虚偽報道(きょぎほうどう)あるいはフェイクニュース(英: fake news)、偽ニュースとは、マスメディアやソーシャルメディアなどの媒体において事実と異なる情報を報道すること、またはそのような報道そのものを指し示す。
初めから虚偽であることを認識した上で行う架空の報道や、推測を事実のように報道するなど、故意のものについては捏造報道といわれることもある。 虚偽報道は広義の誤報に該当するが[1]、法的には、「誤報」が過失によるものを指すのに対し、「虚偽報道」ないし「虚報」は故意であり意図的なものを指す[2]。特にコモン・ローにおいては、悪意を持って行う虚報である悪意虚偽(英:malicious falsehood)が問題とされるが、これはあくまで法的な問題で、報道の受け手からすれば、故意でも過失でも、悪意があってもなくても、全て「虚偽報道」である。また法的には、虚偽報道の対象となった個人または法人(報道被害者)の名誉棄損やプライバシー侵害を法廷で問うことによる救済が重要視されるが、虚偽報道が実在の個人や法人に関連しない場合でも、報道の受け手が、すなわち正確な情報を知る権利を有する大衆が、虚偽報道による「報道被害者」となりうる。 かつては、テレビ・新聞・雑誌などの「オールドメディア」とされるマスメディアの報道のみが虚偽報道となりえたが、ソーシャルメディアが発達した時代においては、SNSなどで個々人が流すデマや、発信元(ニュース・ソース)が全く不明な報道も虚偽報道となりえるようになった。SNSでは、「事実」であるかないかには全く関心が払われず、友人などの「信頼できる人物」から回って来た「真実性の高い情報」が盛んにシェアされ、爆発的に流布される[3]。このような、「事実」ではないが「真実」である、と言う報道(ポスト真実、英:Post-truth)も、事実と異なる限りは虚偽報道である。 ウケ狙いや風刺などの目的で、最初から「嘘」であることが明示されたニュース(嘘ニュース)は虚偽報道に含まない。嘘ニュースは、本文どころか見出しから笑いを狙っており、記事本文や社名や社是などの目立つところに「嘘」「虚構」「(うそ)八百」「バ科」などと記載されている。しかし、これらの嘘ニュースを信じ込んでしまう人も多く、嘘ニュースを「真実」としてSNSなどで拡散してしまった場合、拡散したその人自身が虚偽報道を行ったことになる。英語圏で嘘ニュースの代表とされる「ジ・オニオン」(日本で言う「虚構新聞」や「バ科ニュース」のようなもの)のような、あからさまに可笑しく書かれた嘘ニュースを真に受けて「真実」として拡散する人も少なくなく、人々のメディア・リテラシーの低さが虚偽報道問題の一翼を担っているとされる[4]。
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