ピッコロ_(ドラゴンボール)
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原作者の鳥山明によると、ピッコロという名前は「悪いヤツだから悪い名前をつけるのは芸がないかな[31]」「怖いヤツなのに、かわいい名前というバカバカしさ[1]。」という理由で決めたという。

邪悪さを全身から醸し出す本格的な悪役は『ドラゴンボール』および鳥山明の漫画作品では初となる。鳥山明は、それまで作中に登場したピラフ一味やレッドリボン軍、桃白白などのどこか憎めない所がある悪党とは違う「恐ろしく強大な敵」を作れたこと、この頃が一番楽しく描いていたことを語っており[32]、好きなバトルをインタビューされた際は1位に悟空対ピッコロ大魔王を挙げている[33][34]。また、鳥山は「怪獣映画の影響か、ピッコロが街を壊すシーンは気に入っている」「クライマックスが近づくにつれ、次の敵はピッコロを上回らなければならないんだと、プレッシャーもあった」とも語っている[22]

このピッコロ大魔王編ではクリリンと亀仙人、さらには大魔王の願いを阻止すべく飛び出して殺された餃子と初めてレギュラーキャラクターの死が描かれている。特にクリリンの死に対しては素直な悟空が亀仙人の命令に背き、心の底から激しい憤怒と憎悪を爆発させた。

どちらのピッコロも原作では指の数が4本だが、アニメでは5本となっている。また腕の蛇腹模様の色も原作ではベージュ、アニメではピンクと、それぞれ異なる。ピッコロ大魔王は原作では1度だけ指が5本になっており[注 4]、その際コマの枠外に「ユビが1本ふえちゃった」と書かれている。配色については「緑色の人間だと違和感があっていいな」という理由で決められた[35]。鳥山によると、カラーは『週刊少年ジャンプ』の表紙で初めて描いたが、キャラクターデザインを考えていた頃からイメージ的に緑色だと決めていたという[22]

ピッコロ大魔王の座っていた椅子は手すりと背もたれにドクロの飾りを付けている以外は後に登場するナメック星の最長老の椅子と同デザインであり、鳥山は「ピッコロ大魔王の頭の中にナメック星にいた頃の記憶が少し残っていたためではないか」と語っている。また、ピッコロ大魔王がナメック星人であることは神が初登場した時に考えられ、ピッコロ大魔王の椅子を基にしてナメック星の宇宙船や建物のデザインが決められた[36]

「ピッコロ大魔王のモデルは、鳥山明の初代担当編集者の鳥嶋和彦である」という説があったが[37]、鳥山自身は「あまり意識した覚えはない。根本にはあるかもしれないけど、無意識に反映させていたのかもしれない」と語っている[38]。また、鳥嶋のアドバイスによりローマ皇帝ネロからヒントを得ている[39]

後年ピッコロ大魔王を演じた青野は「この緑色のキャラクターを見てどう演じてやろうかと表現意欲が湧いて、やる気満々になった」と語っている[40]。またマジュニアの卵を産むシーンは回想シーンも含めて4回ほど演じ、「快感になっちゃって演じる時が楽しみになったりしたけど、演技そのものは大変で気持ち悪いとかも言われた」と語っている[41]。作中でも初登場の際はピラフ一味に「メシがまずくなる」と目を背けられ[26]、共演した野沢雅子鶴ひろみは「もう産まないでー」という感じだったと語っている[42]。またこのシーンで力を入れすぎて体調を崩したという逸話もある[43]

20世紀フォックスの実写映画『DRAGONBALL EVOLUTION』ではドラゴンボールを狙う悪の親玉として登場。2000年前に地球を破滅寸前まで追いやったが、7人の戦士たちの「魔封波(マフーバ)」によって幽閉されていた。現代にて復活し、次の日食が起こる日までにドラゴンボールを集め、人間への復讐と世界征服を企む。武術の達人である女戦士マイを部下として従えている。また、孫悟空の出生の秘密を知っている。演じたのはジェームズ・マースターズ。吹き替えは大塚芳忠

『ドラゴンボールSD』では、ピッコロ大魔王編のエピソードは削られ、少年悟空の戦いは天津飯戦が最後となっている。天下一武道会にて天津飯と死闘を演じる中、上空から落下した悟空はたまたまピッコロ大魔王のいる飛行船に突っ込む。その時にピッコロ大魔王は腹を貫かれて、若返ることなく退場となった。息子であるマジュニアはこの時に生み出され、成長した後ラディッツ襲来時に初めて悟空と対面した。その際、「ピッコロ大魔王は貴様に交通事故的に殺された」と述べている。
ピッコロ(マジュニア)

アニメでの声優古川登志夫[注 5]。原作其之百六十一「孫悟空 勝つ!!」、アニメ『ドラゴンボール』第123話「如意棒の秘密」でそれぞれ初登場。サイヤ人編以降の主要戦闘キャラクターの1人である。
キャラクター概要(マジュニア)

エイジ753生まれ[44]で誕生日は5月9日[45]。身長226cm、体重116kg(成人時)[44]。趣味は静かな場所での瞑想、好きな食べ物は水(特に北エリアの雪解け水)、好きな乗り物はなし[44]。一人称は「オレ」もしくは「オレさま」。アニメ『ドラゴンボール』では幼少期に一度だけ「わたし」を使用している。

悟空と戦って敗れたピッコロ大魔王の息子[注 6]にして分身[44][46][注 7]で、生まれ変わりでもある[47][48][49][注 8]。加えて、鳥山もマジュニアのことを「生まれ変わったピッコロ」と発言している他[50]、『ドラゴンボール超全集』には「地球の神と昔は一心同体だった」と記され[51]、『ドラゴンボール大全集』や『ドラゴンボール超全集』などでも初代ピッコロ大魔王との関係について「かつての自分」と解説されている[52][53]

悟空を倒すため、天下一武道会に乗り込み、正体を隠すための偽名として「マジュニア」と名乗った。第25回天下一武道会でもパニックを避けるため、このもう一つの名を使用していたが、「マジュニア=ピッコロ」という事実は第23回天下一武道会の決勝戦を見ていた観客全員が知っていた。アニメでは、この事実がテレビの臨時ニュースとして大きく報じられている。後年に天下一武道会に参加した際に、もう一度この名前を使用していた。

書籍でも「ピッコロ」と表記されている本と「マジュニア」と表記されている本がある。小山高生が脚本、前田実が挿絵を担当したオリジナルイラストストーリー『ピッコロ大魔王の名に賭けて』では、第23回天下一武道会の受付で名前を聞かれた際に一瞬答えに詰まり、とっさに思いついた名前とされた。本人は「魔族の息子(ジュニア)だから、魔ジュニア=マジュニアだ。思いつきのわりには、なかなか傑作な名前だろ」と語っている[54]

生まれたときから大魔王の記憶や技などを全部覚えており[47]、卵から孵って3年という短期間で青年の姿へと急成長を遂げた。アニメでは魔族の子であるため、わずか1年で成人に近い身体になったとされている[54]


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