ピアノの森
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軽度の知的発達遅滞がありながらも、森のピアノを最後まで守ろうとした。
丸山 誉子(まるやま たかこ)
声 - 悠木碧[5] / 福田麻由子第56回全日本ピアノコンクール・中部南地区予選においてカイと出会った少女。実力は確かなものの家庭環境によるプレッシャーによるものか、あるいは生来のものなのか、重度のあがり症であり、そのことから周囲に対し必要以上に攻撃的なところがあった。しかしカイとの対話を通してそれを克服する(この時にカイから『便所姫』というあだ名を貰っている)。カイの演奏に感化されてからは、それを認めない「コンクール」に対し度々挑戦をする。結果には必ずしも結びつかないものの、その演奏は音楽教師・司馬の目に留まり、以後彼に師事することになる。カイとの再会を夢見ながら彼女はショパン・コンクール1次、2次予選をパスしていくが、密かに腱鞘炎を患っていたことが露見したために本選を辞退。その直後、大分で開催された「JAPANソリスト・コンクール」会場でカイとの再会を果たし、手を直して再度カイと同じステージで戦えるようになることを決意する。
佐賀 武士(さが たけし)
声 - 遊佐浩二[5]浪花音楽大学学長代理。少年時代、阿字野に憧れていた。彼自身も若いときにはピアニストを目指したが、指を痛め断念したいきさつを持つ。第56回全日本ピアノコンクール・中部南地区でカイの演奏を聞いて驚愕したが、審査基準に従い0点と採点した。しかし本選で丸山誉子の特別賞受賞を提案して、「一線を越えた音楽家」に理解を示している。ショパンコンクール予選で誉子の腱鞘炎を見抜き、指導者である司馬に本選の辞退を進言するなど、物語上の役割はとても大きい。自分の心には非常に素直で歯に衣着せぬ言動で他人を苛立たせることも多いが、逆に気に入った人物には熱狂的ともいえるファンになる。カイが扮装するマリアの演奏を聞きにPクラまで車を飛ばして聞きにくるほどの、マリアファン。カイがPクラを辞めた後は必死になってマリアを探していた。カイがマリアだと判明してからも変わらず彼を応援する。
司馬 高太郎(しば こうたろう)
声 - 家中宏[5]ハヤマ音楽大学附属ハヤマ音楽高等学院ピアノ科教諭。彼もまた、第56回全日本ピアノコンクール・中部南地区におけるカイの演奏に取り付かれた一人。同じようにカイを探していた誉子と出会い、彼女に音楽を教えていくことになる。
ベンちゃん
声 - 小野友樹"森の端"の便利屋。ダルメシアンのてん丸(声 - 麦穂あんな)と一緒に大型トラックで様々な荷物を運ぶ仕事をしている。年齢は怜子の5歳年下、カイの10歳年上。カイの実の父親という噂も森の端でささやかれていたが、真相は不明。
ピエロのバイトの仲間たち
ヴィオラの蒲田(声 - 財満健太)、チェロの高田馬(声 - 若林佑)、ヴァイオリンの品川(声 - 駒田航)、元ピアノ担当でヴァイオリンの渋谷(声 - 遠藤広之)の四人。カイが、中学・高校時代にピアノの才能を育むのに大いに協力したメンバー。カイがバイトをしているのを学校にばれるのを防ぐために、暑いさなかでも、ピエロの扮装をして路上コンサートを行っていた。
カイの成長期篇
岸上 冴(きしがみ さえ)
彫師。女性だと思っていたカイに想いを抱きPクラに通っていた。やがて男性と知りショックをうけながらも、カイの気持ちを知り、恋人に。現在は同棲している。アニメ版には未登場。
ジャン・ジャック・セロー
声 -
島田敏[5]25年前のショパン・コンクールで阿字野の演奏を唯一評価したピアニスト(それがジャンとショパンコンクールの間に確執を生んでいた)。事故後、心を閉ざした阿字野を慰めるため日本語を覚えた。カイとは大分で開催された「JAPANソリスト・コンクール」で指揮者として共演した。パン・ウェイと阿字野のゴシップ記事が掲載された際には旧知であるコンクール会長のブゼクに連絡を取り、記事を書いたヴィクトリアを逮捕へと追い込んだ。
ショパン・コンクール篇
平田 光生(ひらた こうせい)
声 -
豊永利行[5]ショパン・コンクール参加者。カイや雨宮と年齢は一緒。ポーランドに留学している。最年少入賞を狙っていたが、予備選であがってしまい、まともな演奏もできなかった。その後は何故かカイと一緒に行動している。度々無神経な発言をする悪癖があるが、悪い人間ではない。
? 威(パン ウェイ)
声 - 中村悠一[5]ピアノ - 牛牛[5]ショパン・コンクール参加者。日本人嫌いとして知られる中国人のピアニストで、父親の分からぬ子を身ごもった母親が火を放たれた小屋の中で自分の命と引き換えに彼を出産した。孤児となった保育園時代にピアノの才能が開花し、富豪のパン・ハオの養子となるも、ハオからはピアノの才能をより開花させるために常軌を逸した英才教育と虐待を受け続けた。「大勢のピアニストの演奏を同時に聞いて誰のピアノに関心を持つか」という異常な教育の中で阿字野の演奏を見てから彼を目標にして這い上がってきたため、自分でも意識してないが阿字野の弟子のカイにライバル心を抱くことになる。ショパン・コンクールのファイナルステージで初めて尊敬する阿字野と会話し自分の抱えていたわだかまりがとけて自身本来のピアノを弾くことができた。コンクール中盤で養父の策略で中国に強制送還されるが終盤で会場に戻り、最終的には養父の後をついで社長になっている。(フー・ツォンがモデルか?)
レフ・シマノフスキ
声 - KENN[5]ピアノ - シモン・ネーリング[5]ショパンコンクールの参加者。ポーランド人のピアニスト。祖父はかつて偉大なピアニストだったディミトリ・シマノフスキ。ひとつ上の姉のエミリア・シマノフスカもピアニストだったが数年前にレッスンをサボった自分の代わりに祖父のレッスンを受けに行く際に事故で寝たきりになっており、その過去を引きずっていた。アニメ版では、姉と一緒に、阿字野のカムバックリサイタルを見ている。
ソフィ・オルメッソン
声 - 伊瀬茉莉也[5]ピアノ - ジュリエット・ジョルノー[5]ショパン・コンクールの参加者。フランス人のピアニスト。
カロル・アダムスキ
声 - 小西克幸[5]ショパンコンクールの参加者。ポーランド人のピアニスト。「ショパンの生まれ変わり」と称されている。作中では予想に反して第一次予選で落ちてしまうものの、その直後の修平との会話で、修平が覚醒するきっかけを作った。
アン・チャンウ(兄)、アン・チャンス(弟)
声 - 土田玲央(チャンウ)[7]浦田わたる(チャンス)[8]ショパンコンクールの参加者。韓国人の双子のピアニスト。
その他
ヴィクトリア
声 -
早水リサゴシップ記者。ショパンコンクールにて息のかかったカメラマンを使いパン・ウェイの過去と阿字野との関係を調べ上げてゴシップ記事を公開し、同様にカイの生い立ちを探るべくカメラマンを森の端に送り込むも、現地のチンピラに袋叩きに遭ったことで失敗に終わる。更にジャンが旧知のコンクール会長ブゼクに連絡し、事の重大さに気づいたブゼクが警察に通報していたことで、コンクール運営を妨害したとして逮捕・刑事告訴された。しかし皮肉にも逃げ延びたカメラマンが動画サイトに公開した森の端での映像がきっかけで森の端摘発に繋がることとなる。テレビアニメ版ではカイの素性を探る展開は原作と同様だが、森の端にはカメラマンを送り込んでおらず、既にネットに投稿されていた動画から森の端の存在を知ることになる。
パン・ハオ
声 - 近藤浩徳中国の大富豪でパン・ウェイの養父。かつて幼少期の威のピアノの才能を感じ取って養子とし、英才教育を施したが、実態は壁一面に設置されたモニターで複数のピアニストの演奏を同時に流し、誰のピアノに関心を示すかという常軌を逸したものであり、その最中でも容赦なく折檻を繰り返していた。ショパン・コンクールの最中に経営していた工場の爆発事故に巻き込まれて重傷を負うも、金で雇った者たちに自身が死亡したとの偽情報で威を連れ戻させるが、威がコンクールに戻った直後に自身を恨む人物によって車いすごと病院の階段から突き落とされて更なる重傷を負う。辛うじて一命は取り留め、コンクール後は現場に復帰している。しかしその時は基本的な性格は変わらないものの、これまで非道な扱いをしていた威を唯一の身内として溺愛するようになっていた。
物語の舞台

