ファウスト_(ゲーテ)
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粂川麻里生訳:作品社 2022年。ISBN 978-4-86182-935-2

関連作品

『ファウスト』にインスピレーションを得た作品は多数ある。

音楽

フランツ・シューベルトを始めとするドイツ・ロマン派の作曲家は、本作品からテキストを選んで歌曲を作曲している。シューベルトでは『糸を紡ぐグレートヒェン』(1814年作曲)や『トゥーレの王』(1816年作曲)が名高い。

エクトル・ベルリオーズはフランス語訳を読んで感激し、『ファウストの八つの情景』を若くして作曲、後に独唱・合唱・管弦楽のための劇的物語『ファウストの劫罰』(1846年初演)に改作した。

リヒャルト・ワーグナーは20代の頃に『ファウスト』に基づく大規模な交響曲を構想した。これは完成しなかったが、第1楽章に当たる部分のみが独立した作品『ファウスト序曲』(1855年改訂版出版)として完成された。

フランツ・リストエクトル・ベルリオーズの勧めで『ファウスト』を読み、『ファウスト交響曲』(1857年初演)の楽想を得た。『メフィスト・ワルツ第1番』も有名だが、こちらはニコラウス・レーナウの詩に惹かれてのものである。

シャルル・グノーには第1部を基にした同名のオペラファウスト』(1859年初演)があり、上演回数も多い。

ロベルト・シューマンの『ゲーテのファウストからの情景』(1862年全曲初演)は演奏の機会は少ないがオラトリオ形式の壮麗な曲である。

酒場でメフィストフェレスが歌った「ノミの歌」が何人かの作曲家によって歌曲とされているが、ムソルグスキーのもの(1879年)がもっとも有名である。

アッリーゴ・ボーイトのオペラ『メフィストーフェレ(英語版)』(1881年改訂版初演)はワーグナーの影響を強く受けたイタリア・オペラの傑作である。

グスタフ・マーラーの「交響曲第8番」(1910年初演)は『ファウスト』の第2部最終幕からテキストを採っている。

キャメロットの『エピカ』(2002年録音)『ザ・ブラック・ヘイロー』(2004年録音)は本作を下敷きにした2部作の物語になっている。特に後者は音楽的にも高い評価を世界中で受けた。

漫画

『ファウスト』は
手塚治虫による漫画版があり、手塚は終生にわたる『ファウスト』フリークで、この作品は1950年に描き下ろし単行本で不二書房で刊行。後に執筆した『百物語』や『ネオ・ファウスト』にも、作品の設定を絡ませている。

『ファウスト』(不二書房)

手塚治虫漫画全集講談社)『ファウスト』

朝日文庫朝日新聞社)『ファウスト』


アニメ企画

手塚治虫は晩年に劇場用アニメーション企画として116枚に及ぶシナリオ原稿を遺しており、1999年1月15日にNHKで放送の『手塚治虫 世紀末へのメッセージ』で一部のみだが手塚プロダクションによりアニメ映像化された。
演劇近代劇協会初演公演でリイスヘンを演じた玉村歌路

1913年上山草人率いる近代劇協会が森?外訳の『ファウスト』を帝国劇場で公演した。これが日本での初上演である。

1989年宝塚歌劇団月組が第一部をもとに『天使の微笑・悪魔の涙』というタイトルでミュージカル化した。ただし結末は大幅に改変してある。


2014年手塚治虫の「ファウスト」「百物語」をもとに『ミュージカル「ファウスト?愛の剣士たち?』というタイトルでミュージカル化された[8]

2020年、サイモン・スティーヴンス(英語版)作で上演された『FORTUNE』はゲーテの「ファウスト」をベースに舞台を現代のロンドンに置き換えた作品となっている[9]

映画

ファウスト(1926年/ドイツ) - F・W・ムルナウ監督。

悪魔の美しさ(英語版) La Beaute du diable (1950年/フランス) - ルネ・クレール監督、ジェラール・フィリップ主演。

地獄(1960年/日本/新東宝) - 中川信夫監督。オリジナルのストーリーだが、仏教における八大地獄などとともに、ファウストを下敷きの一つとしている。

ファウスト(英語版)(1994年/チェコ) - ヤン・シュヴァンクマイエル監督。

悪いことしましョ!(2000年/アメリカ) - ハロルド・ライミス監督。


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