フランス国家警察
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司法警察(police judiciaire, PJ)は刑事警察部門にあたる。司法警察中央局(direction centrale de la Police judiciaire, DCPJ)が内部部局にあたり、地方支分部局としては、地域圏司法警察局(directions regionales de la police judiciaire, DRPJ)3個および広域地域圏司法警察局(directions interregionales de la police judiciaire, DIPJ)9個を有する。合計職員数は5,300名[19]

司法警察中央局(DCPJ)には、下記のような内部部局がある[19]

組織・経済犯罪対策準局(SDLCODF)

分析調整部(DAC)

作戦兵站部(DLO)

所轄捜査隊調整部(CNGIR)

組織犯罪情報戦略分析部(SIRASCO)

国家経済・税務調査部(DNIFF)

経済犯罪捜査部(BRDFi)

汚職対策部(BCLC)

滞納対策部(BNRDF)


通貨偽造取締中央部(OCRFM)

模倣品海賊版取締部(BCRCIA)


薬物密売取締中央部(OCRTIS)

人身売買取締中央部(OCRTEH)

文化財産不正取引取締中央部(OCBC)

大規模財務犯罪対策中央部(OCRGDF)

共同体不正対策部(BCRFC)

財務捜査介入部(BRIFN)

犯罪情報識別プラットフォーム(PIAC)


組織犯罪対策中央部(OCLCO)

国家犯罪捜査介入部(BRIN)

国家強盗・密輸対策部(BNRBT)

国家逃亡犯捜査部(BNRF)


強行犯捜査中央部(OCRVP)

国家財務調査部(BNEE)

部局間技術部(SIAT)


テロリズム対策準局(SDAT)

サイバー犯罪対策準局(SDLC)

科学警察研究準局(SDPTS)

戦力・戦略評価準局(SDRES)

賭博対策中央部(SCCJ)

国際協力部(DRI)

警邏・保安警察

警邏・保安活動については、公共安全中央局(Direction centrale de la Securite publique, DCSP)が内部部局にあたり、地方支分部局としては公共安全局(Directions departementales de la Securite publique, DDSP)99個を有する[6]

DDSPの所在地は警察署(Hotel de police)と称される。DDSPには下記のような部署が設けられている。

地域課(service de securite de proximite, SSP) - 犯罪対策隊(BAC)[注 11]などが設置されている

公秩序・交通課(service d'ordre public et de securite routiere, SOPSR) - 白バイ隊や高速隊などが設置されている

保安課(surete departementale, SD) - 薬物対策班や未成年保護班などが設置されている

また人質救出作戦部隊として、介入部隊(GIPN)が設置されている。1972年にマルセイユで編成されたのを皮切りに、計10個隊が編成されたものの、2015年4月に国内の7個隊はRAIDに統合されて廃止され、海外の3個隊のみが存続することになった。また2009年以降、GIPNの作戦指揮は、上記の通り、国家警察介入総隊(FIPN)のもとでRAIDやパリ警視庁のBRI-BACと統合化されている[12]
公安警察

2014年までは公安警察部門もDGPNの指揮下におかれていた。まず1907年に総合情報中央局(Direction centrale des Renseignements generaux, DCRG)が創設され、1944年には国土監視局(Direction de la Surveillance du Territoire, DST)も設置された。2008年、両者は統合改編されて、国内情報中央局(Direction centrale du Renseignement interieur, DCRI)が発足した[20]

その後、2012年のミディ=ピレネー連続銃撃事件への対応不備が指摘されたことから、2014年5月12日、DGPNから独立し、これと同格の国内治安総局(DGSI)に増強改編された[21]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 2013年の資料では15名程度
^ 各部局で警視監を補佐する。文字通りの監察業務だけを行うわけではない。特定部局の長にも補職される。2013年の資料では26名程度
^ 原語の意味は統括監。2013年の資料では90名程度。警視監が就任する主要部局の下位の部長、地方局長に就任する
^ divisionnaireは、軍隊では師団司令部付きを意味することから上級勤務を表す。米英では単に警視正と訳される
^ 米英ではCommissaireの対応語であるCommissionerがPolice Superintendantの訳に充てられていることから警視としている。ただし、国家警察が地方警察を包含する2重構成をとるフランス(日本も同じ)では、国と地方が全く別組織である米英と役割権限が異なる。Commissaireはむしろ日本警察の地方警務官に近い。米英の警視が所轄の長(比較小さい警察署の長 地区警察の部長)であるのに対して、Commissaireは所轄を統括する管理官や地区警察部局の上層部で指揮をとる立場に就任する。
^ 旧名はCapitaine divisionnaireであり、幾つかの資料ではChief Inspectorであると紹介されていることから「準警視」または「上級警部」とする見方もある。
^ Lieutenant Student。憲兵隊の士官候補生に該当する。士官候補生がグランゼコール、院卒、医官など区分によって少尉を飛ばして大尉や中尉に任官する者がいるため少尉候補生と呼ばないのと異なり、警察では警部補候補生のみである。
^ 階級章の線は白線の中に細い赤線
^ 階級章の線は黄線の中に細い赤線
^ 警察学校卒後、約1カ年の実務研修期間(intern)の階級
^ おおむね日本の警察自動車警ら隊に相当するが、機動捜査隊と同様に覆面パトカー・私服警官による密行警邏を主としている。

出典^ a b 下條 1999, p. 236.
^ a b c d 岡部 2008.
^ フランス国家警察 (2011年). “ ⇒Histoire” (フランス語). 2016年1月14日閲覧。
^ Cour des comptes (2011年10月). “La redefinition des zones de competence de la police et la gendarmerie nationales”. 2016年1月22日閲覧。
^ 石田三成「第7章 フランスにおける国と地方の役割分担」『「主要諸外国における国と地方の財政役割の状況」報告書』財務総合政策研究所、2006年。https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/zk079/zk079_07.pdf。 
^ a b フランス国家警察. “ ⇒Direction Centrale de la Securite Publique” (フランス語). 2016年1月12日閲覧。
^ a b 関西広域連合. “諸外国の警察制度”. 2016年1月9日閲覧。
^ 在マルセイユ日本国総領事館 (2015年1月23日). “安全対策連絡協議会” (PDF). 2016年1月14日閲覧。
^ a b 警察庁「第2節 テロ対策」『平成9年 警察白書』大蔵省印刷局、1997年。


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