フィリピン
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

国軍は治安対策であり、米軍が外的対策を担当した[注釈 6][42]
地理詳細は「フィリピンの地理」を参照ルソン島南部のマヨン山はフィリピンで最も活発な火山地形図主要火山の位置

ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島などを中心に、大小合わせて7641の島々から構成される[2]多島海国家である。フィリピン海、南シナ海、セレベス海に囲まれる。フィリピン海のフィリピン海溝は太平洋側にあり、世界3位の深さである。この海溝は、ルソン島中部からミンダナオ島のずっと南方まで続く。いくつもの海溝の地殻運動が東西1100 km、南北1800 kmの海域に大小合わせて7000以上の島々が散らばるという地形を作り出したと考えられている[43]

国土は約30万平方kmで、マヨン山ピナトゥボ山[注釈 7]タール火山など活動中の火山を含む山岳と熱帯雨林が占める。マニラの東南に位置するパナハオ山ラグナ州ケソン州の境に聳える標高2177 mの休火山であり、宗教的な聖地、聖山として知られている[44]

最高地点はミンダナオ島の東部よりにあるアポ山の標高2954 mである。因みに、フィリピン最大の島であるルソン島の最高地点は、マニラの北の島の北寄りに位置する標高2934 mのプログ山(Mt. Pulog)である。

プレート境界付近の環太平洋造山帯に当たる地域であることもあり、プレートテクトニクスの影響で、火山が点在し、地震の頻発地帯としても知られる[注釈 8]。また、鉱物資源に富み、鉱床南アフリカに次ぐ規模を誇る。鉱床は世界規模で、ニッケルクロム亜鉛も多い。地熱発電は電力需要の18%を賄い、アメリカに次ぐ量である。

220万平方kmに達する領海には豊富な海洋資源があり、魚類は約2400種、サンゴは約500種が生息していると言われる。アポ・リーフはオーストラリアのグレート・バリア・リーフに次ぐ規模のサンゴ礁である。

スプラトリー諸島(南沙諸島)で領有権問題を抱えている。

違法伐採による森林減少も大きな問題である。

全国的に、日本のような詳細な地図・道路地図は発行されておらず書店、空港などで購入できる地図も、非常に大まかなものである。むしろインターネット経由でGoogle マップを閲覧した方が詳細な地図情報を得られる。

ルソン島北部に広がる世界遺産フィリピン・コルディリェーラの棚田群

エルニドマングローブ

パラワン島

気候詳細は「フィリピンの気候(英語版)」を参照台風第30号、ハイエン

フィリピンは熱帯海洋性気候で、1年の大半は暑く湿度が高い。季節はのみで、3月下旬から10月上旬が猛暑日の夏で10月下旬から3月上旬が涼しく乾燥している秋とされている。3月から5月は初夏、6月から10月は雨季になる。夏には復活祭があり、秋にはハロウィンクリスマスあるいは新年のイベントを祝っている。南西からと北東からの季節風がある。気温は21から32℃で、1月が最も低く、5月が最も高い。

台風の通り道にあたり、7月から10月にかけて付近を通過する台風が多く、年間では平均19回通過する。フィリピンのはるか東の西太平洋海上で6月から12月にかけて熱帯低気圧が多く発生し、西に進み、一部は台風にまで発達して、フィリピンやインドシナ半島に進むものがある。なお、季節風の影響を受ける地域ながら、海に囲まれているために、冬季に卓越する北西からの季節風も、夏季に卓越する南西からの季節風も、いずれも降雨をもたらす[45]。ただし、先述の台風の影響もあって、特に5月から11月にかけて多雨となる[45]。なお、年間降水量は東部海岸山岳地帯で最大5000 mmに達することがある。
地方政治
地方政府

地方政治家は、地方選挙区から選ばれる議員(下院議員)や州知事、市長、町長などの地方政府の首長が当てはまる。

地方政治家は、大土地所有の大地主で地方権力を握り、経済的支配を背景に、世襲政治家が跋扈する。つまりは「金持ちによる支配」。地主と農民が互報酬制、つまりパトロン・クライアント関係(コスタリカ方式)で結び付けられている。伝統的な政治家(トラディショナル・ポリティシャン)を省略した「トラポ」[注釈 9] に象徴される汚職、公職を利用した汚職による私的蓄財というイメージが強い。また、私兵的な暴力集団を持つ地方政治家や、選挙時に投票者に通貨を配り買収する活動もする。

これらの地方政治家を表現する場合、「ボス」「ウォーロード」などが使われる。例として、イサベラ州のディー、ヌエバ・エシハ州のホソン、タルラック州のコファンコとアキノ、カマリネス・スル州のフエンテペリャ、セブ州のオスメーニャとドゥラノなど。

地方政治家は中央政府から比較的自由で、自分の支配地では「好き勝手やり放題」という認識が多い[46]
地方行政区画詳細は「フィリピンの地方」を参照フィリピンの行政区分

地方行政の最上位単位は、州と公認都市である。州と都市の数は、2006年12月時点で、州が81、公認都市が61。これらは、17の地方にグループ分けされる。

フィリピン各地方の概要島地方称号(タガログ語)中心都市面積人口
ルソン国家首都地方NCRマニラ638.55km21185万5975人
イロコス地方Rehiyon Iサン・フェルナンド1万3012.60km2502万6128人
カガヤン・バレー地方Rehiyon IIトゥゲガラオ2万8228.83km2345万1410人
中部ルソン地方Rehiyon IIIサン・フェルナンド2万2014.63km21121万8177人
カラバルソン地方Rehiyon IV-Aカランバ1万6873.31km21441万4774人
ミマロパ地方Rehiyon IV-Bカラパン2万9620.90km2296万3360人
ビコール地方Rehiyon Vレガスピ1万8155.82km2579万6989人
コルディリェラ行政地域CARバギオ1万9422.03km2172万2006人
ビサヤ西ビサヤ地方Rehiyon VIイロイロ2万0794.18km2753万6383人
中部ビサヤ地方Rehiyon VIIセブ1万5895.66km2739万6898人
東ビサヤ地方Rehiyon VIIIタクロバン2万3251.10km2444万0150人
ミンダナオサンボアンガ半島地方Rehiyon IXパガディアン1万7056.73km2362万9783人
北ミンダナオ地方Rehiyon Xカガヤン・デ・オロ2万0496.02km2468万9302人
ダバオ地方Rehiyon XIダバオ2万0357.42km2489万3318人


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:254 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef