ビデオカード
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SoCではeDRAMにより性能問題に対処している事例もある。

メインメモリの高速化に伴い、単体型のグラフィックチップにおいてもNVIDIA社のTurbo Cache、AMD社のHyperMemoryなどメインメモリをビデオメモリ領域として利用する技術が登場している。
内部インターフェイスPCI Expressインターフェイスを備えるビデオカードの例

ビデオカードとシステムを接続するためのインターフェイスデータ転送用に高速な専用バスを用いることが多い。
主なビデオカード用内部インターフェイス

PCI

PCI Express

Thunderbolt

古いインターフェイス(2017年現在ではほとんど使われない)

AGP

ISA

MCA

EISA

VLバス

その他の内部インターフェイス

またHDMIの普及黎明期には、ビデオカード上のHDMI出力端子から音声を出力する為に、基板上にS/PDIF入力インターフェイスを供える製品も登場している。

その他、マルチGPU技術の制御用端子やビデオキャプチャカードとの連携用端子などのオプション機能用の端子が搭載されることも多い。
外部インターフェイス

ビデオカードの出力をディスプレイなど表示デバイスに接続するためのインターフェイス。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}当初[いつ?]はアナログRGB出力(D-sub)が一般的だったが、2004年頃からDVI-I出力も備えマルチモニター機能に対応するものが一般的になった。S端子コンポジットによるビデオ出力の他、コンポーネント出力を搭載する製品もあった。2018年現在は、DVI-D、HDMIDisplayPortといったデジタル出力端子のみを搭載する製品が一般的である。

VGA端子

DVI

HDMI

DisplayPort

USB Type-C

S-Video

コンポジット

コンポーネント

ビデオBIOS

ビデオカードに搭載されているBIOS。起動直後などシステムがリアルモードで動作している際にVGA互換モード表示機能を提供するためVGA-BIOSなどと呼ばれることもある。ビデオカード基板上のROMチップに格納されている。PC/ATと異なるアーキテクチャであるPC-9821等では、メインボード上に専用の表示回路を持っているため、VGA-BIOSを必要とせず、BIOSのプログラムそのものが非互換であるため、使用可能なボードであっても、BIOSを無効にしておく必要がある。
冷却機構

ビデオカードはPC内部でも消費電力や発熱量が大きいパーツの一つであり、特に高性能なハイエンド製品では強力な放熱・冷却が必要となる。隣接する拡張スロット用空間を占有してしまうほど巨大なファンヒートシンクを備える製品が登場し、後に一般化した。1スロットのみ占有するタイプであっても、放熱性を保つよう隣のスロットはなるべく空けておくのが望ましい。また、2018年頃から発売された高性能なビデオカードは冷却装置が大型化し、重量が2.4kgに達するものもある。そのためマザーボードを選択する際は差し込むスロットが重量に耐えきれるか判断して購入する必要がある。大型のビデオカードを利用する際は、パーツの損傷を防ぐため、専用の支え(ステー)の利用を検討することが望ましい。

一方、消費電力の小さいローエンド製品では発熱が少なく軽量でファンレス仕様の物もある。しかし、ファンレスのものはケース内に空気の流れがないと十分に放熱できないことがあるため、冷却が困難な場合はファンがあるものを利用するのが賢明である。
補助電源

ビデオカードの登場以来、駆動に必要な電力はデータインターフェイスから供給されるのが一般的であったが、2000年代初頭頃からのGPU消費電力の増大に伴い、PCIeスロットからの供給では追いつかなくなり、データインターフェイス経由の給電を補うための専用電源インターフェイスが登場し、ミドルレンジ以上の製品での搭載が一般化した。

一般に補助電源と呼ばれており、それぞれ6ピン 1つで75W、8ピン 1つで150W、12VHPWER 1つで最大600Wまでの電力が供給できる。
ビデオカードの歴史

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出典検索?: "ビデオカード" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2020年9月)

IBM PC系の主なビデオカードと主な表示モード年テキストモード
(桁×行)グラフィックモード
(解像度/色)メモリ
MDA198180×25-4 KB
CGA198180×25640×200 / 416 KB
HGC198280×25720×348 / 264 KB
PGC198480×25640×480 / 256320 KB
EGA198480×25640×350 / 16256 KB
JEGA198680×25640×480 / 16256 KB
8514198780×251024×768 / 2561 MB
MCGA198780×25320×200 / 256?
VGA198780×25640×480 / 16256 KB
SVGA
(VBE 1.x)198980×25800×600 / 256512 KB
640×480 / 256 等512 KB+
XGA199080×251024×768 / 2561 MB
XGA-2199280×251024×768 / 65,5362 MB
SVGA
(VBE 3.0)1998132×601280×1024 / 16.8M色々
ISAインターフェイスを備える初期のビデオカードの例「Graphics Processing Unit#歴史」および「グラフィックコントローラ#歴史」も参照

以下、IBM PC(とその末裔)のビデオ設計としてのビデオカードについて主に述べる。
IBM PCのビデオカード採用

1981年IBM PCは、当時のみならず後のパーソナルコンピュータでも普通に見られた、ビデオ回りのハードウェアをオンボードで固定したものにはせず、ビデオカードとして独立させる設計を採用した。

IBM PCはビデオサブシステム(ビデオチップなど)を本体(マザーボード)にではなく、拡張カードIBMはアダプターと呼ぶ)に搭載した。IBM PCの発売時には2種類のビデオカード(テキストモードのみのMDAと、グラフィックモードを持つCGA)が提供され、用途により選択・交換できた。また各アダプターは複数の表示モード(ビデオモード)を持ち、ビデオモードはBIOS割り込み(INT 10h, AH=00h, AL=ビデオモード)によってソフトウェアから切替可能である。更に後継のビデオ規格(EGA, VGA, XGA等)は、前身のビデオ規格の全てのビデオモードを含む。

この拡張性により、IBM PCファミリーおよびIBM PC互換機では、ユーザーは本体を買い換えなくても、各社から販売される多様なビデオカードに交換(種類によっては追加して共存)し、対応したディスプレイとソフトウェアを使用すれば、より高速・高解像度な表示環境を得られるようになった。中でもHerculesのHGCは広く使われた。日本での東芝ダイナブック(初代J-3100 SS)も、CGAをベースに独自の日本語モード(640x400)を追加したものだった。

一文字テキスト出力(int 10h, ah=0eh)のような、BIOSの提供する機能としては高水準の機能を用意し(この機能を提供するBIOS ROMは本体ではなくビデオカードに載る)、MS-DOSなどはそちらを使うようにすることで、ハードウェアの差異に対するソフトウェアの互換性を確保した。
EGAの登場と上位互換

1984年のPC/ATではEGAが標準搭載されたが、これはMDAおよびCGAの上位互換であり、MDAとCGAの主要な表示モードを含んでいた。表示モードはソフトウェアで容易に切替できたため、下位の画面モードにしか対応していないソフトウェアも継続して使用できた。この上位互換は、その後の主要なビデオ規格でも継承され、また複数の画面解像度(走査周波数)に自動対応できるマルチスキャン方式のディスプレイが普及した。

EGAは広く普及し、各社がEGA上位互換のグラフィックチップやカードを製造した。日本でのAX規格のJEGAボードも、EGAをベースに独自の日本語モード(640x480)を追加したものだった。
VGAの登場と事実上の標準


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