ピューマ
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アライグマウサギアメリカビーバー、オグロプレーリードッグリスキタオポッサムなどの小型の動物も食べる。チリ中部ではグアナコが食性の88.5 %、トレスデルパイネ国立公園ではグアナコが食性の59 %を占めていたという報告例もある[4]。南アメリカでは一方でマザマジカ属、ペッカリー類、バク類、アルマジロ類、ウサギ類、アグーチカピバラヌートリア・アメリカヤマアラシ類などの齧歯類・ハナグマ属サル類・アリクイ類・タテガミオオカミ・およびナマケモノ類といった有毛目などの小型の獲物も食べる[4]。鳥類(大型のものではレア)や爬虫類(大型のものではアメリカアリゲーターカイマン類)を捕食することもあるが、主な獲物ではない[4]。狩りの方法は、地面に伏せて獲物に忍び寄り、後ろや物陰から瞬発力を利用して一気に飛びかかるというもの。大型の獲物は喉に噛みついて窒息死させ、小型の獲物は頭部や頸部に噛みついて殺す[4]。獲物の行動を止めるため、顎や喉笛に食いついたり、獲物を転倒させて、腹部に食いついたりもする。ヤマアラシに対する狩り方は、針毛のない腹部を爪で掻き裂くというもの。捕食された動物の中には、飛びつかれた際の衝撃による骨折が死因のものも見つかっている。殺した獲物は保存や死肉食動物から守るために、土や落ち葉・雪をかぶせて隠すこともある[4]。こうした獲物を数回(3日 - 4週間<寒冷地で大型の獲物の場合>)にわけて、食べることもある[4]アメリカグマヒグマオオカミに、仕留めた獲物を奪われてしまうこともある[4]

妊娠期間は82 - 98日[4]。1回に1 - 4頭(平均3 - 4頭)の幼獣を産む[4]。飼育下では、最大6頭の幼獣を産んだ例がある[4]。飼育下での寿命は長くても20年[4][5]
人間との関係

ライオンのメスに似ていることから、生息地ではライオンを意味する呼称(例としてアメリカ合衆国西部ではLion)で呼ばれることもある[4]

家畜や、郊外ではイヌ・ネコなどのペットを襲うこともある[4]。ごくまれに人間を殺すこともあり、1890 - 2012年にアメリカ合衆国およびカナダで本種による死亡例は23例(うち2例は狂犬病による死亡例)とされる[4]

狩猟、害獣としての駆除、道路建設による生息地の分断化および交通事故(フロリダ州で顕著)などにより生息数は減少している[3][4]。アメリカ合衆国東部では、フロリダ州を除いて絶滅した[4]。1975年のワシントン条約発効時からワシントン条約附属書I・ワシントン条約附属書IIに掲載されている亜種もいたが、2017年に分類の変更に伴い掲載されていた全亜種が亜種P. c. couguarに含まれるということになりこれらの掲載は抹消されている[2]。1977年にネコ科単位でワシントン条約附属書IIに掲載され、2019年にコスタリカとパナマ個体群がワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]

日本では2020年の時点でプマ属(ピューマ属)単位で、特定動物に指定されており、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[9]

インカ帝国に存在したクスコの街はピューマを元にできている[10]
呼称

分類学上、本種をピューマ属とせず、ネコ属の下位に置いて「ピューマ亜属」とする学説もあり、その場合の学名はシノニムとしての Felis concolor である。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}属名 Puma や英名puma(プーマ)の語源を辿ると、スペイン語名を経ているが、そもそもの由来は南アメリカのペルーやエクアドルに暮らす先住民族ケチュアの言語でのその名 pumaに源流がある[要出典]。

アメリカライオンとも呼ばれる[11]民俗学者南方熊楠は著書『十二支考』の中でピューマに対して亜米利加獅や米獅という漢字を当てている[12]
画像

頭部

頭骨

幼獣

足裏

足跡

動物園で誕生したヒョウとの属間雑種であるPumapard

警告標識

出典[脚注の使い方]^ Appendices I, II and III (valid from 26 November 2019)<https://cites.org/eng> (downroad 07/27/2020)
^ a b c UNEP (2020). Puma concolor. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 07/27/2020)
^ a b c d e f g h i Nielsen, C., Thompson, D., Kelly, M. & Lopez-Gonzalez, C.A. 2015. Puma concolor (errata version published in 2016). The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T18868A97216466. doi:10.2305/IUCN.UK.2015-4.RLTS.T18868A50663436.en, Downloaded on 27 July 2020.
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak Luke Hunter 「ピューマ」山上圭子訳『野生ネコの教科書』今泉忠明監修、エクスナレッジ、2018年、155-164頁。


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