フォーミュラ・ニッポン
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2009年シーズンからは、SUPER GTのGT500クラスに使用するものと基本設計が同じ3,400cc V8エンジンのホンダ・HR09Eトヨタ・RV8Kが供給された[3]。また、レブリミットを20秒だけ10,700rpmまで引き上げるオーバーテイクシステムを新たに導入。1レース5回まで使用が許され、システムの使用中(システム作動5秒後にランプが点滅)および使用回数(使用可能回数のランプが点灯)が一目で分かる“オーバーテイクランプ”(PIAAが供給)がドライバーの頭上に設置された。通常ランプは白色で点灯するが、シリーズのポイントリーダー(開幕戦は前年のドライバーチャンピオン)のみ赤色で点灯する。
タイヤ
初年度はブリヂストン横浜ゴムが供給していたが、レース費用低減を図るため翌1997年からのワンメイク化が決定。コンペティションの結果、ブリヂストンが独占供給することとなった。なお、その後レギュレーションでタイヤメーカーは1メーカーのみと定められた。土曜日の予選から日曜日決勝までに一人のドライバーが使えるタイヤはドライ、ウェット各4セットずつと定められた。ドライタイヤにはスタンダードコンパウンドとソフトコンパウンドの2種類があり、ツインリンクもてぎ以外ではスタンダードが供給された。なお、2007年シーズン途中に2008年スペックのタイヤが前倒しで供給され、耐久性、グリップともに向上したタイヤが用いられることとなった。ウェットタイヤは1パターンのみであるが「ステルスパターン」と呼ばれる溝により、磨耗が進むと路面との接地面積が増え、インターミディエイト的な使用も可能であった。
チーム名

シリーズ発足に際し多くのファンに親しみを持ってもらうため、全エントラントは従来のエントラント名や車名(スポンサー+マシン)ではなく、野球サッカーで一般的な“チーム名”を使用した。これはレース界で初の試みであった。
JRP中期計画
2009年 - 2011年FN09(Swift 017.n)
(シェークダウンテストにて)

JRPは、2007年8月26日に「2009?2011 JRP中期計画報告会」を開催し、2009年以降の基本方針および新規導入車両を発表した。これはシリーズのさらなる活性化を目指して、新たな取り組みを開始するものであった。
基本方針


世界から目標とされるシリーズの構築

ファンの満足度アップとなる、最も面白いレースの提供

新シャシー、新エンジンの導入

新規レースの調査・研究(市街地レース、オーバルレース)

ハイブリッド、水素、バイオエタノールなどの環境に配慮したエンジンの研究

大会数は最大で国内10戦・海外1戦とし、パシフィックエリア開催を目指す

車両(スウィフト・エンジニアリング社製)


日本独自のカテゴリーとして、今までにない斬新なデザインの追求(先進性と変化)

よりスリリングなレース展開が可能な車両

最低3年間使用可能な安全性と耐久性の確保

シャシー新旧比較FN09(新型車両)FN06(旧型車両)備考
全長4,775mm4,667.5mm
ホイールベース3,000mm3,000mm
車両最大幅2,000mm1,800mm車両中心線からタイヤ外側まで実測で1,000mm以内
車体最大幅1,600mm1,450mmウイングを除く、ボディワークの最大幅
フロントウイング幅1,800mm1,450mm
リヤウイング幅1,220mm1,000mm
車両重量670kg666kgドライバー搭乗時
燃料タンク容量115L135L車体サイドに設ける給油口から給油可能な最大値
ミッションリカルド社製6速ヒューランド社製6速共にパドルシフト
ブレーキPFC社製6ピストンブレンボ社製4ピストン
フロントタイヤ235/55R13235/55R13
リヤタイヤ340/620R13340/620R13
安全基準2006年F1に基づく2002年インターF3000に基づく

エンジン


より多くのエンジンメーカーが参加しやすいレギュレーションを確立する

現状の音量規制を遵守し、且つ、より魅力のある音を追求する

目標出力600hp以上

3.4L、V型8気筒

最低重量120kg

3レースで使用できるエンジンは1基とする

オーバーテイクボタンの搭載

エンジン新旧比較新型エンジン現行エンジン備考
排気量3,400cc3,000cc
出力600/hp+α550/hp
気筒数V型8気筒V型8気筒バンク角90°
吸気自然吸気自然吸気
重量120kg127kgエアボックス、エアフィルター込み
回転数制限10,700rpm10,300rpm
回転数制限方式ECUECU

上記の2009年シャシー及びエンジンのスペックから、ハード面での大幅なパフォーマンスアップが期待された。また、エンジンに関しては2009年からのSUPER GTのGT500クラスと基本設計は同じものを使用した。
2012年

本来であれば、FN09の導入から3年が経過する2012年は新型シャシーの導入時期となり、それに併せて新しい中期計画が発表されるのが通例であったが、2011年のシーズン開幕前記者会見でJRP社長の白井裕は、新型シャシー導入について「昨今の経済情勢を踏まえると難しいだろう」と語り、非公式ながら当面の間従来のFN09をアップデートしながら継続使用する考えを示した[4]。その後2012年3月に、FN09は2013年まで使用し、2014年から新シャシーに切り替えるスケジュールが明らかにされている[5]

なお将来的には、新たにハイブリッドシステム「System-E(仮称)」を導入する方針である。当初はエネルギー回生を行わないシステムとなる予定だったが、2011年9月に行われたテストではF1における運動エネルギー回生システム(KERS)相当のシステムとなった[6]。基本システムは共通とするもののバッテリーについては自由競争とすることで、バッテリーメーカー間の開発競争が起きることを期待している[4]。ただ当初は2012年からの導入を予定していたが、その後導入時期が2014年[5]→2015年と延期されている。

