FNSは株式会社とか社団法人という法的な組織ではない[5]。しかし、結束の強い集団であることは言うまでもなく、その表現として「FNSは運命共同体」と言われる[5]。この運命共同体という考え方に沿って、FNSの一体化を図るため、1976年11月、フジテレビは第三者割当増資を行い、仙台放送、関西テレビ、東海テレビ、テレビ西日本の各社が新しい株主として登場した[7]。
運命共同体といえば、80年代後半、フジテレビが取った対応にSNGのためのFSAT(通信衛星を利用したニュース取材配信システム)導入がある[8]。FSATの導入はキー局側から働きかけであったが、21世紀に入り、これぞ運命共同体という事例が発生した[9]。2005年のライブドア事件の時に系列局が取った対応である[9]。ライブドア事件とは、90年代に親子上場を果たした親会社ニッポン放送と子会社フジテレビが、敵対的買収に備えるために、親子の立場を逆転するための株式保有関係を整理する過程で起きたもので、ライブドアによるニッポン放送株買い占め工作である[9]。この渦中の3月18日、FNS系列27局は、関西テレビが中核となって、「フジテレビ・ニッポン放送を全面支持する」との共同声明文を発表した[10]。系列局によるフジテレビ株保有に関しては、当時北海道文化放送副社長の座についていた中村勉などが「運命共同体精神の発露」としてアピールしたが、27局すべての系列局がフジ株取得に動いた[10]。フジテレビ側は運命共同体の有り難さを実感した[9]。系列局による支援で、精神的にも、企業防衛の点でも力を得たフジテレビは、その後、形勢を逆転し、4月、ライブドアからその保有したすべてのニッポン放送株を譲り受けて、世間を騒然とさせた事件は収束した[10]。 FNSには、28局(フルネット局26局、クロスネット局2局〈テレビ大分〔NNN/NNSとのクロスネット〕[注 1] 、テレビ宮崎〔NNN/ANNとのクロスネット〕の2局〉)が加盟している。テレビ大分のみFNS業務協定に正式参加していない[11]。基幹局はフジテレビ、北海道文化放送、仙台放送、テレビ静岡、東海テレビ、関西テレビ、テレビ新広島、テレビ西日本の8局で構成され、これらの局は、日曜16時台の特番で、最低年に1回、自社制作による全国ネット特番を放送している(バラエティーに関してはフジテレビを除く)。加盟局のうち、フジテレビの放送持株会社「フジ・メディア・ホールディングス」の連結子会社として仙台放送が、持分法適用関連会社として、北海道文化放送、岩手めんこいテレビ、秋田テレビ、福島テレビ、NST新潟総合テレビ、長野放送、関西テレビ、岡山放送、テレビ新広島、沖縄テレビの11局がある[12]。また加盟局は全てテレビ単営局である[注 2]。 フジテレビと同グループの産業経済新聞社(産経新聞社)が、各地方のブロック紙新聞社(北海道新聞社・中日新聞社・西日本新聞社)と取材・紙面の印刷等で提携していることから、FNS(FNN)加盟局はブロック紙系列の局が多い[注 3]。 ネットスポンサーが無い一部の番組(特にローカルセールス枠)は、局によっては非ネットの場合がある。また、広域放送各局(特にフジテレビ・関西テレビ・東海テレビ)の都合により放送されない一部の(地方のFNS加盟局制作の)番組は、その広域放送局がある当該地域の地上独立テレビ局がFNSの番組を購入して放送している場合もある。この項目では色を扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。フジテレビ系列のリモコンキーID地図 水色■:8 赤■:1 紫■:3 橙■:4 白■:なし 地上デジタル放送のリモコンキーIDは、東海テレビ・サガテレビ・クロスネット局を除き、各局「8」で統一されている。
現況
沿革
1959年(昭和34年)6月1日 - フジテレビ(CX)、東海テレビ(THK)、関西テレビ(KTV)、九州朝日放送(KBC)の4社で「番組交流に関する協定書」を締結。
1962年(昭和37年)10月1日 - フジテレビ、仙台放送(OX)、東海テレビ、関西テレビ、広島テレビ(HTV)、九州朝日放送の6局基幹ネットが完成。
1964年(昭和39年)10月1日 - 福岡地区が九州朝日放送からテレビ西日本(TNC)にネットチェンジ。
1966年(昭和41年)10月3日 - フジニュースネットワーク(FNN)協定成立。
1969年(昭和44年)
4月1日 - FNS事務局創設。
10月1日 - フジネットワーク(FNS)発足。加盟20社[注 4]。その中でも秋田テレビ(AKT)、福井テレビ(FTB)がこの日開局。
12月10日 - テレビ愛媛(EBC)が開局し加盟。
1970年(昭和45年)
4月1日 - 山形テレビ(YTS)[注 5]、福島中央テレビ(FCT)、山陰中央テレビ(TSK)、テレビ山口(tys)、テレビ大分(TOS)が開局し加盟。
10月1日 - 仙台放送(OX)がFNN・FNSに完全一本化[注 6]。
1971年(昭和46年)10月1日 - 福島テレビ(FTV)が加盟[注 7]。福島中央テレビがネット離脱。
1972年(昭和47年)
4月1日 - 北海道文化放送(UHB)が開局し加盟、札幌テレビが離脱。また、テレビ宮崎(UMK)が正式加盟[注 8]。
5月15日 - 沖縄テレビ放送(OTV)が正式加盟[注 9]。
1973年(昭和48年) - シンボルマーク制定(制作:永井一正)。
1974年(昭和49年) - FNSチャリティキャンペーンスタート。