ブラジルが民政に戻った1980年代末以後、ファヴェーラに対する政府の対策は変化している。1990年代からの「Favela Bairro」(近隣のファヴェーラ)計画では、都市計画家はファヴェーラを一掃し公営住宅に住民を押し込む計画を立てるのではなく、ファヴェーラの存在を認め、社会学者や市民活動家らとともに共同作業を行い、ファヴェーラの生活基盤と社会サービスを改善し生活水準を上げることを目指している。ファヴェーラ住民をならず者や麻薬ギャングの構成員と扱わず、最終的には安全で安定した共同体の市民として誇りが持てるようにすることが目標となっている。2005年段階で、「Favela Bairro」計画の下で6億ドルが公園や街路建設が進められ、リオの400以上のスラムのうち120にソーシャルワーカーなどが置かれた。貧困層には行き届かなかった電気や上下水道、ごみ収集サービス、託児所などがファヴェーラ内に導入され、ドメスティックバイオレンスや性的嫌がらせやドラッグ・アルコール中毒などに対する相談も行われており、計画開始後にはファヴェーラ内の商業活動の倍増や地価上昇も起こっている[11]。 2014 FIFAワールドカップおよび2016年のリオデジャネイロオリンピックがリオデジャネイロで開催されることに決定したのを受けて、リオデジャネイロ州では軍警察の特殊警察作戦大隊や文民警察の特別人材調整局などの強力な特殊部隊を投入し犯罪組織の掃討作戦を展開[12][13][14]、その後は軍警察の平和維持警察部隊
治安維持
本質的な解決として日本の国際協力機構などから協力を得て、ファヴェーラ地域に文民警察官が常駐する交番の設置を展開させている。警官が手芸教室などの催し物を防犯活動の一環として企画する活動も行われ、交番がコミュニティハウスの機能も担っている。交番を通じて顔の見える防犯が、犯罪率の低下に成果をあげている[16]。
2017年現在も治安の悪化は深刻化しており、しばしば警察や軍による介入が行われている。2017年12月13日には、ファヴェーラの一つマレーに800人規模の軍隊が投入される軍事作戦が展開された[17]。
ファヴェーラを舞台とした作品
黒いオルフェ
リオ40度
オルフェ
ファヴェーラの丘
シティ・オブ・ゴッド
シティ・オブ・メン
バス174
エリート・スクワッド
I Am Happy('Eu Sou Feliz')
世界終末戦争(スペイン語版、英語版)(M.バルガス=リョサ著)
カヌードスの乱を描いた大著。
マイケル・ジャクソン『ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス』
社会問題の提起をテーマとしたこの曲のミュージック・ビデオはリオのファベーラで撮影され、それを記念して建てられたマイケルの銅像は今でも残っている。ファベーラの貧困状態が全世界に知れ渡ることを恐れたブラジル政府は当初撮影を許可しなかったが、住民たちが撮影実現のため自ら治安と衛生状態の向上に努め、最終的に許可するに至ったという逸話が残っている。
Call of Duty: Modern Warfare 2
ゲーム内で特殊部隊とファベーラの民兵が衝突する。
レイジングストーム
PS3オリジナルステージであるストーリーモード ステージ1の市街戦が主にファベーラでの戦闘で、作中でも「ファベーラ」という言葉が登場した。
ワイルド・スピード MEGA MAX
レインボーシックスシージ
ゲーム内のマップとしてファベーラの街が登場する。
脚注[脚注の使い方]^ RIO DE JANEIRO: Microcosm of the Future. By: Foek, Anton. Humanist, Jul/Aug2005, Vol. 65 Issue 4, p31-34, 4p.
^ Neuwirth, R (2004) Shadow Cities: A Billion Squatters, A New Urban World, Routledge ISBN 0415933196
^ ⇒Favelas commemorate 100 years - accessed December 25 2006
^ Pino, Julio Cesar. Sources on the history of favelas in Brazil.
^ a b c d Ney dos Santos Oliveira., "Favelas and Ghettos: race and Class in Rio de Janeiro and New York City" Latin American Perspectives 23:75.