フェレンツ・プスカシュ
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4歳でサッカーを始めた[7] プスカシュは、後にクラブおよびハンガリー代表でチームメイトとなる隣のアパートのボジク・ヨージェフとボールを蹴り合っていた[5][8]。1936年、9歳のときにボジクと揃ってキシュペシュトのジュニアチームに入団した[6][9](1938年、11歳とする情報源もある[5])。プスカシュはクラブの定める下限年齢に満たなかったため、12歳になるまでコヴァーチ・ミクローシュという偽名を使って年齢を詐称してプレーした[6][8]
キシュペシュト/ホンヴェードシュートを放つプスカシュ(1949年)

1943年12月に16歳でキシュペシュトのトップチームにデビューし[10]、3試合目のコロズヴァールとの試合で初ゴールを記録した[10]

第二次世界大戦が終わると、ハンガリーでは1946年に本格的に国内リーグが再開された[11]。キシュペシュトはプスカシュの父親が監督に復帰し[11]、プスカシュもキャプテンを任されるようになっていた[6][11]。1946-47シーズンはウーイペシュトに次ぐ2位でシーズンを終えた。1947-48シーズンは50ゴールで初めての得点王に輝いた。その後は1949-50(31ゴール)、1950(25ゴール)、1953(27ゴール)シーズンにも得点王となった[12]

1949年、共産党の一党独裁体制となったハンガリーで、キシュペシュトは陸軍のクラブとして再編され、ホンヴェード(「祖国の守護者」の意味)と改名された[13]。実態は殆どプロフェッショナルでありながら名目上はアマチュア化され、ホンヴェードの選手たちは軍人の身分となった[14]

この時期にハンガリー代表の監督に就任したシェベシュ・グスターヴは、有力選手を一つのチームに集中させることが代表チームの強化に繋がると考え[6][15]、その強権を活かして国内最高のタレント、GKのグロシチ・ジュラ、FWのコチシュ・シャーンドル、ウィンガーのチボル・ゾルターンブダイ・ラースローらを軍に徴発してホンヴェードの一員にした[15]。ホンヴェードは1949-50、1950、1952、1954、1955シーズンにリーグを制した。

プスカシュはキシュペシュトおよびホンヴェードでは通算354試合に出場して357ゴールを挙げた[16]
ハンガリー代表

ハンガリー代表には、1945年8月20日のオーストリア戦でデビューを飾り、5-2で勝利したこの試合で代表初ゴールも記録した[11][17]。1946年、アウェーのルクセンブルク戦(7-2で勝利)で初のハットトリックを達成した[17]。1947年5月のイタリア遠征にて、チームは2-3でイタリアに敗れたものの、プスカシュはユヴェントスの代理人から接触を受け、10万ドルを提示された[13]

1952年ヘルシンキオリンピックでは、準決勝でスウェーデンに6-0で圧勝した後、決勝でユーゴスラビアを2-0で退けて、ハンガリーは金メダルを獲得した。決勝でプスカシュはペナルティキックに失敗もしたが[18]チボルとそれぞれ1ゴールを挙げた。この大会よりセンターフォワードが引き気味に位置取る(プスカシュを含む2人のインサイドフォワードがその前でプレーする)新システムがチームに導入された[19][20][21]

1948年から1953年にかけて開催された中央ヨーロッパインターナショナルカップでプスカシュは10ゴールで得点王になり、チームは優勝した[22]

1953年11月にロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されたイングランド戦で、ハンガリーは6-3の有名な勝利を収めた[23]

イングランドにとって、これがウェンブリーで初めて海外チームに敗れた試合になった。プスカシュは24分と27分にゴールを挙げた。イングランドの申し出に応じてブダペストで再戦が行われたが、それにも7-1で勝利した。
1954 FIFAワールドカップ

ポーランドが辞退したため、ハンガリーは予選を経ずに1954 FIFAワールドカップ本大会に出場した。彼らは優勝候補の大本命だった[24]。グループステージ第1試合で韓国に9-0(現在も破られていない大会最多得点差試合の1つ)、第2試合で控え選手主体の西ドイツに8-3と快勝したが、プスカシュは西ドイツ戦の後半にヴェルナー・リーブリッヒによって右足を傷めつけられ[21][24]、その後の試合の欠場を余儀なくされた[25]1954年のプスカシュ(中央)とヒデクチ(左奥)

ハンガリーはプスカシュを欠いていたにもかかわらず、準々決勝でブラジル、準決勝でウルグアイを降し、決勝戦で再び西ドイツと対戦した。試合前の予想ではハンガリーの勝利は間違いないと考えられていた[7][26]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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