フォーク・シーンで活躍していたボブ・ディラン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、バーズなどのミュージシャンは、1964年のビートルズのアメリカ上陸に影響を受け、エレクトリックギター、エレクトリックベース、ドラムスというロックの楽器編成(但し、アコースティックギターを併用する場合も多い)で演奏するようになった[14]。これをフォークロックと呼ぶ。アメリカではフォークロックの開祖はバーズと論じられることが多いという[7]。『読売新聞』夕刊1965年9月25日付に「最近のアメリカ人の好みとしては、小・中学生はゴーゴー、ヒッチ・ハイク(英語版)、ワッシなどのダンスの伴奏としてのエレキ・ギターを中心とするロックン・ロール・ミュージック、そして高校生や大学生はフォーク・ミュージック、二十代はミュージカルの中のヒット・メロディーというように大別される」と書かれている[16]。
イギリスやカナダのフォーク・リバイバル
また英国でもリチャード・トンプソン率いるフェアポート・コンヴェンションやディック・ゴーハン、ユワン・マッコール、ペンタングル、スティールアイ・スパンなど、フォークソングを演奏するミュージシャンが活躍した。1960年代半ば、アイルランドのホースリップス、イギリスのフェアポート・コンヴェンション、スティーライ・スパンが 、ロックの伝統的な楽器要素: エレキギター、ベース、ドラムを使用した。1960年代後半には、民俗復興により、ドノヴァンなどのシンガーソングライターの世代が台頭してきた。イギリスでのフォーク音楽復興運動はブリティッシュ・フォーク・リバイバルと呼ばれている。
またニール・ヤング、バフィ・セント・メリー、ゴードン・ライトフット 、 レナード・コーエン、 ジョニ・ミッチェルらのカナダ出身のアーティストも登場した。
1960年代の日本への上陸
フォークソングの中でも「モダン・フォーク」は、1960年代「フォーク・ミュージック・リバイバル」の折に大流行した美しいアメリカのハーモニー・コーラスを伴ったグループによるフォークを指す[17]。1960年代に入ると、フォークは商業的な色合いを身にまとい[出典 15]、「海外のヒットソング」として日本に上陸してきた[出典 16]。キングストン・トリオ、ニュー・クリスティ・ミンストレルズ(英語版)、ブラザーズ・フォア、ピーター・ポール&マリー(PPM)らで[19]、これが日本でカレッジ・フォークブームの火付け役となっていく[出典 17]。キングストン・トリオは1961年1月初来日[20]。1962年4月にはブラザーズ・フォアが[20]、1963年10月にはピート・シーガーが初来日している[20]。以降もハイウェイメン(英語版)、ピーター・ポール&マリー[21]、ニュー・クリスティ・ミンストレルズ、ブラザーズ・フォア、CSN&Y、フィル・オクス(英語版)など多くのアーティストが登場した。
他ジャンルへの影響
1960年代半ばから発展したフォークロックも、この現象の中で進化していった。最初のフォークリバイバルは大衆音楽に大きな影響を与えた。また20世紀後半の「セカンドフォークリバイバル」は、コンサート、レコーディング、放送を通じてアーティストに新しいジャンルのポピュラーミュージックをもたらした。
1970年代、他のグループはこのロック的アプローチを採用した。イギリスのルネッサンスのようなグループは、プログレッシブ・ロックのグループながら、フォーク・ソング的な曲も発表している。 1970年代以降、アメリカのフォークミュージックはスティーヴ・グッドマン、ジョン・プライン、エミルー・ハリス、ハリー・チェイピンなどの新しいシンガーソングライターによって支えられた。イギリスのルネッサンスはプログレとフォークを融合したロックを演奏した。1980年代初頭のザ・ポーグスと1990年代のアイルランドのザ・コアーズにより、 アルバムチャートに伝統的な曲が取り入れられた。1980年代、ワシントンスクエアでフォークミュージック演奏が行われた。スザンヌ・ベガはフォークとプロテスト・フォーク指向の音楽を披露[22]。また黒人歌手のトレイシー・チャップマンもフォークのヒットをリリースした。エミルー・ハリスやスティーブ・アール、ウィルコ、サン・ヴォルトらのアーティストは、オルタナ・カントリーとフォークの精神を受け入れた。1990年代後半、フォーク・ミュージックはイライザ・カーシー、ケイト・ラズビー、ビル・ジョーンズ(女性)などのアーティストを通じて、音楽評論家や音楽ファンから注目された。カナダにおいて1990年代から2000年代にかけて最も売れたフォークグループは、ニューファンドランド出身のケルト人でロックテイストなグレートビッグシーで、カナダで4枚のアルバムをプラチナヒットさせている。コアーズは1990年から2000年代前半まで活動し、ケルト音楽とポップスを演奏し、2つのジャンルをブレンドした曲を発表した。2000年以降は、ブランディ・カーライルらが活躍した。 なお、ネオフォーク (Neofolk) というジャンル名は、欧米のスワンズやコイルらのバンドの音楽を指している。2007年に結成されたマムフォード・アンド・サンズなどのフォーク・ロックおよびインディー・フォーク・バンドは、2010年にブレイクし、シェナンドーランは2011年に1960年代の現代アメリカのフォークミュージックを現代のリスナーに届けるために結成されたバンドである[23]。
1970年代以降