2013年1月、デスティニーズ・チャイルドとして、新曲「ヌクリア」(Nuclear)を含めた、新しいコンピレーション・アルバム『ラブ・ソングス』(Love Songs) をリリース。同月、バラク・オバマ米大統領の2度目となる就任式で、アメリカ国歌「星条旗」を披露した。2月には、第47回スーパーボウルのハーフタイムショーに出演し、そのパフォーマンスの最中のTwitterには、1分間に26万8000ツイートが記録された[27]。同月に行われた第55回グラミー賞においては、「ラブ・オン・トップ」(Love on Top) が最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンスを受賞した。
4月からは、翌年の2014年3月までに全132公演を予定する巨大なワールドツアー「ザ・ミセス・カーター・ショウ」(Mrs. Carter Show World Tour) が、セルビア・ベオグラードを皮切りにスタートした。この5回目のソロツアーは3度目のワールドツアーとなり、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリアを凱旋する。
5月には、アンドレ3000と共にエイミー・ワインハウスの楽曲「ブラック・トゥー・ブラック」(Back to Black) をカバー。この楽曲は、映画『華麗なるギャツビー』( The Great Gatsby) のサウンドトラックに収録された。その他2013年ビヨンセは、ケリー・ローランドの「ユー・チェンジド」(You Changed) や、ザ・ドリームの「ターント」(Turnt)、あるいは、夫であるジェイ・Zの「パートII オン・ザ・ラン」(Part II (On the Run) )、「トム・フォード」(Tom Ford)、「BBC」といった楽曲に参加し、コラボレーションを行った。「The Mrs. Carter Show World Tour」で「Grown Woman」を歌うビヨンセ(2013年)
2013年は、正式なシングルリリースは無かったものの、ペプシのCMソング「グロウン・ウーマン」(Grown Woman) や、H&MCMソング「スタンディング・オン・ザ・サン」(Standing On The Sun)、ホームページで公開された「ボウ・ダウン/アイ・ビーン・オン」(BOW DOWN/I Been On) などの新曲を次々と公開し、ニューアルバムをリリースするのではないか、といった噂が度々流れていた。ニーヨやジャスティンティンバーレイク等もビヨンセと共にスタジオに入ったことを雑誌のインタビュー等で語っており、リリースは間近とされながらも正式なリリース発表はなく、2014年を迎えようとしていた。
そして12月13日、突如5thアルバム『ビヨンセ』(BEYONCE) を全世界のiTunes Store限定でリリース。事前の宣伝は全くなく、先行シングルもないという異例の状態でのサプライズ・リリースとなった。ビジュアル・アルバムと銘打たれたこの作品は、14曲の新曲と、17編のビデオ映像で構成されている。ビデオはヒューストンや、パリ、リオデジャネイロ、シドニーといった世界各地で極秘に撮影された。Twitterでは発売から12時間で120万ツイート以上を記録した[28]。
『BEYONCE』は、発売から3日間で61万7千ダウンロードを売り上げ、ビルボードチャートでは初登場1位を記録した[29]。これでビヨンセは、デビューからアルバム連続5作すべて初登場1位を獲得した史上初の女性アーティストになった。61万7千ダウンロードという数字は、アメリカ国内における2ndアルバム『ビー・デイ』(B'Day) の54万1千枚をデジタルセールスのみで上回った形となり、彼女のキャリアにおいて史上最高の初動セールスとなった。また、全世界での売り上げは3日間で82万8千ダウンロードに達した。これは、iTunes Storeにおける史上最速セールスとなり[30]、6日後には100万ダウンロードに上り、104か国で1位となった[31]。
2014年1月には、第56回グラミー賞授賞式のオープニング・パフォーマーとして登場し、夫・ジェイ・Zと共に『BEYONCE』の収録曲「ドランク・イン・ラヴfeat.ジェイ・Z」(Drunk in Love) のパフォーマンスを披露した[32]。 2016年2月6日、新曲「Formation」(Formation
2016年-現在 : LEMONADE
その翌日の2月7日、第50回スーパーボウルのハーフタイムショーに出演。コールドプレイとブルーノ・マーズと共演。前述の「Formation」も披露された。
4月24日、前作に続き予告なしに6thアルバム『レモネード』(Lemonade)を発表。夫のジェイ・Zがオーナーを務める音楽ストリーミングサービス、Tidalでの限定配信が開始された。その販売方法に加え、夫であるJay-Zの不貞というパーソナルな話題から黒人女性として生きていくことといった社会的な側面にもフォーカスした作品となっており大きな注目を集めた。世界各地のチャートで1位を獲得したほか、Rolling Stone[33]やThe Guardian[34]といった大手音楽メディアから「2016年最も素晴らしかったアルバム」に選ばれるなど批評家からも圧倒的な支持を集めた。
2017年6月に双子を出産した[35]。
2022年、7thアルバム『ルネッサンス』を発表。このアルバムは3部作の最初の一作=Act 1として発表された。ハウスを取り入れたこのアルバムからは「ブレイク・マイ・ソウル」が全米No.1のヒットを記録。
2024年、8thアルバム『カウボーイ・カーター』を発表。Act1の『ルネッサンス』に続くAct2として発表されたこの作品からは「テキサス・ホールド・エム」が黒人女性として初めてカントリー・ソングス・チャートでNo.1になる快挙を果たした。更にアルバム発売のプロモーションとしてサプライズ来日も果たした。
映画出演2007年9月
女優業にも興味を持っていたことから、特に演技の準備もせず、MTVでメキ・ファイファーと共に、2001年にヒップホペラ(ヒップホップ・オペラの合成語)『カルメン:ア・ヒップ・ホペラ』(Carmen: A Hip Hopera) に出演。これは、1954年にハリー・ベラフォンテとドロシー・ダンドリッジが共演したミュージカル映画『カルメン』のリメイクで、女優デビューした作品となった。
2002年7月、映画『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(Austin Powers in Goldmember) では、フォクシー・クレオパトラ役でマイク・マイヤーズと共演。ビヨンセはアフロヘアーになって演じた。また、同映画サウンドトラックにザ・ネプチューンズプロデュースによる初のソロシングル「ワーク・イット・アウト」(Work It Out) を提供するも、イギリスでトップ10、オランダ・オーストラリアではトップ40と奮わなかった。アメリカでもラジオでほとんど曲が流れず、PVもMTV, VH1 Soulなどでわずかに露出しただけであった。
2004年、キューバ・グッディング・JrとMTV映画『ファイティング・テンプテーションズ』(The Fighting Temptations) に出演。主題歌「ファイティング・テンプテーション」ではミッシー・エリオット、Free, Lyte M.C.をフィーチャリング。映画はほどほどの興行成績を収めたが、曲はそれほどヒットしなかった。
2006年2月10日には、ザニア役としてクルーゾー警部役のスティーヴ・マーティンと共演した『ピンクパンサー』がアメリカで公開された(日本では同年5月12日に公開)。映画の主題歌になったシングル「チェック・オン・イット」(Check On It) は5週連続全米1位を記録し、PVでは全身ピンクに装ったビヨンセがダンスを披露。ピンク色のヒールブーツは、自身もファンであるBAPEの特注品である。映画『Dreamgirls』のプレミアにて(2006年)
同じく2006年には、人気コーラス・グループのシュープリームスをモデルにしたミュージカル『ドリームガールズ』の映画版に主演。