手書き書体は筆記具による手書きを模したものである。フォーマルなものとカジュアル(インフォーマル)なもの[23]、単調(モノトーン)なものとブラシ調のもの[23]、放ち書き (Unjoined) なものと続け字(連綿体、Joined)のものが存在する[23]。
手書き書体には西洋の葦ペン・羽ペン・万年筆によるカリグラフィーを模したイタリック体、ブラックレター体、カッパープレート体
(英語版)、(いわゆるスクリプト体)の筆記体フォント(日本語書体では後述の西洋レトロなフォントや欧風花体[24]/金花体[25]など)、東洋の毛筆による書道を模した楷書体、行書体、草書体の毛筆フォント、楷書よりも形や線の太さが整った教科書体フォント[23]、ボールペンやサインペンで書いたようなペン字体フォントなどが存在する。金属活字の時代からスクリプト体の活字や連綿体の連綿活字は存在していたが、組み合わせによって活字が変わるため使用が複雑であった。OpenTypeフォントではフィーチャータグにより文脈依存字形(caltタグ)、標準合字(ligaタグ)、任意合字(dligタグ)などに対応している[26]ため、スクリプト体や連綿体の使用が容易となっている。
Unicodeの数学用英数字記号にはイタリック体とスクリプト体とフラクトゥール体のラテン文字およびイタリック体のギリシャ文字が割り当てられており、これらは一つのフォントに含めることが可能となっている。
Unicodeの漢字や変体仮名には漢字の崩し字と同形の文字が一部含まれている('"`UNIQ--templatestyles-0000002A-QINU`"'𬼂(也の草体)など)。
筑紫Q明朝や「みちくさ」など明朝体と筆書体の中間のようなフォントも登場している[27][28]。
OpenTypeのOpenType Font Variations仕様を使って、フォーマルからカジュアルまで連続的に変形できるようにしたフォントも存在する(Recursiveなど)[29]。
モダンとトラディショナルとオールドスタイルと未来風が望まれています。
セリフ体のオールドスタイル(左/Bembo(英語版))とモダン(右/Bodoni)未来的な印象を持つジオメトリックサンセリフ体(左/Futura)と綜藝体(右)モダンなネオ・グロテスク体(左/Helvetica)とトラディショナルなグロテスク・サンセリフ体(右/アクチデンツ(英語版))
トラディショナルに感じられる日本語書体はふところが狭く[30]、モダンに感じられる日本語書体はふところが広い[30][31]。
ふところの狭い明朝体には本明朝[32](Classic Mac OS搭載)とその派生のMS 明朝(Microsoft Windows搭載)/HG 明朝(Microsoft Office搭載)、リュウミン[31][32](Classic Mac OS搭載)、筑紫明朝[32](フォントワークス)などがある。ふところの狭いゴシック体には中ゴシックBBB[32](Classic Mac OS搭載)、イワタゴシック[32](イワタ)、筑紫ゴシック[32](フォントワークス)、ゴシックMB101[32](モリサワ)などがある。
ふところの広い明朝体には平成明朝(macOS搭載)、小塚明朝[31](Adobe Acrobatなどに搭載)、黎ミン[33](モリサワ)などがある。ふところの広いゴシック体には新ゴ[30]や小塚ゴシック(Adobe Acrobatなどに搭載)などがある。
ふところの広さのバリエーションが用意されているフォントファミリーも存在する(TP スカイ/TPスカイ クラシック/TPスカイ モダン[34][35]など)。
その他オールドスタイルの書体も存在する。オールドスタイルの書体は大きさなどが揃っておらず、癖の強いものとなっている[36]。オールドスタイルの明朝体には筑紫オールド明朝[36](フォントワークス)、ZENオールド明朝[36](エイワン)、A1明朝[36][37](モリサワ)、秀英明朝[36][37](モリサワ)、S明朝[36](ニィス)、イワタ明朝体オールド(イワタ)、きざはし金陵[38][36](モリサワ)、解ミン 宙[36](モリサワ)、霞青藍[39](モリサワ)、霞白藤[40](モリサワ)、丸明オールド[36](砧書体制作所〈発表当初はカタオカデザインワークス〉)、筑紫アンティーク明朝[36](フォントワークス)、欅明朝 Oldstyle(モリサワ)、貂明朝[36](Adobe)などがある。オールドスタイルのゴシック体にはイワタゴシック体オールド(イワタ)、ヒラギノ角ゴ オールド(SCREEN)、筑紫アンティークゴシック(フォントワークス)、欅角ゴシック Oldstyle(モリサワ)などがある。またオールドスタイルの丸ゴシック体にはヒラギノ丸ゴ オールド (SCREEN)などがある。
大正ロマン・昭和モダン・西洋レトロ・レトロ可愛い[41]を意識したレトロモダンな書体も存在する。これにはダイナフォントのロマン風書体シリーズ(ロマン鳳、ロマン輝、ロマン雪)[42]、MPC(解散後六歌仙が引き継ぎ)の昭和モダン体、モリサワの赤のアリス[43]・白のアリス[41]・オズ[41]・翠流ネオロマン[41]・翠流デコロマン[41](アーフィックのAR浪漫明朝体ベース[44][45])・月下香、フォントワークスのパルレトロン[46]、視覚デザイン研究所の黒明朝やG明朝、各種シネマ書体などがある。