1950年から51年の期間は美術監督ジョージ・ソルター(George Salter)がほぼ全ての巻の表紙を手がけた(彼の絵画は想像力に富んだシュールなもので、各巻の内容とよく一致するものであった)。例外は1950年12月号と51年の8月号だけで、それはチェスリー・ボーンステル
(Chesley Bonestell )の描く天文学的絵画であった。1952年にエド・エムシュウィラーが加わり、以後30年間、多産なカヴァー画家として絵筆を振るった。ジョージ・ギボンズ(George Gibbons)は1952年8月号の表紙で巻垂型の衣装を着けた人物を描いた。これは63年11月号でロジャー・ゼラズニイ「伝道の書に捧げる薔薇」に対してハネス・ボクが描いた有名なイラスト[注 3]に影響を与えた。軍事・海事画家として著名なジャック・コギンズ(Jack Coggins)は53年から54年にかけて本誌の表紙を描くと同時に、「ギャラクシー誌」や「スリリング・ワンダー誌」の表紙も手がけた。
2005年現在、本誌の表紙を担当した回数の多いイラストレーターのトップ10は以下の通りである。
エド・エムシュウィラーが70回
ロン・ワロツキー(Ron Walotsky)が60回
デイヴィッド・A・ハーディ(David A. Hardy)が56回
チェスリー・ボーンステルが42回
メル・ハンター(Mel Hunter)32回
バークレイ・ショー(Barclay Shaw)24回
ジル・バウマン(Jill Bauman)23回
ジャック・ゴーハン(Jack Gaughan)21回
ケント・バッシュ(Kent Bash)17回
ブリン・バーナード(Bryn Barnard)が14回
提携誌の「ヴェンチャー・サイエンス・フィクション」(Venture Science Fiction Magazine)とは異なり、F&SF誌は基本的に雑誌の内部に挿絵を入れなかった。例外的に挿絵のある号は54年4月から10月、56年9月から12月、57年9月、59年4月・5月の合計14冊に留まる。これら例外的な挿絵はエムシュウィラーやケリー・フリース(Kelly Freas)らによって描かれた。
なお埋め草として巻末に漫画が載せられることは稀ではなかった。ゲイアン・ウィルスン(Gahan Wilson)は15年以上に渡って漫画を寄稿した。シドニー・ハリス(Sidney Harris)も頻繁に漫画を寄稿し、アルジス・バドリスに次のように言わしめた。「ハリスは一風変わっている。ハリスは科学と技術をもてあそんでいる……そして彼は実に滑稽だ。」[3]
代表的な寄稿者と作品
トマス・M・ディッシュ - 『歌の翼に』、『いさましいちびのトースター』
ハーラン・エリスン - 『ジェフティは5つ』、『死の鳥』
ハワード・ファスト - "The Martian Shop"
ロバート・A・ハインライン - 『夏への扉』、『宇宙の戦士』
シャーリイ・ジャクスン - 『ある晴れた日、ピーナツを持って』
ダニエル・キイス - 『アルジャーノンに花束を』
スティーヴン・キング - 『暗黒の塔』
フリッツ・ライバー - 『凶運の都ランクマー』
ウォルター・M・ミラー・ジュニア - 『黙示録3174年』
カート・ヴォネガット - 『ハリスン・バージロン』
訳注^ 「キャプテン・フューチャー」の著者の一人ジョゼフ・サマクスン(Joseph Samachson)の別名。
^ shaggy dog stories - 直訳すると「毛むくじゃらの犬の話」。ストーリー類型の一つで、長い割りに落ちがつまらない馬鹿話、の意。
^ 英語版の記事の対応箇所en:The Magazine of Fantasy & Science Fiction#Cover illustratorsに画像あり。
出典^ ⇒http://www.sfsite.com/fsf/blog/2009/01/05/fsf-is-going-bimonthly/
^ ⇒http://www.sfsite.com/fsf/blog/2009/01/05/fsf-is-going-bimonthly/
^ ⇒Science Cartoons