19世紀以降、欧米の音楽を取り入れて創り出された新しい形式のフラ。機能和声システムに基づくメレと、和音を出すことが出来る楽器を使用している点が古典形式との最大の差異である。レパートリーは固定されておらず、新作も創られ続けている。 ハワイ島ヒロでは「メリー・モナーク・フェスティバル」として、例年復活祭から一週間、世界最大のフラのコンテストが行われている。これはキリスト教受容によって弾圧されていたフラを復興させたカラカウア王(通称「陽気な王様Merry Monarch」)を記念したものである。 モロカイ島はフラ発祥の地といわれ、毎年「カフラピコ・フェスティバル」が開催されている。[6] 「カイマナヒラ」の知名度もさることながら、近年フラの人気が高まり、フラハーラウ(フラスクール)は日本全国に約300以上ある。フラの競技会も数多く開催されている。そのなかでも最大なのが毎年駒沢オリンピック公園体育館で開催されるキング・カメハメハ・フラ・コンペティション・イン・ジャパンである。ワヒネカヒコ・ワヒネアウアナ・クプナワヒネの3つのカテゴリーの優勝グループは、ホノルルで開催される同コンペティションへの出場権を獲得できる。
フラの楽器
パフドラム - ヤシの木をくりぬき、上部にパフというサメの皮を貼った大型のドラム[2]。手でたたく。
キルドラム - ヤシの木をくりぬき、上部にパフというサメの皮などを貼った小型のドラム。手でたたく。
イプヘケ - 瓢箪をくりぬいたものを2つ重ねた打楽器。手でたたいたり、地面に打ち付けたりする[3]。踊りに使用することもある[3]。
イプ - 瓢箪をくりぬいたものが1つだけの打楽器。
ウリウリ - ラアメアの身をくりぬき、そこに種を入れたマラカスのような楽器[2]。赤と黄の羽で装飾されることが多い。正式にはダンサーはウリウリを1個のみ使用するが、現在では両手に1個ずつ2個のウリウリを持って使用することが多い。
プイリ - フォーク状の切り目を入れた竹の棒。2本1組で使用する。2本を打ち合わせたり、肩や太ももなど体の一部を叩いたりして音を出す[2]。
プーニウ - ココナッツの身をくりぬきサメや牛の皮を貼って作った打楽器。膝に括り付けてカーという紐で叩く[2]。
プー - 儀式の始まりを告げるときに吹く法螺貝の一種でできた楽器[2]。
ニーアウカニ - 口でくわえて演奏する楽器。踊りに使われる[4]。
オヘ・ハノ・イフ - オヘという竹の一種で作った笛[5]。縦笛で鼻から息を入れて音を出す。
ウクレレ - ギターに似た楽器。ポルトガルから持ち込まれたブラギーニャという楽器から進化した。古典フラでは使用されない。現代フラでのみ使われる[2]。
フラの衣装・小物
パウスカート-タパなどの押し印やボーダー柄など、近代ではデザインが豊富。場合によっては男性も身に着ける。
ティリーフスカート-ハワイで採取できる「ティ」と呼ばれる葉っぱをつなげてスカートにしたもの。大人用は30枚ほど使用する場合がある。
ラフィアスカート - モレなどの植物などで作ったスカート。
フェスティバル
日本のフラ
その他
1929年(昭和4年)5月7日、トーキー映画が輸入されて初の試写会が行われ、その試写の1本がフラを題材とした『島の唄及び海を越えて』であった。もっとも当時はフラは日本において知名度はなく、当時の新聞では「ハワイ独特の民謡に併せて踊る島の娘の尻振りダンス」として紹介されている[7]。
1930年(昭和5年)11月22日、警視庁は演芸界の乱れた風紀を取締るために通称「エロ取締規則」の通牒を発出。この規則のダンスの項ではインディアンダンスとともにハワイアンダンスを例示し、「腰を部分的に前後左右に振る所作」を禁じた[8]。
フラが日本で大々的に紹介された当時はフラをフラダンスと言っていたが、フラにはダンスという意味も含まれている。この為、近年、専門家の間ではフラの名称で統一されている。フラダンスもフラがダンスであることを補った一般的な用法である[注釈 1]。また日本では長い間フラ・アウアナしか知られていなかったが、1990年頃からフラ・カヒコへの注目が高まり、現在ではフラ・アウアナとともにフラ・カヒコも実践されている。
フラを題材とした作品
フラガール
フライングベイビーズ
フラ・フラダンス
フラカッパー
フラガールと犬のチョコ
脚注[脚注の使い方]
注釈^ a b 例えば、英語版外部リンク
出典^ タタール 1991, pp. 37?67.
^ a b c d e f “ ⇒フラと音楽・楽器 : aloha-love.com”. www.aloha-love.com. 2019年3月9日閲覧。
^ a b “フラダンスの楽器、イプ・イプヘケについて