ピンクの豹
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しかしシリーズ第3作で、本作の続編的位置付けである『ピンク・パンサー2』(1975年)において「ダイヤモンドのピンク・パンサー」は中東の国・ルガシュの博物館に展示されている。このことから、王女の出身国は名はルガシュで、ダイヤは革命政府の求めによりルガシュに返還されたものと推測できる。しかし『ピンク・パンサー2』では、革命で王家が海外に追われたはずのルガシュに国王がいる設定となっており、矛盾もある。王家が復権したとの解釈も不可能ではないが、王女の消息について後のシリーズで語られることはない。セラーズの没後に製作されたシリーズ最終作『ピンク・パンサーの息子』(1993年)にカルディナーレは30年振りに再出演を果たすが、ダーラとは別の役であった。

上述の歌手フラン・ジェフリーズの歌唱シーンについて、ジェフリーズが王女役のクラウディア・カルディナーレと似ているため、ネット等にカルディナーレによる歌唱との誤記述が見られる。このシーンで王女は聴衆の中にいるが、ほとんどアップで映らない故に誤解が生じやすい。

クルーゾー警部の夫人シモーヌ役はエヴァ・ガードナーの予定であったが、ガードナーが降りたため、チャールズ・フェルドマンが監督のブレイク・エドワーズキャプシーヌを推した。この交替により、クルーゾー警部役で出演する予定だったピーター・ユスティノフが、キャプシーヌと共演することを拒否して土壇場で降板したため、急遽、ピーター・セラーズがクルーゾー警部を演じることになった[2]。特にユスティノフの降板はローマでのクランクイン直前で、セラーズは急遽の代役として生涯の当たり役を手に入れることとなった。なお、フェルドマンは、当時ハリウッドで有力なプロデューサー/エージェントで、キャプシーヌをスカウトした人物。

クラウディア・カルディナーレは撮影当時は英語が十分に話せなかったため、声は他の声優による吹き替えであった、とヘンリー・マンシーニは書いている[3]

今日、『ピンク・パンサーのテーマ(英語版)』として知られる有名な曲は、主演のデヴィッド・ニーヴン演ずるチャールズ・リットン卿こと怪盗ファントムの忍び足をテーマにしたものであった[3]。すなわち、この曲が「誰」のテーマ音楽なのかといえば、『ピンクの豹』ではなく、ピーター・セラーズ(クルーゾー警部)でもなく、デヴィッド・ニーヴンのテーマ音楽なのであった。

キャスト

役名俳優日本語吹き替え
テレビ朝日版テレビ東京版
チャールズ・リットン卿
デヴィッド・ニーヴン中村正谷口節
ジャック・クルーゾー警部ピーター・セラーズ大塚周夫稲葉実
ジョージ・リットンロバート・ワグナー広川太一郎宮本充
シモーヌ・クルーゾーキャプシーヌ藤波京子高島雅羅
アンジェラ・ダニング夫人ブレンダ・デ・バンジー火野カチコ
タッカーコリン・ゴードン塩見竜介田口昂
サルードジェームズ・ランフィアー乃村健次
歌手フラン・ジェフリーズ
ダーラ王女クラウディア・カルディナーレ小原乃梨子水谷優子
日本語版スタッフ
演出甲斐樹美子
翻訳植田尚子
調整遠西勝三
制作ムービーテレビジョン
初回放送『日曜洋画劇場
1973年1月28日放送
本編約96分『午後のロードショー
2001年2月19日放送
本編約94分
再放送『水曜ロードショー
「ピンクパンサー1」
1976年1月21日放送

※2004年のDVD化の際、当初はテレビ朝日版の収録が予定されていたものの再放送時の短縮音源(約71分)しか現存しなかったため、尺の長いテレビ東京版が収録された。2019年にムービープラスでテレビ朝日版が放送された際は欠落部分を一般から公募した音源で補って放送した。
関連項目

ピンクパンサー (犯罪組織)
脚注^ “The Pink Panther”. Box Office Mojo. 2018年11月14日閲覧。
^ Mirisch, Walter (2008) 「I Thought We Were Making Movies, Not History」
^ a b Did They Mention the Music?: The Autobiography of Henry Mancini

外部リンク

『ピンクの豹』が生んだもうひとつの名曲『今宵を楽しく』

The Pink Panther Film Collection Starring Peter Sellers - Blu-ray 。Shout! Factory(英語)

ピンクの豹 - allcinema

ピンクの豹 - KINENOTE

The Pink Panther - オールムービー(英語)

The Pink Panther - IMDb(英語)

The Pink Panther - TCM Movie Database(英語)

The Pink Panther - Box Office Mojo(英語)










ピンク・パンサー
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ピンクパンサー3

ピンクパンサーSP[1]

^ “パチスロ ピンクパンサーSP機種情報”. 777パチガブ (2022年6月6日). 2023年1月25日閲覧。
カテゴリ










ブレイク・エドワーズ監督作品
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暗闇でドッキリ (1964)

ピンク・パンサー2 (1975)

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