フォレスト・J・アッカーマン
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アッカーマンはここで5万人ものファンを歓待し、ある夜などは186人のファンとプロの作家、さらには宇宙飛行士エドウィン・オルドリンまで訪れたことがある。アッカーマンはシアトルの Science Fiction Museum and Hall of Fame の役員でもあり、今ではそのコレクションの多くはそちらで展示している。

彼は20世紀前半のSF作家の多くと知り合いだった。版権代理人として200人の作家の代理人を務めていた。また、作家の死後も代理人を続け、アンソロジーなどに作品が掲載される場合の業務を行っていた。作家ではないがエド・ウッドの代理人も務めた。アッカーマンは同時代の若い作家の育成にも寄与しており[15]、例えばレイ・ブラッドベリ、レイ・ハリーハウゼンマリオン・ジマー・ブラッドリーL・ロン・ハバードなどが彼の世話になっている[4]

作家としてのアッカーマンは50の小説を商業誌で発表している。A・E・ヴァン・ヴォークトマリオン・ジマー・ブラッドリードナルド・A・ウォルハイムC・L・ムーアといった作家との合作もあるし、世界一短い1文字だけの短編小説という作品もある。その作品は6ヶ国語に翻訳されている。コミックのセクシーなキャラクターヴァンピレラの名付け親でもあり、そのコミックの原作も手がけている。

彼はまた "Laurajean Ermayne" というペンネームで Vice Versa という雑誌にレズビアン小説を書いたことがある。またレズビアン人権団体 Daughters of Bilitis の初期の広報活動を助けた[16]。DOBのパーティでは「名誉レズビアン」と呼ばれた[17]

1958年から1983年まで Famous Monsters of Filmland という雑誌を発行し、SF映画、ファンタジー映画、ホラー映画の歴史を若い世代の読者に紹介した[18]。多くの映画雑誌がスターを中心に扱っていたのに対して、アッカーマンは映画製作の現場で活躍するアーティストに注目した。そうしてアッカーマンは後のアーティストに大きな影響を与えた。例えば、ピーター・ジャクソンスティーヴン・スピルバーグティム・バートンスティーヴン・キングビリー・ボブ・ソーントンジーン・シモンズキッス)、リック・ベイカージョージ・ルーカスダニー・エルフマンフランク・ダラボンジョン・ランディス、さらには無数の作家、監督、アーティスト、職人がこの雑誌に影響を受けた。

彼は世界中の映画雑誌にも寄稿していた。例えばアルゼンチンの雑誌 La Cosa: Cine Fantastico には4年間コラムを連載していた。

1960年代、アッカーマンはドイツのSFシリーズ「宇宙英雄ペリー・ローダン」シリーズの英語訳をアメリカで出版することを企画した。史上最も長い小説シリーズである。1967年から1977年までエース・ブックスで出版された。アッカーマンの妻はドイツ語も堪能で、ほとんどの翻訳を行った。アメリカ版の同シリーズは不定期に月1冊から月4冊まで出版された。後にエース・ブックスの経営方針が変わったため、ペリー・ローダンはドイツ版の126話までで打ち切られた(2話を1話にしたものや、飛ばしたエピソードがあるため、実際のアメリカ版の話数は118だった)。後にアッカーマンはドイツ版の127話から145話までを出版した。ちなみにドイツでは同シリーズは2007年に2400話を越え、今も続いている。
映画その他への出演

SF「B級映画」をこよなく愛したアッカーマンは、『ハウリング』や『イノセント・ブラッド』などモンスター映画やSF映画の端役を含めれば210以上の映画にカメオ出演している。マイケル・ジャクソンの「スリラー」のミュージックビデオにもカメオ出演している。

小説にも登場人物としてアッカーマンがでてくるものがいくつかある。デイヴィッド・マクダニエルの0011ナポレオン・ソロものの一作『ナポレオン・ソロ8/ソロ対吸血鬼』やフィリップ・ホセ・ファーマーの『淫獣の妖宴』には実名で登場している。ラリー・ニーヴンジェリー・パーネルの合作『天使墜落』では、アッカーマンとアッカーマンションをモデルにした人物と家が登場する。

SF界をテーマにした2006年のドキュメンタリー映画 Finding the Future[19] にはアッカーマンが出演しており、様々なことを語っている。2007年のドキュメンタリー映画 Famous Monster: Forrest J Ackerman[20] はアッカーマンを対象にしたものだが、イギリスでしか放映・DVD販売されていない。
日本SF界との関わり

1953年、SF雑誌の投書欄で知り合った矢野徹をアメリカに招待し、半年間自宅に滞在させた。矢野はこの間に第11回ワールドコンPhilcon2に参加し、多くの編集者・作家の知遇を得た[21]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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