ビバップの登場により、それまで「大衆音楽・娯楽音楽」のみを演奏するとみられていた黒人音楽が、「芸術音楽」も演奏できると認識を改めさせる契機となった。
最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿った形でありながらも、自由な即興演奏[3](アドリブ、インプロヴィゼーション)を順番に行う形式が主となる。基本的には、コード構成音や音階に忠実にアドリブ演奏しながらも、テーマのメロディーの原型をとどめないくらい、長めのインプロヴィゼーションが導入された演奏となっていった。そのため、技術的に優れた演奏が多い反面、長いアドリブのために、アドリブ自体が主体になってしまう側面があった。また、スウィングのように娯楽のための音楽、ダンスのための音楽から、当事者にとっては演奏することが目的となった音楽、聞く側にとっては踊ることはできず、聴くだけの音楽になってしまったとの批判もあった。 ビバップの時代には、チャーリー・パーカー[4]やディジー・ガレスピーらにより和声が極限まで拡張されることとなった。具体的には原曲のコード進行を、さまざまな代理和音を用いてリハーモナイズしたり、頻繁な内部転調を行う、あるいはテンションノートが積極的に用いられるなどである。このようにしてビバップの演奏では調性が希薄になった。 コードの進行がフレーズから聞き取れるようなフレーズづくりもビバップの特徴である[注 2]。 しかしこのスタイルは、1950年代終わりごろには、誰がやっても同じようなアドリブになってしまう状況に陥り、行き詰まった。フリー・ジャズはこの行き詰まりを打破するべく生まれたジャンルのひとつである。 トランペット トロンボーン サクソフォーン ピアノ ベース ギター ヴィブラフォン ドラムス
ビバップの音楽理論
代表的なアーティスト
ディジー・ガレスピー
ファッツ・ナヴァロ
クリフォード・ブラウン
マイルス・デイヴィス
J・J・ジョンソン
チャーリー・パーカー
デクスター・ゴードン
ワーデル・グレイ
ソニー・ロリンズ
ジョン・コルトレーン
ソニー・スティット
ジーン・アモンズ
タッド・ダメロン:作曲を含む
セロニアス・モンク:作曲を含む
アル・ヘイグ
ジョージ・ウォーリントン
デューク・ジョーダン
ハンプトン・ホーズ
バド・パウエル
ウォルター・ビショップ・ジュニア
バリー・ハリス
ソニー・クラーク
ジョン・ルイス
オスカー・ペティフォード
カーリー・ラッセル
トミー・ポッター
レイ・ブラウン
チャーリー・クリスチャン
ミルト・ジャクソン
ケニー・クラーク
アート・ブレイキー
マックス・ローチ
バディ・リッチ
ロイ・ヘインズ
フィリー・ジョー・ジョーンズ