ビッグ・ボス
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身を挺してビッグ・ボスを爆発から庇い、この時の破片が体中に突き刺さってビッグ・ボスと共に昏睡する[14]。しかし、ゼロ少佐の指示によって昏睡中の睡眠学習によりビッグ・ボスの過去を追体験した事でビッグ・ボスの記憶と人格を持ち、整形手術で顔を変えることで自分をビッグ・ボスだと信じるファントム(影武者)へ変貌した。また、ビッグ・ボスからMSF隊員の中で最も優秀だと評され、元々あった素質と与えられた知識によって本物に次ぐ能力を持つと予想されていた。1932年生まれのため、『GROUND ZEROES』の時点で42 - 43歳、『THE PHANTOM PAIN』の時点で51 - 52歳である。

顔をビッグ・ボスに似せるように整形したため、基本的な見た目はそっくりだが、瞳の色が緑色であったり、DDに顔を舐められるのを拒んだり、あれだけ強い拘りを見せていた葉巻の吸い方を知らない上に吸おうともせず、ファントムシガーという葉巻型の電子煙草を吸うなど、頭部に刺さった破片以外にも本物と違う・真似しきれていないところがある。『THE PHANTOM PAIN』冒頭ではビッグ・ボスの顔からプレイヤーが設定するアバターの顔に整形するシーンが入るが実際は逆であり、この時に設定した顔が本来の素顔である。また、ここで入力するプレイヤーネームが本名(もしくはMSF時代の呼び名)となる。
アウターヘブン蜂起

メタルギア』(1987年発売)

1990年代へ入ると離脱したはずの米軍に戻り、かつて自らが創設した特殊部隊FOXHOUNDの総司令官に就任した。この際、教官としてかつての盟友マクドネル・ミラー、副司令官としてロイ・キャンベル、グレイ・フォックスのコードネームでフランク・イェーガー、そしてソリッド・スネークを部隊に加えている。

1995年、南アフリカに出現した独立武装国家アウターヘブンを調査するためグレイ・フォックス、そして新人隊員であるソリッド・スネークを送り込む。

作中では無線で「こちらBIG BOSS…」と始め、要件を話してすぐに「…OVER」と終了する。新たなアイテムを発見した場所で通信するとそのアイテムの使い方を説明するが、普段はこちらから呼びかけても応答が無い。敵兵のユニフォームには「セーラー服か?」ととぼけたり、ボディアーマーには「男なら使うな!」と主張したりと珍妙なアドバイスを送る場合もある。

最後にはアウターヘブンの統率者が彼だったことが判明する。新人であるスネークを送りこんだのは情報攪乱のためだったが、スネークの予想外の活躍によりアウターヘブンは崩壊した。最終局面で「お前はやりすぎた、やりすぎたのだ!」と叫んでスネークに戦いを挑み死亡する。エンディング後に「私は死なん…いつか、決着をつけよう。いつの日か…また会おう!」という言葉を残す。

メタルギアソリッドV ファントムペイン』において、FOXHOUND総司令官のビッグ・ボスは確かにアウターヘブンの統率者であったが、実際にアウターヘブンを設立し、ソリッド・スネークの前に立ちはだかって死亡したのは、自らの素性を思い出してからも、MSFのメディックだった頃と同様にビッグ・ボスへの忠誠を尽くしたファントム(ヴェノム・スネーク)であったことが明らかになる。
ザンジバーランド騒乱

メタルギア2 ソリッドスネーク』(1990年発売)

1990年代後半、アウターヘブン蜂起後に行方をくらましていたビッグ・ボスは、中東に独立武装要塞国家ザンジバーランドを築き、アウターヘブン蜂起で生き残った優秀な兵士達を何人か救出、更に元々彼の部下だったグレイ・フォックスも彼についてFOXHOUNDを離反する。石油の枯渇によるエネルギー不足が問題視される中、OILIXを開発したキオ・マルフ博士を拉致し、世界に対して軍事的、経済的に優位に立とうとする。

