ファウスト_(文芸誌)
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ファウストフェスティバル2003」が行われた。Vol.1・2は、講談社の文芸誌『メフィスト』と同じように『小説現代』増刊として刊行されたが、発行部数が少なかったためオークションなどで高騰した[6]。Vol.3以降は「講談社MOOK」として刊行され、Vol.1・2も後にムック化され復刊した。Vol.3以降は『特集』という形で1人の作家にスポットを当てたり、文芸やノベルゲーム周辺のブームを取り上げたりしている。入れ替わりに企画が重複していた『新現実』はVol.3で刊行を終え、文芸色を排し、大塚英志の個人誌に戻した『Comic新現実』へ移行した。Vol.3で年3回の定期刊行化が決定したと発表し、2004年はVol.2 - 4までの3冊、2005年はVol.5、6A、6Bと3冊が発行された。2006年には本誌2冊、別冊2冊の発行が予告されていたが、実際には6月に別冊である『コミックファウスト』1冊が発行されただけで、その後、2008年の夏まで2年間発行が途絶えた。
国内での2年間の休止と海外でのファウスト刊行
日本で『ファウスト』本誌の刊行が途絶えていた間、2006年2月に台湾尖端出版より、同年4月に韓国鶴山文化社より、それぞれ現地語版の『ファウスト』が出版され、日本のものを追いかける形で巻を重ねた。ただし、台湾版は2007年8月のVol.4 SIDE-A発売以来、刊行が途絶えている。韓国版はVol.6 SIDE-B(2009年8月)まで刊行されている。2006年、太田が海外文芸出版部に異動し、11月には新レーベル『講談社BOX』を立ち上げた。それまで『ファウスト』掲載作品は講談社ノベルスから単行本化されていたが、以降は講談社BOXからの刊行が主となり、作品によってはハードカバーとなることもあった。2008年10月には太田発案のキャッチコピー「思春期の自意識を生きるシンフォニー・マガジン」を掲げた兄弟誌『パンドラ』が創刊され、2009年8月のVol.4まで刊行された。
ファウスト再始動
2008年8月、約2年半ぶりに本誌 (Vol.7) が発売された。Vol.7では日本を代表するSF作家である筒井康隆がライトノベル「ビアンカ・オーバースタディ」三話を執筆し、話題となった。また、前年に刊行が決定していたアメリカ版「FAUST 1」が同月19日、アメリカの出版グループランダムハウスのレーベルDel Reyより発売された。『ファウスト』は海外展開を始めた頃から積極的に海外のクリエイターに声を掛けるようになった。Vol.6A,6Bでは台湾の雑誌『月刊挑戦者』で活躍していたVOFANのイラストを巻頭に置き、『コミックファウスト』では日本・台湾・香港・韓国のイラストレーターの作品を巻頭に配した。Vol.7では、中国の80後(バーリンホウ)作家を代表する人物である郭敬明の作品が翻訳掲載されており、郭敬明が編集長を務める文芸誌『最小説』と協力し、互いに作家を紹介し合う計画が編集長の口から述べられている[7]。その後、『最小説』2009年2月下旬号[8]掲載の企画「百人恋愛世紀(下)」(バレンタインデーに関する短いコメントを各界の著名人や一般人が寄せている)に太田克史、渡辺浩弐、翻訳家の泉京鹿が参加した。西尾維新は、2月上旬号掲載の予告では同企画に参加するとされていたが、実際には登場しなかった。
"解散"へ
2008年12月、太田は講談社BOX編集長(部長)から異動し、講談社文芸局付き担当部長となり、2010年には星海社副社長へ就任する。これらの人事の影響で再び刊行が止まっていたが、2011年9月末に講談社からVol.8が発売された。同時に太田は次号Vol.9で“解散”[9]とツイートし、表紙でも宣言したが、以降、刊行への動きはない。Vol.8は『タンデムローターの方法論』からのレギュラー執筆者で皆勤賞だった西尾維新が寄稿していない唯一の号だが、舞城王太郎や清涼院流水も執筆陣から外れており、代わりに2000年代のムーブメントを懐古・総括する記事が多く入るなど、初期『ファウスト』の雰囲気とは大きく異なっていた。実質的には、2010年9月に開設された星海社のwebサイト「最前線」が『ファウスト』の後継媒体となっているが、西尾維新を含む数人の作家は講談社BOXに残る形となり、星海社では執筆していないため、創刊からの人的な流れは二分されている。
執筆陣リスト

登場順。コ=コミックファウスト。
小説
メフィスト賞受賞者


舞城王太郎 (1,3,4,6B)、佐藤友哉 (1,2,3,4,5,6A,7,8)、西尾維新(1,2,3,4,5,6A,6B,コ,7)、清涼院流水(実用小説 2,3,4,5)、北山猛邦 (4,6B,7)、浦賀和宏 (4,5,6B)

ビジュアルノベルライター


奈須きのこ (3,6A,6B)、原田宇陀児 (3)、元長柾木 (3)、竜騎士07 (6A,6B)、錦メガネ (6A,6B,7)

その他


小林紀晴(寫説 1,6A)、飯野賢治 (1)、乙一 (2,4,6A,8)、滝本竜彦 (2,3,4,8)、渡辺浩弐(ショートショート 2,3,4,5,6A,6B,コ,7,8)、上遠野浩平(5,6A,コ,7)、筒井康隆 (7,8)、小柳粒男 (7,8)、泉和良 (8)

海外作家


トム・ジョーンズ (2)、郭敬明 (7)

小説以外(批評、コラム)

東浩紀(1,2,3,4,6A)、上遠野浩平(1,2,3,4,5,6B,7,8)、森川嘉一郎(1,2,3,4,6,7)、更科修一郎(2,3,4,コ)、枕木憂士(4,5,6B,コ)、巽昌章(4)、佐藤俊樹 (5)、福嶋亮大 (6A,6B,7)、宣政佑 (6B)

カラーイラストーリー

ジョージ朝倉(2,コ)、やまさきもへじ (2,3,4,5,6B,7)、舞城王太郎 (3)、笹井一個 (3)、 (3)、405 (4,5)、toi8 [10](4)、籬讒贓 (4)、西島大介 (4)、TAGRO (5)、x6suke (5)、VOFAN(6A,6B,コ,7)、片山若子 (6A)、ヨシツギ (6A,7)、門小雷(コ)、パク・ソンウ(コ)、年年 (7)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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