それ以外に、2012年からはシンガポールでのレース(現在のシンガポール市街地コースではなく、新設するサーキットでのレースを予定)を行う方針で調整が進められていたが[4]、運営会社が入札時に不正を行ったことが明るみに出たこともあり工事は中断し、結局「開催の話は白紙に戻った」という形になった[5]

2012年3月26日の開催概要発表会にて「フォーミュラ・ニッポン」の名称はこの年限りとし、一般公募で選ばれた新名称を2013年より使用することが発表され[7]、8月5日に新名称を「全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ」に決定したことが発表された[8]
歴代チャンピオン

エンジンチューナー部門は2004年までの開催

年ドライバー
(所属チーム/マシン)チーム
(マシン)エンジンチューナー
1996年 ラルフ・シューマッハ
X-JAPAN Racing Team Le Mans/レイナード無限東名)X-JAPAN Racing Team Le Mans
(レイナード・無限・東名)東名エンジン
1997年 ペドロ・デ・ラ・ロサ
SHIONOGI TEAM NOVA/ローラ・無限・尾川)SHIONOGI TEAM NOVA
(ローラ・無限・尾川)尾川自動車
1998年 本山哲
LEMONed Racing Team Le Mans/レイナード・無限)LEMONed Racing Team Le Mans
(レイナード・無限)東名エンジン
1999年 トム・コロネル
PIAA NAKAJIMA RACING/レイナード・無限)PIAA NAKAJIMA RACING
(レイナード・無限)尾川自動車
2000年 高木虎之介
(PIAA NAKAJIMA RACING/レイナード・無限)PIAA NAKAJIMA RACING
(レイナード・無限)尾川自動車
2001年 本山哲
excite TEAM IMPUL/レイナード・無限)TEAM 5ZIGEN
(レイナード・無限)東名エンジン
2002年 ラルフ・ファーマン
(PIAA NAKAJIMA RACING/レイナード・無限)PIAA NAKAJIMA RACING
(レイナード・無限)東名エンジン
2003年 本山哲
(TEAM IMPUL/ローラ・無限)TEAM IMPUL
(ローラ・無限)東名エンジン
2004年 リチャード・ライアン
DoCoMo TEAM DANDELION RACING/ローラ・無限)mobilecast TEAM IMPUL
(ローラ・無限)東名エンジン
2005年 本山哲
arting RACING TEAM with IMPUL/ローラ・無限)mobilecast TEAM IMPUL
arting RACING TEAM with IMPUL
(ローラ・無限)not held
2006年 ブノワ・トレルイエ
(mobilecast TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)mobilecast TEAM IMPUL
(ローラ・トヨタ)
2007年 松田次生
(mobilecast TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)mobilecast TEAM IMPUL
(ローラ・トヨタ)
2008年 松田次生
LAWSON TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)LAWSON TEAM IMPUL
(ローラ・トヨタ)
2009年 ロイック・デュバル
(NAKAJIMA RACING/スウィフトホンダ)NAKAJIMA RACING
(スウィフト・ホンダ)
2010年 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL/スウィフト・トヨタ)Mobil 1 TEAM IMPUL
(スウィフト・トヨタ)
2011年 アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S/スウィフト・トヨタ)PETRONAS TEAM TOM'S
(スウィフト・トヨタ)
2012年 中嶋一貴
(PETRONAS TEAM TOM'S/スウィフト・トヨタ)DOCOMO TEAM DANDELION RACING
(スウィフト・ホンダ)

ルーキー・オブ・ザ・イヤー

2008?2011年の開催

年ルーキー・オブ・ザ・イヤー
2008年
平手晃平
(TP Checker TEAM IMPUL/ローラ・トヨタ)
2009年 塚越広大
HFDP RACING/スウィフト・ホンダ))
2010年 山本尚貴
(NAKAJIMA RACING/スウィフト・ホンダ)
2011年 中嶋一貴
(PETRONAS TEAM TOM'S/スウィフト・トヨタ)

シリーズ参戦したF1ドライバー

シリーズランキング3位以内のドライバーはF1参戦に必要なスーパーライセンスの発給資格を得られることから、過去には数多くのF1ドライバーを輩出した。しかし、後年は海外を拠点に移してF1を目指す日本人ドライバーが増えたことや、運営側がインディカー・シリーズのような独立カテゴリーを目指したこともあって、F1にステップアップするドライバーはほとんど見られなくなった。

ドライバー参戦年FNの年間成績F1参戦歴
星野一義19961996年3位1976-1977(ヒーローズ
服部尚貴1996, 2000-20051996年2位、2000年8位、2001年2位、2002年8位、2003年13位、2004年9位、2005年12位1991(コローニ
鈴木利男1996-19971996年12位、1997年13位1993(ラルース
マルコ・アピチェラ1996-19971996年16位、1997年12位1993(ジョーダン
野田英樹1998-2001, 2003-20051998年10位、1999年11位、2000年5位、2001年21位、2003年14位、2004年15位、2005年16位1994(ラルース)
ラルフ・シューマッハ19961996年チャンピオン1997-2007(ジョーダン、ウィリアムズトヨタ
中野信治19961996年6位1997-1998(プロストミナルディ
ヴィンセンツォ・ソスピリ19971997年34位1997(ローラ
ノルベルト・フォンタナ1996-19981996年5位、1997年3位、1998年4位1997(ザウバー
高木虎之介1996-1997, 2000, 2005-20071996年4位、1997年6位、2000年チャンピオン、2005年15位、2006年18位、2007年16位1998-1999(ティレルアロウズ


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