フィリピンIは、特性を明らかにすることが困難であり、それぞれフィリピンIIIよりヒドロキシ基が2つ少ないいくつかの成分の混合物ではないかと考えられている。
フィリピンIIの構造は、質量分析および核磁気共鳴 (NMR) 分光法によって、1'-デオキシフィリピンIIIであることが示された。
フィリピンIVはフィリピンIIIの異性体である。NMRスペクトルはフィリピンIIIとほとんど一致しているが、C2位のプロトンの分裂パターンが主な差異である。このことから、フィリピンIVは、フィリピンIIIのC1'あるいはC3位がエピメリ化したものではないかと考えられる。
フィリピンIIIの相対および絶対立体配置は13C NMRアセトナイド分析によって決定された[4]。 1997年に、フィリピンIIIの全合成が報告されている[5][6]。
合成
脚注^ Whitfield, G. B.; Brock, T. D.
^ Bergy, M. E.; Eble, T. E. (1968). “Filipin Complex”. Biochem. 7: 653?659. doi:10.1021/bi00842a021.
^ Ceder, O.; Ryhage, R. (1964). “The Structure of Filipin”. Acta Chem. Scand. 18: 558?561. doi:10.3891/acta.chem.scand.18-0558.
^ Rychnovsky, S. D.; Richardson, T. I. (1995). “Relative and Absolute Configuration of Filipin III”. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 34: 1227?1230. doi:10.1002/anie.199512271.
^ Richardson, T. I.; Rychnovsky, S. D. (1997). “Total synthesis of filipin III”. J. Am. Chem. Soc. 119 (50): 12360?12361. doi:10.1021/ja971916h.
^ Richardson, T. I.; Rychnovsky, S. D. (1999). “Total synthesis of filipin III”. Tetrahedron 55 (29). doi:10.1016/S0040-4020(99)00457-3.
外部リンク
Filipin - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス(英語)