統合チップセットは1999年に発表されたIntel 810以降、安価かつ省スペース性に優れるため急速に普及し、PCグラフィックス機能の主流となった[要出典]。スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末では高性能かつ省電力のSoCが使われており、CPUとGPUがひとつのパッケージに統合されている。CPUの性能向上(特にシングルコア性能の向上)が頭打ちになる一方、GPUの性能向上には伸びしろがあることから、デスクトップ向けCPU製品でもGPUを統合したものが増えている。これらはオンダイグラフィックスあるいは統合グラフィックスと呼ぶべきだが、慣例的にオンボードグラフィックスとも呼ばれる。特にIntel製のCPUに統合されたGPU (Intel HD Graphics) はシェアが高い[17]。ただしいずれも多くのユーザーがWeb閲覧やオフィスソフトなど一般的な用途で求める程度の性能に留まるため、ゲームのプレイや開発、CAD、マルチメディア作品の制作、GPGPUなど高負荷な2D/3D描画性能や演算性能を求められる用途には向いていない。ただしPlayStation 4などのゲーム専用機に採用実績のあるAMD APUのように、統合型であっても高いグラフィックス性能と演算性能を持つ製品もまた登場している。
Unified Memory Architecture (UMA) によりビデオメモリ用として確保・占有される一部のメインメモリ領域はシステムから使用できなくなり、実効メモリ容量が減少する。
なおビデオ会議のようなストリーミングやブラウザ上でのWebGL利用、OSのデスクトップ描画やプレゼンテーションソフトのGPUアクセラレーションなど、オフィスワークでもGPUパワーが必要となるケースも増えており、また4Kのような高解像度環境やマルチディスプレイ環境は特にGPUの負荷が大きく、CPU内蔵GPUではパフォーマンスに問題が出ることもある[18]。
ゲーミング向けなどの高性能ノートPCに搭載されたオンボードのGPUは、電力供給や排熱などの問題から、デスクトップ向けのビデオカードに搭載されている同型のGPUと比べて意図的に性能が落とされてはいるものの、CPU内蔵GPUよりも高性能である。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
ビデオカードメーカー
出典検索?: "ビデオカード"
かつてビデオカードはダイヤモンド・マルチメディア(英語版)やELSA(英語版)などの各ビデオカードメーカーがベンダーからGPUを購入し、設計・製造を行ったものが販売されていた。しかしこの方式はメーカーごとの製品の品質のばらつきが大きいという問題があった。このため、ベンダーがGPUに対応するビデオカードのリファレンスデザインをメーカーに提供し、メーカーはリファレンスデザインに沿った製品の販売を行うという形態が2000年代頃から主流になり、品質面での差異が少なくなった[19]。メーカーでは冷却ファンやヒートシンクの形状、オーバークロック、ユーティリティソフトウェアなどで差別化を図っている[20][19]。2000年代後半以降はASUSTeK Computer、GIGABYTE、MSIなどのマザーボードメーカーが手がけるビデオカード製品が多くを占めるようになったが、Palit(英語版)など拡張カードのみに製品を絞ったメーカーも存在する[18]。
一般的なビデオカードメーカーは複数のGPUベンダーのビデオカード製品を取り扱うが、Sapphire Technology(英語版)のように特定のGPUベンダーのビデオカード製品しか扱わない例もある。またベンダー自身がビデオカードの販売までを行う例もある。これに該当する例としてはMatrox Graphicsが挙げられる他、かつてはATI Technologies、3Dfx、3DLabsもビデオカードの製造・販売を行っていた。
ビデオカードメーカーがビデオカードの販売時に独自のブランドを用いる場合もある。これらの例としてはInnoVision(中国語版、英語版)のInno3D、AOpenのXiAiなどがある。Palit(英語版)は他社のOEMの他、自社ブランドでも販売を行っている[19]。 日本国内メーカーではアイ・オー・データ機器(挑戦者ブランドも展開)・バッファロー(玄人志向ブランドを含む)などの周辺機器メーカーがビデオカードの販売を手がけている。商品では、「グラフィックアクセラレータ」の名称が用いられた。アイ・オー・データ機器の製品は、設計こそリファレンスに準じたものになっていたものの、かつてはドライバが独自にチューニングされており、一定の評価を得ていた。その後、OEM供給を受けたATI/NVIDIA製品をラインナップしていたが、2010年12月発売のGA-RH5450を最後に、一旦取り扱いを終了していた。2014年には、4K UHD対応のビデオカードGA-GTX750TIを改めて取り扱うようになっているほか、2007年からDisplayLink社製のチップを用いたUSB接続の製品の販売を続けている。これら国内の取り扱い製品の中で特にカノープスはリファレンスデザインと異なる独自開発の基板およびドライバを採用したビデオカードの製造・販売を行い、マニア層を中心にかつて人気を博していたが、2002年に独自設計のビデオカードのリリースは終了し、2006年2月のMTVGA X1300Lのリリースを最後にビデオカード事業から撤退している。 産業用では自社が提供するソリューションの一部として生産を行っている企業がある。NECは放送局向けワークステーションのビデオカードを一部製造・販売している[21]。EIZOでは航空交通管制ソリューションとして、管制用ディスプレイと共にビデオカードを製造している[22]。 DirectX (Direct3D) と組み合わせて使うことが多い。 OpenGLと組み合わせて使うことが多い。 安価で安定しているものが選ばれることが多い。 NVIDIA QuadroやAMD FireProもサーバー用途に選ばれる[23]。そのほか、グラフィックス出力機能を持たず、汎用計算(GPGPU)に特化したNVIDIA TeslaやAMD FirePro Sシリーズもサーバー上での演算用途に採用されている[24]。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
日本国内メーカー
ビデオカードに使用される主なGPU
コンシューマー向け
NVIDIA GeForceシリーズ
AMD Radeonシリーズ
プロフェッショナル向け
NVIDIA Quadroシリーズ
AMD FirePro(FireGL、FireMV、FireStream)シリーズ
サーバー向け
Matrox Parheliaシリーズ [いつ?]
Matrox Millennium G200eH
ATI Rage XL [いつ?]
⇒Aspeed (サーバー向けビデオチップベンダー)
主なビデオカード製造企業
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ASUSTeK Computer
GIGABYTE (GIGABYTE Technology)
Micro-Star International (MSI)
Matrox Graphics
AOpen
Sapphire Technology(英語版)
アイ・オー・データ機器 (挑戦者ブランドも展開)
バッファロー (旧社名メルコ。玄人志向ブランドも展開)
ZOTAC
七彩虹(COLORFUL)
GALAXY
ELSA(エルザ ジャパン/ELSA Technology)