フォトリソグラフィ(photolithography)は、写真(photo)技術を用いて、基板に(絵や文字を含む)画像パターンを刻み込む技法(lithography)という意味である。「リソ(litho)」は石の意であり、石板に絵を刻み込んで平板印刷の刷版とする石版画(lithograph)と同一の概念であるが、石版画は画家が石板に直接描くペンキをマスクとして、非描画部の基板表面を酸処理し、親水化するのに対して、フォトリソグラフィでは、フォトレジストの現像で残った部分をマスクとして基板表面を酸処理する点が異なる。また印刷分野では、フォトリソグラフィにより刷版を作ることが印刷前の最終工程であるが、半導体分野では、膨大な数の工程ごとに使われる一つの(但し重要な)技術に過ぎない。
尚、日本では石版画を意味する"lithograph"は「リトグラフ」と読み、半導体分野での"lithography"は「リソグラフィ」と読むのが一般的である。かつてはフォトレジストをコダック社1社で供給していたため、KPR(Kodak photo resist)工程と呼ばれたり、PEP(photo engraving process)とも呼ばれたりした。
フォトリソグラフィやPEP技術は、日本語では「写真蝕刻」技術と訳される。印刷分野では写真などの画像を印刷するためにも用いられるため違和感が無いが、フォトマスクに写真画像を用いない半導体分野では違和感が大きいため、「光蝕刻」技術、「光リソグラフィ」と訳されることが多い。
尚、印刷分野では、写真を印刷するための技術だから「写真製版」技術だと勘違いされがちであるが、正しくは『写真技術を用いて製版する(刷版を作る)』ための技術であるから「写真製版」であり、これは「写真植字」(略称:「写植」)技術に由来する。この技術は1851年にフランス人科学者・エンジニアのAlphonse Louis Poitevinに開発され、現在に至る。
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