フォード・モーター
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さらに2007年以降、アメリカ発の世界金融危機以後ますます深刻化する業績悪化を受け、2008年11月にフォード・モーターは、長年株式を保有し傘下に置いていたマツダの株式33.4%のうち約20%を、マツダや広島銀行などに売却した[6][7]

さらに2010年3月には、PAGに属していたボルボ・カーズを売却することで、中華人民共和国浙江吉利控股集団との間で最終合意し[8]、同年8月に売却を完了した。これによりPAGは消滅した。
One Ford戦略

大苦境に陥ったフォードを再生させるべく、CEOのアラン・ムラーリーは新経営戦略「One Ford」を策定した。

これまでは各地域で独自に商品開発・生産を行ってきたが、世界的に体制を一本化し、重要なセグメントに対してモデルを絞り込み「Quality (品質)」「Green (環境性能)」「Smart (洗練度)」「Safety (安全性)」の4項目を世界トップレベルに向上させて、世界中に流通可能な本格的グローバルプロダクトを開発・販売するという戦略である。
現在14代目 F-150のスペシャルモデル、ラプタ?(2021年)

同時多発テロ以降の原油価格高騰と世界金融危機を受けて、北米自動車業界では低燃費車を求める消費者の意向を受け、車のダウンサイジングが進んだ。

フォードも例外ではなく、2010年にはBセグメント車・フィエスタを北米で販売開始、欧州フォードとの車種統合、ビッグ3では唯一V8エンジンDOHC化、フルサイズ車の象徴とされたクラウンビクトリアの生産終了、エクスプローラーのFF乗用車ベース化、ダウンサイジングコンセプトの小排気量過給エンジン「エコブースト」の採用など合理化を進めている。また、1990年代後半からブランドの差別化に失敗し、販売不振に陥っていた「マーキュリー」ブランドを2010年10月3日に廃止した。しかしピックアップトラックのF-150はアメリカ国内のベストセラーの座を守り続け、2011年にはGM、クライスラーと同様、業績が好転した。さらに2016年には、進出から100年以上の歴史を持つものの、マツダとの提携も終わり、販売台数が低迷していた日本市場から撤退するなど、「選択と集中」を進めている。

2017年3月には、3Dプリンターによる自動車部品の製造テストを開始すると発表。将来的にはニッチだった車両の製造実現や、大量生産出来なかったグレードアップ・オプションの製造などを目指すとしている。3Dプリンターで製造された部品はこれまでの金属製部品の半分の重量で燃費性能の向上にも貢献できるとしている。[9]

2018年4月には、北米市場でトーラスなど[注釈 3]セダンを廃止して小型車の生産を縮小、2020年までにライトトラックピックアップトラックSUVバン)の販売比率を90 %にする方針を表明している[10]。アメリカの自動車工場では、少量生産のモデルでは工場建設や設備導入の投資分をカバーできない状況になっているため、フォードは米国国内で生産台数が5万台に満たないモデル(特にセダン)を、セダン需要が堅調な中国から輸入することでラインナップの維持を検討したが、中国との貿易戦争が激化したことにより2018年度中に白紙化された[11]

2022年3月、フォルクスワーゲン二次電池式電気自動車において提携することを発表[12]。フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを使用し、フォードブランドの電気自動車を生産する予定[12]。同年10月26日、ソラーズとの合弁会社の株式売却を決定。ロシア事業から撤退[13]。翌2023年3月2日には自動運転支援システムの開発を手がける新子会社「ラティテュードAI」を立ち上げたと発表した[14]
フォードのマーク

フォードのオーバル型のトレードマークは1907年に導入された。1928年に生産開始されたT型の後継車「A型」がオーバル型のバッジの中にフォードという書き文字を入れた最初の車種である。「フォード」という文字はフォード社最初の主任技師C・ハロルド・ウィリスの書いたものとされる。彼は1903年に自分の名刺に書いたフォードという文字をもとに、この書き文字を導入した。
フォードグループの世界展開

グローバル企業であるフォード社は本拠地アメリカの他にも全世界に生産工場や研究開発施設を持っている。
北米
欧州

トルコにてフォード・オトサンでトルコ国内または欧州向け乗用・商用・大型トラックの生産を行っている。英国ドイツベルギーでも工場を有しており、モンデオフォーカスなどが生産されている。かつてはコーティナシエラスコーピオも生産されていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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