ブラック・フランシスの歌唱は、その人を食ったような歌詞と相乗し、狂気的でありながらも文学的である。それらの狂気がキム・ディールの可愛げなコーラスと合わさったピクシーズの形容しがたい表情は、アーティスティックなものとして受け入れられ「ヘヴィメタルともロックンロールとも違うギターミュージック」として、多くのフォロワーを生んだ。
フランシスの歌詞の題材になるのは、近親相姦、歪んだ恋慕、殺人、キリスト教社会・学歴社会への反発(これらはフランシスの人生と大いに関係している)、死生観、自然観、動物観、などである。
初期の作品はスティーブ・アルビニ録音などの影響でローファイ・アンダーグラウンド色が強く、剥き出しの音楽を生み出した。その後の作品はギル・ノートンによってプロデュースされ、メジャーシーンに進むにつれて厚いギターが目立つようになったが、その評価はいささかも揺らぐことはなかった。ローリング・ストーン誌のエーラ・バートンは「1990年代以降のギターロックの本山」として、ピクシーズに高い評価を与えている。
ピクシーズに影響を受けたミュージシャンは数多く、ニルヴァーナのカート・コバーン、U2のボノ、ウィーザー、ブラー、レディオヘッド、ストロークス、アリス・イン・チェインズ、アーケイド・ファイア、ペイヴメント、PJ ハーヴェイ、キングス・オブ・レオンなど。ニルヴァーナの代表曲「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」はクリス・ノヴォセリックがピクシーズの曲("Debaser"だと言われる)のベースラインを演奏している様子にカート・コバーンがインスピレーションを得て出来た曲だといわれている。
トリビュートアルバムもいくつか作られており、1999年にアメリカでリリースされた"Where Is My Mind? A Tribute to the Pixies"にはウィーザー、ナダ・サーフ、リール・ビッグ・フィッシュらが、2000年に日本でリリースされた"Tribute to the Pixies"にはBEAT CRUSADERS、PENPALS、MO'SOME TONEBENDER、NAHTらがそれぞれ参加している。
作品詳細は「ピクシーズの作品」を参照
アルバム
カム・オン・ピルグリム - Come on Pilgrim (1987年、EP)
サーファー・ローザ - Surfer Rosa (1988年)
ドリトル - Doolittle (1989年)
ボサノバ - Bossanova (1990年)
トゥロンプ・ル・モンド(世界を騙せ) - Trompe le Monde (1991年)ジーザス&メリーチェインの「ヘッド・オン」のカヴァーを収録
インディ・シンディ - Indie Cindy (2014年)
ヘッド・キャリア - Head Carrier (2016年)
ビニース・ジ・エリー - Beneath The Eyrie (2019年)
ドガラル - Doggerel (2022年)
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b c Erlewine, Stephen Thomas. “Pixies Biography, Songs, & Albums”. AllMusic. RhythmOne. 2020年11月19日閲覧。
^ “ ⇒Rocklist.net...Q Magazine Lists..”. Q - 100 Greatest Singers (2007年4月). 2013年5月21日閲覧。
^ “Kim Deal Leaves the Pixies”. ローリング・ストーン (2013年6月14日). 2013年7月1日閲覧。
^ “Pixies Add New Bassist Kim Shattuck”. ローリング・ストーン (2013年7月1日). 2013年7月1日閲覧。
^ “ ⇒Pixies Fired Kim Shattuck Via a Phone Call From Her Manager”. スピン (2013年12月11日). 2013年12月19日閲覧。
^ “ ⇒Pixies Draw A Perfect Circle's Paz Lenchantin as New Touring Bassist”. スピン (2013年12月9日). 2013年12月19日閲覧。
^ ⇒http://hostess.co.jp/pixies/
^ “ピクシーズ、ベーシストのパズ・レンチャンティンの脱退を発表”. amass (2024年3月5日). 2024年3月5日閲覧。
外部リンク
PIXIES - Official Website(英語)
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