ファイト・クラブ_(映画)
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慌てて滞在先のホテルに戻った『僕』がマーラに電話をかけると、彼女は『僕』のことをタイラーと呼んで電話を切ってしまう。呆然とする『僕』の前にタイラーが現れ、『僕』自身がタイラーであることを気付かせる。『僕』にとってタイラーは理想の全てが詰まった存在であり、自分を変えるために生み出したもう1つの人格オルター・エゴ)だった。出会う以前にタイラーが送っていた生活は『僕』が不眠症で眠れない夜中に行っていた物で、タイラーとの掛け合いも殴り合いも全て『僕』の1人芝居だった。事情を知りすぎたマーラを排除するとタイラーが告げると、それを拒絶した『僕』は気を失う。

目を覚ました『僕』が急いで邸宅に戻ると、スペース・モンキーは忽然と姿を消していた。残された証拠から騒乱計画の最終目的がクレジットカード会社など資本主義に大きく関係する企業ビルを爆破することであると気付いた『僕』は、マーラを探し出して命が狙われていると警告する。なんとかマーラを説得した『僕』は警察へ自首するが、応対した刑事は騒乱計画のメンバーであり「邪魔する者はタイラー本人であろうと排除しろ」という命令に従い襲ってくる。間一髪のところで銃を奪い取って警察から逃れた『僕』は、爆破を阻止するため夜の街中を駆け抜ける。

『僕』は無事に爆破対象のビルへと辿り着き、地下駐車場で爆弾を発見する。再び現れたタイラーに妨害されながらも彼の記憶を辿って起爆装置の解除に成功するが、物理的な抵抗によって意識を失ってしまう。意識が戻るとそこは建設途中のビルの高層階で、『僕』はタイラーに銃を突きつけられていた。地上でマーラがスペース・モンキーに捕まり連れて来られる様子を目撃した『僕』は、彼女を助けるためタイラーを否定することで彼を消し去ろうとするが、やがて「タイラーが銃を持っているということは、僕が銃を持っているということだ」と思い至る。気付けば銃は『僕』の手に握られており、『僕』が自らの口内に銃を突っ込んで発砲すると、タイラーは倒れて姿を見せなくなる。

弾丸は顎の付け根の方を通ったため、重傷ではあったが致命傷にはならなかった。スペース・モンキーに連れて来られたマーラと再会した『僕』が「もう大丈夫だ」と告げていると、ビルの外で爆破が始まる。2人は手をつなぎ、高層ビルが次々と崩壊する様をただ見つめていた。
キャスト

役名俳優日本語吹き替え
ソフト版
フジテレビ
タイラー・ダーデンブラッド・ピット山寺宏一堀内賢雄
ナレーター(英語版)(主人公・「僕」、タイラー・ダーデン)エドワード・ノートン平田広明森川智之
マーラ・シンガーヘレナ・ボナム=カーター高乃麗勝生真沙子
ロバート・ポールセン(ボブ)ミート・ローフ玄田哲章塩屋浩三
エンジェル・フェイスジャレッド・レト川島得愛堀川仁
アーヴィンポール・ディロン伊藤栄次牛山茂
メカニックホルト・マッカラニー遊佐浩二石塚運昇
リチャード・チェスラーザック・グルニエ神谷和夫佐々木梅治
レイモンド・K・ヘッセルジョン・B・キム根本泰彦
リッキーアイオン・ベイリー室園丈裕佐久田修
スターン刑事ソム・ゴッサムJr.宝亀克寿
ステフエバン・ミランド石井隆夫天田益男
クロエレイチェル・シンガー定岡小百合
トーマスデイヴィド・アンドリュース
ジェイコブズ警察署長レナード・タルモ佐々木敏長島雄一
空港の警備員ボブ・スティーブンソン
インターン(精神科の医者)リッチモンド・アークウェッド坂口賢一青山穣
演説の男シドニー・"ビッグ・ドーグ"・コルストン柳沢栄治
女リーダークリスティーナ・キャボット深水由美
ウェイターエドワード・コワルジク河相智哉


ソフト版
演出:松岡裕紀、翻訳:税田春介、調整:滝澤康、制作:プロセンスタジオ

フジテレビ版 - 初回放送2003年6月14日『ゴールデンシアター』21:00-23:24
その他の声の出演:大川透辻親八小林優子古田信幸桐本琢也斎藤志郎小形満中田和宏佐々木誠二斎藤恵理阪口周平演出:伊達康将、翻訳:松崎広幸、調整:栗林秀年、制作:東北新社、プロデューサー:中島良明(フジテレビ)

※フジテレビ版ではエドワード・ノートンが演じる「僕」はキャラの紹介字幕にて「僕」ではなくジャックと表記されている。
作品解説
主人公について

本作は、小説、映画とも主人公の一人称視点で進行するが、主人公の名前は終盤まで明らかにされない。作品の映画版のクレジットでは「ナレーター(Narrator)」と表記されている。便宜上、映画版で主人公が朗読する古本に書かれている人物の名を取って「ジャック」と呼ぶ場合がある[4]
サブリミナル

映画ではサブリミナルでタイラーのイメージが挿入されている部分がある。これらは主人公がタイラーに出会う前、オフィスや空港での日常シーンで不意に数コマタイラーの姿が挿入されたり、よく見ると主人公とすれ違う人物の中にタイラーがいる、ホテルのCM中に勢ぞろいした従業員の中にタイラーがいる、といった具合である。また、この映画の根底に流れる男性性にダメ押しをするかのように、ラストシーンにほんの数コマだがペニスが写っている。Blu-ray版では、公開当時やDVD版で規制の問題でカットされていたサブリミナルカットが復活しており、ラストシーンのペニスのコマが無修正で収録されている。
舞台

この映画の舞台は、アメリカのどこにでもありそうな大都市のひとつであるが、具体的にウィルミントンではないかと指摘する声もある。


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