ファミリーコンピュータ
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筐体のえんじと白を基調としたカラー配置は、「プラスチックの中で最も原価が安いものを選んだ」結果である[34]と言われていたが、ファミリーコンピュータの開発者である上村の話によると、実際のところはえんじ色は山内が好きな色で、当時山内が着ていたマフラーの色でもあり[30][31][46]、えんじ色を使用することは社長命令により決定した[30][47][48]。えんじ色以外の色およびデザインはデザイナーが決定した[30]。また筐体の素材に関しては、当初選択したコスト的には廉価だったスチール製のボディがあまりに脆かったため[47]強度的に勝るABS樹脂を使用したプラスチックになった[30]
コントローラ、マイクコントローラーIコントローラーII

十字ボタン、A / Bボタン、STARTボタン、SELECTボタンをそなえたコントローラを、本体に直接接続した形で2つ持つ。

横長の板状で左に十字キー、右にボタンを複数個配置した形態は、その後のゲーム機のコントローラの雛形となった。初期に製造されたコントローラA・Bボタンは四角いシリコンゴム製だったため連打がきかず、「にじり押し」と呼ばれる押し方[30]でボタンを酷使すると押し込まれたまま操作できなくなるトラブルが発生したことから[49]1984年10月製造分から[50]耐久性を増した円形のプラスチック製ボタンへと改良がなされた[51][注釈 12]。また、コントローラのケーブルが灰色になっているロットもあったほか、円形のプラスチック製ボタンを搭載したコントローラだけを販売して取替をすすめるように指導したケースもあった。

RFスイッチは黒いままである。コントローラは本体に直接接続されているが、本体の内部では基板とコネクタ接続されているため、分解すれば自分で交換することもできる。交換用コントローラは店頭でも販売しており、ボタンを含むコントローラの外装パーツのみでの販売もあった。

コントローラII(IIコン、ツーコン)にはマイクロフォン(以下、マイク)を搭載しており、音声認識機能はないがある一定以上の大きさの音声が入力されているかどうかをソフト側で判別できた[48][注釈 13]。しかし、これも故障の原因となることがあった[注釈 14]。また、本体の製造時期によってオン / オフの判別が逆にされたため、ゲームに有効なかたちでこの機能を利用するのは困難だったといわれる。マイクの機能は開発者が、新しい遊び方として将来カラオケのように音声で遊ぶ可能性を想定して、コントローラの一つに内蔵させたものである[52]。マイクの穴は23個あるが、左上の穴1つだけが本物になっている。

コントローラーのボタンの数は十字キーを4キー分として8キーである。その後に発売されたゲーム機のコントローラと比較して決して多くないが、当時はこれらの数のボタンをテレビ画面を見ながら一度にどうやって操作するのかという論争が一部のゲーム専門誌の中にあった[要出典]。
カセットファミリーコンピュータ用カセット(MOTHER)。カセットの色や形状はタイトルにより異なる。

カセットは長方形で、下部の左右にへこみがある。本体のカセットイジェクト用レバー(取扱説明書ではイジェクト)をカセット側にスライドさせると、このへこみ部分が本体から押し上げられ、カセットが出てくる仕組みとなっている。

取扱説明書によると、電源オフ後にイジェクトを使用し、静かに抜き取ると指示があるが、イジェクトを使わず抜いても問題ない(実際、AV仕様ファミコンではイジェクトは省略された)。イジェクト機構をわざわざ入れたのは、その仕掛けで子供が喜ぶのでは、という判断によるものである[53]

なお任天堂が発売するカセットラベルは、全ソフト共通の模様がつけられ意匠が統一されていたが、のちに化粧箱と同じイラストをあしらうように改められ、最終的にはサードパーティー同様、ラベルの意匠は統一されなくなった。

カセットは作品によって色が違っており、色以外に独自の意匠を凝らしたものも存在した。特にアイレムのカセットではLEDが搭載され、通電中に点灯するという独自のギミックが特例として認められていた[54]。大容量のロムを採用した作品はカセット自体が大きくなっている。カセットの色やサイズがバラバラなのは自前でカセットを作っていたソフトメーカーもあったためである[54][48]

カセットのパッケージは、紙製の化粧箱にカセット本体とマニュアルなど[注釈 15]を収めた樹脂製の内部トレイを収納した形のものが一般的である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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