カイが通っていた小学校近くの駅の高架下の地域「森の端」は、一般の高架下の歓楽街と異なり違法営業の風俗店が乱立し、住民のほとんどがヤクザやチンピラのため、近隣の小学校では立ち入り禁止区域に指定されている。「森の端の者は森の端に金を入れるのがルール」等独自の価値観が蔓延している。カイがショパンコンクールに出場した際に、海外のゴシップ記者がカイの生い立ちを探ろうと潜入させたカメラマンが現地のチンピラに袋叩きに遭い、その様子が動画サイトにアップされたが、そこに逃走中の外国人が映っていた事でそれを見た各国のマフィアや警察が押し掛ける大騒ぎになり、死者が出る事態に発展、最終的には殆どの住民が逮捕されたことで事実上壊滅した。カイの帰国から程なくして建物は取り壊され、大規模な再開発が行われている。

アニメ映画では「森の端」という名前は使われないが、原作に近い模写や表現がされており、テレビアニメ版では「森の端」の名前は登場するももの、原作での卑猥な模写や表現(キンピラの「淫売」発言など)はカットされ、暴力などの過剰な描写はダイジェスト形式で放送されている。
作中に演奏された音楽
小学校編
茶色の小瓶
壮介アレンジ。最初の演奏は壮介。ただ、その演奏中にカイに2回ミスしたことを指摘される。それがカイの音楽の才能を気づかせる結果となった。その後、「森のピアノ」でカイが修平を前にまた聞かれているとは知らずに、壮介の前でも演奏された。
ラジオ体操
カイがジャズ風にアレンジ。修平の家のピアノで演奏。ただ、ピアノを本格的に勉強していないカイの演奏は機関銃のよう。
ピアノソナタ ヘ長調 K.280
第56回全日本ピアノコンクール地区予選課題曲。修平がカイの前に演奏したのが最初。カイは、修平の演奏で1回でこの曲を覚えてしまう。
エリーゼのために』、『運命』、『結婚行進曲』、『小犬のワルツ
いずれも、壮介がカイに聞かせた曲。小犬のワルツが「森のピアノ」で演奏できなかったカイにとっては、小学生時代で恐らく、一番ショッキングな楽曲。壮介によると「ショパンの曲は力で弾くのではなく柔軟性と運動能力を必要とする」らしい。


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