ファラド
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F = C 2 N ⋅ m {\displaystyle \mathrm {F={\dfrac {C^{2}}{N\cdot m}}} }
電束密度 D、電場の強度 E について、誘電率 ε は ϵ = ∂ D ∂ E {\displaystyle \epsilon ={\frac {\partial {\boldsymbol {D}}}{\partial {\boldsymbol {E}}}}} で定義される。これより F = C 2 N ⋅ m {\displaystyle \mathrm {F={\dfrac {C^{2}}{N\cdot m}}} } を導ける。
F = s Ω {\displaystyle \mathrm {F={\dfrac {s}{\Omega }}} }
コンデンサのインピーダンス ZC は、角周波数を ω、静電容量を C として Z C = 1 j ω C {\displaystyle Z_{\mathrm {C} }={\frac {1}{{\mathrm {j} }\omega C}}} と表せ、 Ω = 1 1 / s ⋅ F {\displaystyle \mathrm {\Omega ={\dfrac {1}{1/s\cdot F}}} } を導ける。ここで、 j {\displaystyle \mathrm {j} } は虚数単位 を表す。
F = s 2 H {\displaystyle \mathrm {F={\dfrac {s^{2}}{H}}} }
真空の誘電率 ε0 は、真空の透磁率 μ0、光速 c との間に ϵ 0 = 1 μ 0 c 2 {\displaystyle \epsilon _{0}={\frac {1}{\mu _{0}c^{2}}}} の関係があり、 F = s 2 H {\displaystyle \mathrm {F={\dfrac {s^{2}}{H}}} } を導ける。
使用される範囲

ファラド (F) の倍量・分量単位分量倍量
値記号名称値記号名称
10?1 FdFデシファラド101 FdaFデカファラド
10?2 FcFセンチファラド102 FhFヘクトファラド
10?3 FmFミリファラド103 FkFキロファラド
10?6 FμFマイクロファラド106 FMFメガファラド
10?9 FnFナノファラド109 FGFギガファラド
10?12 FpFピコファラド1012 FTFテラファラド
10?15 FfFフェムトファラド1015 FPFペタファラド
10?18 FaFアトファラド1018 FEFエクサファラド
10?21 FzFゼプトファラド1021 FZFゼタファラド
10?24 FyFヨクトファラド1024 FYFヨタファラド
10?27 FrFロントファラド1027 FRFロナファラド
10?30 FqFクエクトファラド1030 FQFクエタファラド
よく使われる単位を太字で示す

ほとんどの用途において、ファラドは静電容量の単位としては大きすぎる。電子回路などに受動素子として用いられる一般的なコンデンサの静電容量を示すためには、ピコ(p)やマイクロ(μ)といったSI接頭語をつけた小さな単位がよく用いられる。

1 mF(ミリファラド、10?3ファラド)

1 μF(マイクロファラド、10?6ファラド)

1 nF(ナノファラド、10?9ファラド)

1 pF(ピコファラド、10?12ファラド)

かつては1Fなどの非常に大きな静電容量を持つ製品は存在しなかったが(多くてもアルミ電解コンデンサの数万 μF = 数十 mF)、1990年代には1 Fといった容量を持つ電気二重層コンデンサが使われるようになった。電気二重層コンデンサは2010年代には数Fの素子や、用途によっては1 kFといった巨大な容量を持つものも存在するようになった[5]。ただし、このような大容量の素子は、電子回路における受動素子としてではなく、もっぱら二次電池の代用としてバックアップ電源(小は機器内のメモリー内容のバックアップから大は無停電電源装置用)や電動フォークリフトハイブリッドカーの動力用など電力の貯蔵に使われている。
歴史

「ファラド(farad)」という言葉は元々、1861年にジョサイア・ラティマー・クラークとチャールズ・ティルストン・ブライト(英語版)が作った造語であるが、彼らはファラドを電荷の単位とすることを提案していた。1881年にパリで開かれた国際電気会議で、ファラドを静電容量の単位の名称とすることが決定した[6]
解説

コンデンサは2つの電気伝導体平板から成り、2つの伝導体は誘電体と呼ばれる絶縁層によって切り離されている。コンデンサの原型は、18世紀に開発されたライデン瓶だった。伝導体への電荷の蓄積が静電容量となる。最大耐圧数ボルトから数キロボルトまで、静電容量がフェムトファラドからファラドまでにわたる、電気・電子工学で使われる非常に広い範囲の需要に応じるために、コンデンサは様々な製造法と材料によって製造される。

コンデンサの値は、通常ファラド(F)、マイクロファラド(μF)、ナノファラド(nF)、ピコファラド(pF)で指定される[7]。ミリファラド(mF)はまれにしか使われない(例えば、4.7 mF(0.0047 F)の静電容量は、4700 μFと書かれる)[8]。市販のコンデンサの容量は、0.1 pFのあたりから5000 F(5 kF)の電気二重層コンデンサ(スーパー・キャパシタ)まである。高性能集積回路(IC)の寄生容量はフェムトファラド(1 fF = 0.001 pF = 10?15 F)の単位で計測される。高性能の試験装置は、10 aF(= 10?17 F)のオーダーで静電容量の変化を検出できる[9]

0.1 pFは、電気・電子工学の設計で一般的に使われる最も小さい値である。それより小さい値は、他の構成要素や配線、プリント配線に乗る寄生容量に支配されてしまう。1 pF以下の静電容量値は、短い2本の絶縁ワイヤをよることによって得ることができる[10][11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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