1999年12月24日[15] 副司令官だったロイ・キャンベルが総司令官となり、人工衛星などを利用した新体制のハイテク特殊部隊FOXHOUNDによって再び送り込まれたソリッド・スネークの手により計画は頓挫する。メタルギアとの戦いで傷つき装備も失ったスネークの前に現れ、マシンガンを乱射して追撃するが、ライターとスプレーを組み合わせて即席の火炎放射器を作り上げたスネークに敗北した。「どちらが勝っても、我々の闘いは終わらない。敗者は戦場から解放されるが、勝者は戦場に残る。そして生き残った者は死ぬまで、戦士として人生を全うするのだ」という言葉を遺しており、この言葉はスネークの心にトラウマとして深く刻まれその後、彼が再びFOXHOUNDを除隊しアラスカで隠遁生活を送る要因になった。

また、ザンジバーランドの基地内には子供達が何人か遊んでまわっている区画があるが、この子供達のほとんどは戦災孤児であり、ザンジバーランドで保護され教育を受けていた。彼らからは「片目のおじちゃん」と呼ばれており、親代わりとして慕われていた模様。
ガンズ・オブ・ザ・パトリオット事件

メタルギアソリッド4』(2008年発売)

2014年。ザンジバーランドの一件で瀕死状態に陥ったビッグ・ボスの身体は、その英雄性を愛国者達の象徴に据えようとするゼロ少佐の意思によって回収され、ナノマシンで人工的な脳死状態にさせられて生きたまま保存されていた。EVA率いるレジスタンス「失楽園の戦士」が遺体を保管していたが、最後はリキッド・オセロットにとどめを刺される。

しかしそれはソリダス・スネークの遺体とすり替えたダミーであり[16]、本物のビッグ・ボスの体は別の場所に隠されていたものの相変わらずナノマシンを通じて愛国者達のシステムの管理下に置かれていた。ビッグ・ボスはEVAによって救出され、オセロットやナオミ・ハンターの手によって身体の欠損がリキッドやソリダスの遺体の一部で補われ五体満足の状態に戻っており[17]、J.D.が破壊されたことにより昏睡状態から解放された。

その生存を知らず「ビッグ・ボス」の墓前で体内の変異型FOXDIEの拡散を防ぐため、自らの命を絶とうとしていたソリッド・スネークの前にAIネットワークにG.Wを通じてFOXALIVEを送りこんだ際に居場所をつきとめていたゼロを連れて現れ、「愛国者達」や事件の真相を語る。ビッグ・ボスの目的は、地球規模にまで拡大した「愛国者達」の勢力に対して軍事的・経済的に優位に立つことで世界の均衡を保ち、自分達戦士が恒久的に生きられる世界すなわち「愛国者達の支配する天国の外側の世界(アウターヘブン)」の創造だった。そのためにアウターヘブン蜂起やザンジバーランド騒乱を引き起こしたのだと語った。

同じ愛国者達のかつての創始メンバーの責任として、植物人間になりながら生きていた全ての元凶であり、かつての友でもあるゼロの生命維持装置を停止し、自らの手で彼を無に返す。そして、自身もスネークの新型FOXDIEの蝕みに苦しむも一旦は耐え、この新型の増殖によって古い変異型が駆逐されたというナオミの診断結果を伝える。そして、恩師であるザ・ボスの墓石に寄りかかりながら「ボス、あんたが正しかった」と自分のような戦士達のために世界を変えようとした自身のこれまでの行いを悔い、「世界を変える事では無く、ありのままの世界を残すために最善を尽くす事」、「他者の意志を尊重し、そして自らの意志を信じる事」、それこそがザ・ボスの真の意志だったと彼女の勇気の真実を悟ると共に、彼女の墓に敬礼する。そしてそれをまさに体現した生き様を最後まで見せたソリッド・スネークを息子と認めたことはないとしつつも「1人の戦士として、1人の男として尊敬している」と告げた。そして新型FOXDIEに耐えるのも限界が近づき、死ぬ間際にスネークに対して、「戦う事を止め、蛇(スネーク)としてでなく、人(デイビッド)として自分のために生きろ」と告げ、自分やリキッド、ソリダス達が求めた自由が、内なる囲われた物(リバティ)であるとし、スネークに与えられた自由は、外へ向けられた物(フリーダム)であるとした。そして、ボスの墓に対して「ボス、ヘビは1人で…、いや、ヘビはもういらない」と伝える。そして愛する葉巻をスネークに吸わせてもらい、息子とは認めないと言いつつも最初で最後のスネークの親孝行に対して「いいものだな」と口にし、穏やかな顔で息を引き取った。ビッグ・ボスの死により「愛国者達」の創設者は全てこの世を去り、彼らのシステムも終わりを告げる事になった。79歳没。
恐るべき子供達計画 (Les Enfants Terribles)

