ビットコイン
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端末の種類にかかわらず利用できるので利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる[34]

また、WindowsMacOSiOSAndroidなどのオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアのウォレットをソフトウェアウォレット(クライアントウォレット)という。デスクトップPCにソフトウェアをインストールする場合はデスクトップウォレットといい、モバイル端末にインストールする場合はモバイルウォレットという[35]

ソフトウェアウォレットのArmory(英語版)

ソフトウェアウォレットのElectrum

コールドウォレット
コールドウォレットとはウォレットの秘密鍵がインターネットから隔離されているウォレットである。代表的に、以下の2つがある[33]

ハードウェアウォレット

ペーパーウォレット

ハードウェアウォレットとは、専用のハードウェアを使ったウォレットのことである。ハードウェアウォレットは、取引ネットワーク(イーサネット)に接続された外部のマシン(パーソナルコンピュータなど)に接続して利用する。ハードウェアウォレットの内部には秘密鍵が保存されているが、ウォレットは署名だけを行って接続先のマシンに送信するので、秘密鍵の漏洩の可能性はソフトウェアウォレットにくらべて低い[36][37]

ハードウェアウォレットのTrezor

ハードウェアウォレットのLedger Nano S

ペーパーウォレットとは、紙にビットコインアドレスと秘密鍵(プライベートキー/暗号コード)を印刷したものである。クラッキングなどで秘密鍵が漏洩する危険性がないので、最も安全である。ただし、インクや紙の劣化、盗難に注意が必要となる[38]

ビットコインペーパーウォレット(bitaddress.orgによって作成)

開封明示シールが貼られ、秘密鍵が隠されているビットコインペーパーウォレット(bitcoinpaperwallet.comによって作成)

トランザクションビットコインのホワイトペーパーに示されている所有権の単純化されたブロックチェーン[39]。 実際、トランザクションは、複数の入力と複数の出力を持つことができる[40]

トランザクションとは、ビットコインの送金メッセージである。トランザクションの基本構造は、1つ以上の入力 (input) と1つ以上の出力 (output) から構成される。入力には送金者が以前に受け取ったトランザクションの出力への参照やデジタル署名が記載されている。また、出力には送金先の公開鍵ハッシュや送金金額といった情報が記載され、送金先の受領者しか利用できないようにロック状態になっている。送金のたびにトランザクションの出力は、次の入力に連鎖し、最後の出力がその時点の所有者の所持金となる。この時の出力は未使用の出力であり、UTXO(未使用トランザクションアウトプット:Unspent Transaction Output)と呼ばれる。このようにトランザクションは連鎖をしていて、過去に遡ると入力が空白のトランザクションに行き着く。このトランザクションをコインベース・トランザクションといい、ビットコインの通貨発行のためのトランザクションである。

ビットコインの送金をする人は、送金先や送金金額といった情報が入ったトランザクションを作成し、ビットコインのネットワークの全てのノードに送信し、検証され、ブロックチェーンに記録される。この時、入力には未使用の出力 (UTXO) をロックするのに使った公開鍵に対応する秘密鍵によって生成されたデジタル署名を記載し、出力には送金先の公開鍵ハッシュと送りたいビットコインの量を指定する。それによって、出力のロック状態がアンロックとなる。UTXOのアンロックが正しく行われているのかを検証するには、UTXOのロックに利用した公開鍵によって検証できる。また複数の入力の利用は可能である。一方で入力(支払いに使用されるコイン)の合計が、意図した支払額を超えることがある。このような場合、追加の出力が使用され、お釣りが送金元に返される。取引出力に含まれない金額は、取引手数料となる[41][42][43]

BitcoinではForthという言語に似たスタックベースのスクリプト言語であるビットコインスクリプトをトランザクション内で記述することでデジタル署名の検証を行う[44][45]
ブロックチェーン「ブロックチェーン」も参照ブロックのデータ構造

ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成するコンピューターに、暗号技術を用いて一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながらデータを同期する手法である。それは取引記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みであることから「ブロックチェーン」と呼ばれる[46]

各ブロックには前のブロックのデータをハッシュ関数SHA256を2回通して得られたハッシュ値があり、ブロックの識別子となる。また、ブロックのデータ構造はブロックヘッダーとトランザクションで構成され、ブロックのサイズは最大1MBである。

ブロックヘッダーにはプロトコルのバージョン番号であるバージョン、直前のブロックのハッシュ値、ブロック生成時刻であるタイムスタンプ、マークルルート、ノンス、難易度ターゲットが含まれる。ここでマークルルートとはブロック内のトランザクションをマークルツリーという手法を用いてハッシュ値としてまとめたものであり、全体的に木構造としてまとめられている。またノンスとはマイニングでランダムに設定される値、難易度ターゲットとはブロック生成の難易度を表す。

直前のブロックのハッシュ値を記述することで前のブロックの情報を参照し、ブロックの順番を決めると同時に過去に遡ることができる。このとき最初に生成されたブロックを「ジェネシスブロック」といい、ジェネシスブロックから数えたブロックチェーンの位置を「ブロック高」という[47][48][49]
マイニング「マイニング (仮想通貨)」も参照.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}分散型ネットワークを構成するコンピューター複数のGPUを搭載するマイニングハードウェア。


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