ジャスモリン(Jasmoline)のアルコール成分は、ジャスミンの香り成分であるジャスモン(英語版)の4位に、ヒドロキシ基が付いたアルコールである。他のピレスロイドと同様に殺虫作用を持つ。
ジャスモリン I (Jasmoline I) ? IUPAC名は (1R,3R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 (1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2-ペンテニル-2-シクロペンテン-1-イルエステル、CAS登録番号は4466-14-2。
ジャスモリン II (Jasmoline II) ? IUPAC名は (1R,3R)-3-[(1E)-3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2-ペンテニル-2-シクロペンテン-1-イルエステル、CAS登録番号は1172-63-0。
合成ピレスロイド
アレスリンアレスリンI (R = ?CH3)
アレスリンII (R = ?COOCH3)詳細は「アレスリン」を参照
アレスリン(Allethrin)はピレトリンの構造を元に、初めて全化学合成によって創造された殺虫剤で、構造が異なるアレスリン I、アレスリン II が知られている。なお、いずれも立体不明の混合物として合成および命名されているので、アレスリンと呼んだ場合は、8種の異性体混合物を指す。
アレスリン I (Allethrin I) ? IUPAC名は 2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イルエステル、CAS登録番号584-79-2。150℃以上で分解せずに揮発する。光、空気、アルカリに不安定。
アレスリン II (Allethrin II) ? IUPAC名は 3-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イルエステル、CAS登録番号497-92-7。光、空気、アルカリに不安定。
その他の合成ピレスロイド
D-テトラメトリン(別名フタルスリン)C19H25NO4、分子量331.4、CAS登録番号7696-12-0。
レスメトリン C22H26O3、分子量338.5、CAS登録番号10453-86-8。
フラメトリン C18H22O3、分子量286.4、CAS登録番号、CAS登録番号23031-38-1。
フェノトリン C23H26O3、分子量350.45、CAS登録番号26002-80-2。疥癬の治療のために外用する場合がある。
メトフルトリン C18H20F4O3、分子量 360.34、CAS登録番号240494-70-6。
トランスフルトリン C15H12Cl2F4O2、分子量371.15、CAS登録番号118712-89-3。
シフェノトリン C24H25NO3、分子量 375.47、CAS登録番号39515-40-7。
ベラトリン C18H21ClO4、分子量 375.47、CAS登録番号70-43-9。
エトフェンプロックス(別名ベクトロン)C25H28O3、分子量376.49 CAS登録番号80844-07-1。菊酸エステルでなくエーテル構造を持つ。
モンフルオロトリン C19H19F4NO3、分子量 385.35、CAS登録番号609346-29-4。
ペルメトリン C21H20Cl2O3、分子量 391.29 CAS登録番号52645-53-1。疥癬の治療のために外用する場合がある。
シフルトリン C22H18Cl2FNO3、分子量 434.29、CAS登録番号68359-37-5。毒劇法で劇物に指定されている。
テフルトリン C17H17ClF7O2、分子量 418.74、CAS登録番号79538-32-2。毒劇法で毒物に指定されている。
ビフェントリン C23H22ClF3O2、分子量 422.87、CAS登録番号82657-04-3。毒劇法で劇物に指定されているものの、2%以下は普通物である。
シラフルオフェン C25H29FO2Si、分子量 408.58、CAS登録番号105024-66-6。
D-テトラメトリン
レスメトリン
フラメトリン
ペルメトリン
シフェノトリン
ブラトリン
エトフェンプロックス
シフルトリン
(毒)テフルトリン
(劇)ビフェントリン
シラフルオフェン
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただ、除虫菊から抽出した殺虫成分であれば使用しても有機農産物と表示することが有機JAS規格で認められているため、除虫菊の需要が無くなったわけではない。
^ 世界的に安全意識の高い地域からDDTは製造や使用が禁止されていったものの、それでも残留性の問題で、ヒトの血液や母乳などからですら、DDTの代謝物であるDDE(en:Dichlorodiphenyldichloroethylene)などが、検出され続けている。
出典^ “ ⇒ありがとう因島市 : 因島市閉市記念誌”. 国立国会図書館 (2006年11月29日). 2014年10月17日閲覧。
^ “拠点情報 。健康・農業関連事業部門 。住友化学” (html). 2015年12月5日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2015年11月19日閲覧。
^ “DDT Ban Takes Effect”. アメリカ合衆国環境保護庁(EPA). 2016年4月16日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2015年12月22日閲覧。
^ “医薬品 トコジラミ ゴキブリ アース|家庭用殺虫剤|アース製薬株式会社” (html). 2017年8月16日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2017年7月23日閲覧。
^ a b “ピレスロイドの特長は?”. 2014年7月21日閲覧。