1972年にアメリカの非政府諜報機関サイファー(後の愛国者達)によって始動された計画。別名「レ・アンファン・テリブル」もしくは「レス・エンファントス・テレブレス」(Les Enfants Terribles)とも呼ばれる。ゼロ少佐は組織の偶像(イコン)であるビッグ・ボスの心が離れていくのを感じ、保険としてクローンを作り組織の新たな偶像にしようとした。この計画の実施により、ゼロ少佐とビッグ・ボスの対立は決定的なものになった。

計画はバイオビジネスの大手企業であるATGC社の資本から、同社の幹部であるパラメディック(クラーク博士)により実施された。そして、EVA(ビッグ・ママ)が代理母(サロゲート・マザー)として志願し、受精卵は彼女の子宮へ移されてソリッド・スネークリキッド・スネークの2人が誕生した。この計画は1976年に廃棄され、2人のクローンは別々の人物に引き取られる。

この計画はアナログクローン技術とスーパーベイビー法を用い、ビッグボスの体細胞の細胞核を使った体外受精卵を複数に分割することにより胎児の成長速度を増大させた。8個に分割した体外受精卵を子宮に移し、ある時期で6個を意図的に間引きしたことでソリッドとリキッドの成長能力は増大した。二人は胎児になる段階で意図的な操作により、優性遺伝子を一方にだけ集約することでその能力をさらに増大させている。リキッドは「俺は劣性遺伝子のみを受け継がされた絞りカスだ」といった趣旨の発言をしており、それがシャドー・モセス島事件に至る動機へと繋がっている。しかし、実際は優性遺伝子を受け継いだ個体はリキッドの方であり、彼はFOXDIEにより命を絶たれるまでその事実を知らないままだった。現実の科学における遺伝子の優性・劣性は、異なる対立遺伝子がもつ遺伝形質が子において発現するか否かを指した表現であり、個体の能力に関わるものではないが『メタルギア』の世界では戦士としての能力値に起因するソルジャー遺伝子という遺伝子が発見されている為、要はこれをより多く発現させたか否かという意味であると小説版(『サブスタンスI』)では説明されている。この他にクローンが他の勢力に利用されないよう2人は生殖能力を初めから除かれており、寿命も短く設定されている。

この計画とは別件で、ビッグ・ボスの完全なクローンであるソリダス・スネークが誕生する。ソリダスはリボルバー・オセロットから「最も安定した個体」と評され、『メタルギアソリッド4』ではビッグ・ボス自らが完全なるコピーと述べている。SOPシステムの掌握においてもビッグ・ボスの代わりにソリダスの遺伝子コードが用いられて認証をパスしている。

メタルギアソリッド2』でビッグシェル占拠事件の際に、オセロットがソリッド・スネークに対して急速に老化が進んでいる事を指摘して「50代のビッグ・ボスの体細胞を使った」と推測しているが、『メタルギアソリッド4』ではナオミ・ハンターによって否定されており、実際は上記の通り意図的にテロメアが短くなるように調整されていた為であった。また、そもそもソリッドとリキッドが産まれた時点では36?37歳である。
キャスト

声優(日本語版)声優(英語版)モーションアクター
メタルギアソリッド3
大塚明夫David Hayter吉田瑞穂
メタルギアソリッド ポータブル・オプス-
メタルギアソリッド ピースウォーカー田中美央
メタルギアソリッド4大塚周夫Richard Doyle大塚明夫
メタルギアソリッドV大塚明夫キーファー・サザーランド


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