1981年に「ジミーの世界」虚報事件が起こった。
賞金は開始当初のもので、公益が金メダル、アメリカ史が2,000ドル、その他1,000ドルとなっており、その後一律で1,000ドルとなった。その額は物価の変動にかかわらず長い間据え置きとなり、1989年に3,000ドルに引き上げられた。2017年時点で賞金1万ドル、さらに今後は1万5000ドルへと上昇した。 ピューリッツァー賞はメディア内の全該当作品を自動的に考慮するのではなく、具体的に応募されたものだけで選考を行う[8](各部門応募ごとに75ドルの参加料が必要)。応募は、特定の賞部門の少なくとも1つに該当している必要があり、単に文学的または音楽的であることでは応募資格を得られない。作品はまた、その性質にかかわらず、最大2部門にだけ応募することが可能である。 ピューリッツァー賞理事会[9]によって毎年102人の審査員が選ばれ、賞の21部門に対してそれぞれ審査員20人が選考を務める。 1人の審査員が写真賞も両方推薦する。ほとんどの審査団は5人組で構成されている(公益、調査報道、解説報道、特集記事、論説部門を除く、こちらは7人)が、文学書籍の審査団は全て最少メンバーが3人である [1] 。各賞の部門で、審査員は3件の最終候補推薦(ノミネーション)を行う。 理事会はその推薦候補から過半数票をもって受賞者を選ぶ、もしくは推薦候補を無視して75%の多数決をもって別の応募作品を選出する。 理事会は、受賞者なしにする投票も可能である。理事会とジャーナリズム部門の審査員は、この活動を無償で行う。 しかしながら、文学、音楽、戯曲の審査員は年間2000ドルの礼金を受け取り、各議長は2500ドルを受け取る[1]。 自分の作品を投稿した者は誰であれ「参加者」と呼ばれる。審査員はノミネートされた最終候補者達を選出し、それらを各部門の受賞者とともに発表する。しかしながら、一部の投稿しただけのジャーナリストが、最終候補に推薦されてもいないのに、プロモーション資料でピューリッツァーにノミネートされた人物であるといまだに主張する。 例えば、MSNBCのビル・デッドマン 必要とされるのは、「卓越した(distinguished)」ものであること[11]。ピューリッツァーの残した言葉は「ザ・ベスト」であった[12]が、絶対的な基準を設定するのは不可能だという議論が起こり、妥協して卓越したという表現に落ち着いた。ピューリッツァー賞は「アメリカ」に関わるものが対象となり、文学と戯曲もアメリカの生活を描写したもののみを対象とする。もちろん、その作者もアメリカ人でなければならない。ただし、ジャーナリズム部門はあくまでも「アメリカの新聞」にのることだけが条件であり、そのため日本人も写真部門では海外の新聞社に取り上げられ、実際に受賞している。 アメリカで発行された新聞に掲載されることが第一の条件となる。受賞対象年度の翌年2月1日をその締め切りとし、4月半ばに受賞者が公表される。応募の際には、審査手数料75ドルが必要。審査はまず、ピュリッツァー賞理事会事務局によって任命された審査員が行う。各部門につき3人が任命され、その審査員の地位は、権威ある記者、デスク、編集局長らがほとんどとなり、事前に公表される[13]。任期は2年を超えることが許されず、毎年半数が代わっていく。毎年のジャーナリズム部門の応募総数は平均で約1,800件であるが、以前は1日の審査ですませていた。しかし「ジミーの世界」虚報事件以後は二日に渡ってコロンビア大学ジャーナリズム学部にこもって入念に審議することになった。各部門3件まで絞った後は、その結果を順位をつけずに本審査となるピュリッツァー賞理事会へ送り、そこで受賞者が決定する。 2日での審査は不可能な文学が対象のため、応募期間はジャーナリズム部門とやや異なる。応募は二期に分かれ、1月1日から6月30日までに出版されたものは7月1日までに、7月1日から12月31日までに出版されたものは11月1日まで審査事務局に4部提出しなければならない。この場合、11月2日以降に出版するものは応募が不可能に見えるが、11月2日以降のものに関してはゲラ刷りでの提出が可となっている。他は75ドルの審査料も含めてジャーナリズムとあまり大差はない。各部門3人の審査員は、大学教授、作家、編集者、評論家によって構成されている。こちらは、ジャーナリズム部門とは異なり、審査員は受賞まで明らかにすることはできない。出版物ではない「戯曲」に関しては脚本6部の提出と、鑑賞のために必要となるチケットの提供が必要となる。これは人気作であっても、予定通り鑑賞するための処置だった。これらの審査が終わると、3作品を選定してピュリッツァー賞理事会に送り、以後はジャーナリズムと同じ手続きで審査される。 アメリカで初演されたアメリカ人の作品というのが不可欠な条件で、選定の段取りとしては戯曲に準ずる。審査員は音楽大学の教授、作曲家、音楽評論家らが任命され、3作品をピュリッツァー賞理事会に送ると、以後はジャーナリズム及び文学部門と同じ手続きで審査される。 詳細はピューリッツァー賞受賞者 多くの人がピューリッツァー賞を複数受賞している。 ネルソン・ハーディング
応募と選考
参加者とノミネート最終候補者の違い
部門審査と基準
ジャーナリズム部門
文学部門
音楽部門
複数回受賞者
個人
以下は、ピューリッツアー賞を3回以上受賞した者のリストである。
芸術・文芸
4回受賞
ロバート・フロスト、詩
ユージン・オニール、戯曲
ロバート・E・シャーウッド(英語版)、戯曲(3)と伝記
3回受賞
エドワード・オールビー、戯曲
アーチボルト・マクリーシュ、詩(2)と戯曲