ビタミンA
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
(2E,4E,6E,8E)-3,7-Dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl)-2,4,6,8-nonatetraen-1-ol (Retinol)
臨床データ
販売名一般用医薬品検索
ビタミンA (Vitamin A) とは、物質としては一般にレチノール(英語版)(Retinol、アルコール体)を指し[1][2]、ビタミンA1としても知られる。広義にはレチナール(Retinal、アルデヒド体)、レチノイン酸(Retinoic Acid、ビタミンA酸とも)およびこれらの3-デヒドロ体(ビタミンA2と呼ぶ)や関連物質を含め[3]、誘導体を含めてレチノイドと総称される[3]。レチノールは必須栄養素で皮膚細胞の分化を促進する[4]。ビタミンAやβ-カロテンは栄養素のひとつで、脂溶性ビタミンに分類される。ビタミンAは動物の体内に存在し、β-カロテンなど動物の体内でビタミンAに変換されるものは総称してプロビタミンAと呼ぶ。ビタミンAの過剰症と欠乏症があり、妊婦では必要摂取量が増加する。日本で医薬部外品として化粧品に配合されたレチノールのシワ改善作用の効能表示が承認されているが[5]、皮膚刺激性と物質としての不安定な性質は問題視されている[6][7]。 国際的にはビタミンAは生理作用を表す際に用い、栄養学的にビタミンAと呼ばれている物質としてはレチノール (Retinol) と呼ぶ[1]。一般に、レチノールがビタミンAと呼ばれ末端の官能基はアルコール体である[2]。 体内で、視覚に関与する末端がアルデヒド体のレチナール、遺伝子発現の調整に関わる末端がカルボン酸のレチノイン酸へと順に酸化され、活性作用の本体となる[2]。ここまでが広義にビタミンAと呼ばれる[3]。その類縁物質を含めてレチノイドと呼ばれる[8]。 ほかに摂取されて体内でビタミンAの生理作用を起こす物質には、レチニルエステルや、プロビタミンAに分類されるカロテノイドがあり、β-カロテンなどおよそ50種類がある[3]。動物性食品からは、レチニル脂肪酸エステルとして、主に植物性食品からはプロビタミンAのカロテノイドとして摂取され、カロテノイドでは摂取による過剰症が起こらない点で異なる[3]。 レチノール(変換図2番目)、右端の-CH2OH(アルコール)の部分が、-CHO ならばレチナール(アルデヒド)、-COOH ならばレチノイン酸(カルボン酸)である。左側にある環構造の左下の結合が二重結合になったものが3-デヒドロレチノールである。
ビタミンAとは
構造体内で代謝されると、上から、レチノールエステル、レチノール、レチナール、レチノイン酸へと1ステップごとに変換される。
酢酸レチノール
パルミチン酸レチノールは、皮膚に蓄えられる形態。