書き込み可能回数を超えると、ストレージとして認識することができなくなったり、正常な記録ができなくなったり、正常に記録することができたとしても記録内容を維持することができず、記録した内容が壊れたり消えてしまったりする確率が上昇する[19]。
Intelの研究によれば、63nmから72nmのプロセスルールで製造されたMLC(2bit/セル)方式NANDフラッシュメモリ8Gbitチップの場合、1万回の書き換えでエラーの起きる確率が1ビット当たり100万分の1から1000万分の1程度(即ち8Gbitならばエラーの起きるビットは平均1000から100ビット)である[20]。
フラッシュメモリは半導体製品であり、電子回路の構成部品として回路基板上に実装された形で製品化されているものが大半である。電子回路であるがゆえにフラッシュメモリそのものの故障以外に、電子回路の他の部品(コントローラチップなどフラッシュメモリ以外の実装部品も含む)の故障の影響で使用不能に陥ることもある。
ハードディスクからの転換詳細は「ソリッドステートドライブ」を参照
パソコン用デバイスとしてのフラッシュメモリは、当初ユーザーの操作で書き換え可能なBIOSを持ったマザーボードへの利用など表面に出ない用途だった。やがてUSBメモリなどによるフロッピーディスクの代替としての利用が始まり、書き換えに対する耐久性の向上(ハード的な技術向上やソフト的に書き換える部分を集中しないようにする工夫 - ウェアレベリング)、大容量化・低価格化・高速化が進み、徐々に大容量記憶装置としての役割を担うようになっていった。
2004年には、小容量ながらパソコンに内蔵してハードディスク (HDD) 同様ドライブとして使用できるソリッドステートドライブ(SSD)が登場。自作派のユーザーたちに浸透していった。2006年には、HDDを搭載しないでSSDを搭載するメーカー製小型ノートパソコンが登場した。2007年発売の『Windows Vista』からは、USBメモリをHDDのキャッシュメモリとして使用するWindows ReadyBoost機能、2009年発売の『Windows 7』からはSSDはHDDとは別の種類のデバイスとしてサポートされるようになっている。
ノートパソコンには機器の小型化および軽量化、省電力化、衝撃に対する強さが要求される。フラッシュメモリはハードディスクと比較してこれらの要素で優れており、さらに物理的な動作がないので静音化ができ、また高速にアクセスできるという利点も持つ。ただし低価格化が進んだとは言え、容量単価の点では依然としてハードディスクが有利であり、フラッシュメモリ搭載ノートパソコンはハードディスク搭載モデルと比較して割高な価格設定になりやすいが、2019年現在、その物理的に可動部が無いことによる耐衝撃性とHDDに比べ圧倒的な速度性能を考慮すれば、十分考慮できる価格帯まで落ち着いている。 過去の経緯により、一般的にNOR型はSRAMインターフェース (搭載bit数が増えるとアドレスバス幅が増えていく)、NAND型はDRAMインターフェース (アドレスを複数回に時間分解するマルチプレクスを行う)である。また、組み込みシステム等の分野では、I2C等のシリアルバスを採用した素子(『シリアルフラッシュメモリ』と称されることもある)も用いられている。 主としてNAND型で補助記憶装置としてパッケージされている商品の例を挙げる。これらのような商品の他に、Fusion-io(現在はサンディスク傘下)のioDriveのように、フラッシュメモリの性能を最大限に発揮するようデザインされた製品などもある。
インタフェース
商品パッケージ
フラッシュATAメモリーカード[21]
USBメモリ
メモリーカード
SDメモリーカード