――またその償いをしなければならない。したがって(?????)、社会はそうしたものを阻止しなければならない。社会は多数の場合に生殖行為を予防しなければならない。さらにまた、素姓(ママ)、階級、知能を顧慮することなく、きわめて手きびしい強制処置、自由剥奪、場合によっては去勢手段にも訴える用意が要る。(中略) 生命そのものは、一有機体の健全な部分と退化変質した部分との間にいかなる連帯性も、いかなる「平等な権利」も認めない。変質した部分は切除(??)されなければならない。—Mp ]Y4d. Mp ]Z7. WU7b. ZU1b. WU6c.フリードリッヒ・ニーチェ 著、氷上英廣 訳『ニーチェ全集 第12巻 (第II期) 遺された断想 (1888年5月-1889年初頭)』白水社、1985年8月30日、125-126頁。 [注 12][注 13](前略) すべての生の廃棄物やごみ屑に対して憐れみを持たぬ(????????)こと、上昇する生に対するたんなる妨害物であり、毒物であり、陰謀であり、潜伏的な敵対者であるものの打倒を求める—フリードリッヒ・ニーチェ、Mp ]Y4d. Mp ]Z7. WU7b. ZU1b. WU6c.フリードリッヒ・ニーチェ 著、氷上英廣 訳『ニーチェ全集 第12巻 (第II期) 遺された断想 (1888年5月-1889年初頭)』1985年8月30日、140頁。 

ナチスはユダヤ人虐殺以前に、障害者を強制「断種」して、 その後、精神病院にガス室をつくって障害者を多数「安楽死」させていた。T4作戦も参照。上記のニーチェの思想はナチスの行為を正当化するものとの誤解を与えかねないものであった。
それ以後の哲学・思想への影響

ニーチェの哲学がそれ以後の文学哲学に与えた影響は多大なものがあり、影響を受けた人物をあげるだけでも相当な数になるが、彼から特に影響を受けた哲学者、思想家としてはハイデガーユンガーバタイユフーコードゥルーズデリダらがいる。1968年フランス五月革命の民主化運動も、思想背景はニーチェだった。
個々の著作の概要

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出典検索?: "フリードリヒ・ニーチェ" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2013年7月)

『悲劇の誕生』詳細は「悲劇の誕生」を参照

当初の表題は『音楽の精神からの悲劇の誕生』(1886年の新版以降は『悲劇の誕生、あるいはギリシア精神とペシミズム』に改題)がある。


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