ビッグベン
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"Westminster" sound

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このメロディは、日本の学校で採用されている終業チャイム音の基となった[1]太平洋戦争後しばらく授業の終わりの合図はジリジリという音やサイレンだったが、空襲警報を思い出す子もおり、大森第四中学校(東京都大田区)の国語教師だった井上尚美が、ラジオで聞いた『ウェストミンスターの鐘』の心地よい音色を採用することを思い立ち、大森四中に研修で集まっていた全国の教師を通じて各地に普及した[1]
名称

「ビッグ・ベン」という名称は、工事責任者で国会議員のベンジャミン・ホール卿[3]の名にちなんで命名されたという説の他、当時のヘビーウェイト級ボクシングチャンピオンのベンジャミン・コーントから来ているという説などがある[1]

2012年6月26日、庶民院(英国議会下院)の委員会において、英国女王エリザベス2世の在位60周年を機にビッグ・ベンがある時計塔の名称を「クロック・タワー[注 2]」から「エリザベス・タワー[注 3]」に改称することが了承された[4]
メンテナンス

毎年夏時間と冬時間を切り替える際に時計を止めて、部品の補修・交換、鐘の調律などを行う。1ペニー銅貨を錘に置くと24時間で0.2秒進むため、硬貨を追加したり取り除いたりして、時刻を微調整している[1]

第二次世界大戦初期のナチス・ドイツの空襲による損傷もあり、建設から最初の大規模補修[1]が2017年8月21日に開始され、2021年の大晦日[1]に再び鐘が鳴り始めた。当初は2021年後半に終了する予定だったが、完工して足場や塔を覆うシートが撤去されたのは2022年4月となった[1]新型コロナウイルス感染症が流行した影響で2022年の第2四半期完了予定へずれ込んだ[5]ためである。費用は9700万ポンドを要したと報じられている[1]
ブレグジットに伴う計画

イギリスの欧州連合離脱(ブレグジット)に合わせて改修中のビッグ・ベンの鐘を鳴らそうという動きが一部のイギリス下院議員により検討され、当初の離脱予定日であった2019年3月29日にビッグ・ベンを鳴らす許可が議会に提出されたが、ジョン・バーコウ下院議長により却下され頓挫した。その後ブレグジットは延期され、同年11月にバーコウが下院議長を退任し、12月の総選挙を経て2020年1月31日の離脱が決定的となったことを期に再び計画が動き出した[6]

しかし、鐘を鳴らすには50万ポンド(約7200万円)もの予算が必要となることから実現のハードルは高く、計画の支持者らによって25万ポンド以上もの寄附金が集まったともされたが、結局は鐘は鳴らさず、首相官邸の外壁にビッグ・ベンの時計を映し出し、ブレグジットをカウントダウンで迎える計画に変更された[7]英国時間の2020年1月31日午後11時、イギリスは欧州連合(EU)から離脱し、首相官邸の外壁に映し出されていたカウントダウンの時計が「00:00」となった瞬間にビッグ・ベンの映像が映し出され、録音された鐘の音が11回鳴らされた[8]
ギャラリー

ビッグ・ベン上部

時計台

夕刻のビッグ・ベン

夕暮れのビッグ・ベン

夜間のライトアップ

内部にある鐘「グレートベル」

清掃中

文字盤にある時針の長さは9フィート(2.7m)、分針の長さは14フィート(4.3m)

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 後にこの「二重三脚重力式脱進機」は、時計台の時計の標準的な機構となっている。ただし一般向けの時計には、ほとんど採用されなかった。
^ : Clock Tower
^ : Elizabeth Tower

出典^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 「英国の鼓動 ビッグベン物語」『日本経済新聞』朝刊2022年10月2日9-11面


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