フランス語(フランスご、francais 発音: [f???s?] フランセ)は、インド・ヨーロッパ語族のイタリック語派に属する言語。ロマンス諸語の一つで、ラテン語の口語(俗ラテン語)から変化したフランス北部のオイル語(または古フランス語、langue d'oil)が母体と言われている。日本語では、仏蘭西語、略して仏語(ふつご)とも書く。
フランス語という呼び方は、多くの言語(オック語、アルピタン語など)が存在するフランスにおいて誤解を招く可能性もあるので、単にオイル語と呼んでフランスの他の言語と区別することもある[4]。
世界で英語(約80の国・地域)に次ぐ2番目に多くの国・地域で使用されている言語であり、フランス、スイス、ベルギー、カナダのほか、かつてフランスやベルギーの領域だった諸国を中心に29ヶ国で公用語になっている(フランス語圏を参照)。全世界で1億2300万人が主要言語として使用し、総話者数は2億人以上である[5]。国際連合、欧州連合などの公用語の一つにも選ばれている。このフランス語の話者を、フランコフォン(francophone、英語版)と言う[注釈 1][注釈 2]。 両唇唇歯歯音歯茎後部歯茎硬口蓋両唇硬口蓋軟口蓋両唇軟口蓋口蓋垂 記号が二つ並んでいるものは、右が有声音、左が無声音。 記号が二つ並んでいるものは、右が円唇、左が非円唇。 鼻母音四つを含んだ句の例として ≪ un bon vin blanc ≫ /?? b?? v?? bl??/(おいしい白ワイン)が有名である。 フランス語において基本的にc, r, f, lを除く語尾の子音(一部例外あり)と母音のeは発音されない。フランス語の表記は初学者には複雑に感じられるが、規則性は比較的高い。英語や日本語のローマ字表記とはかなり異なるため、フランス語を知らなければ正しく読むことはできないが、規則を覚えれば容易に発音できる。たとえば eau は常に /o/ と発音する。しかし monsieur(ムッシュ)は /m??.sj??/ ではなく /m?.sjo/ であり、femme(女性、妻)は /fem/ ではなく /fam/ であるなど、イタリア語やスペイン語などほかのロマンス諸語に比べると例外が多い。faitやplusなど文脈によって発音が変わる単語もある。また、in, im, yn, ym, ain, aim, ein, eim がすべて /??/ になるなど、しばしば異なる綴りが同じ発音を示すため、同音異字語が多い。たとえば vin(ワイン)と vingt(20)はともに /v??/ であり、また形容詞 bleu (青、男性形単数) とその変化形の bleus(男性形複数)、bleue(女性形単数)、bleues(女性形複数)はすべて /blo/ である。このため、発音を聞いて書き分けるのは比較的難しい[7]。
音声詳細は「フランス語の音韻」を参照
子音
閉鎖音p bt dk g
鼻音mn?
摩擦音f vs z? ??
接近音j?w
側面接近音l
母音
鼻母音
/??/: in, im, ain, aim, ein, eim - 「エ」の鼻母音だが、実際は「アン」に近い。
/??/(パリなどでは /??/ に合流): un, um
/??/(やや円唇): an, am, en, em - 暗い「ア」の鼻母音で、「オン」に近い。
/??/ または /o/: on, om
半母音
w:有声両唇軟口蓋接近音
?:有声両唇硬口蓋接近音
j:硬口蓋接近音
綴りと発音
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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