ビズメディア
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1987年に同社が日本漫画の中で最初に翻訳したのが白土三平の『カムイ伝』、工藤かずや池上遼一の『』、新谷かおるの『エリア88』の3作品で、これらは英語圏の人間にもわかりやすいよう、左右反転させて日本語で書かれた擬音や看板の文字などの描き文字を英語に直したりしていた[11][12]。左右反転によりコストがかかり値段が高いこと、当時のアメリカでは普通の書店に漫画を置いておらずコミック販売店などの狭い販売ルートであることなどの理由で、最初の3作品の売り上げは同社が期待したほどではなかった[注 1][10][11]

1992年に一般書籍の部門を設立し、写真やデザインなど芸術系の本の制作を始める。堀渕はこの部門に漫画を含ませて「グラフィック・ノベル」と呼んで書店での販路を広げようとした[10]。創業以来売り上げは芳しくなかったものの、高橋留美子の『らんま1/2』が注目されて売り上げが伸びた[10]。1998年には『ポケットモンスター』のアニメがヒットしたことでビズの出していた漫画版の売り上げも好調になっていく[10]

2002年より後の集英社の作品の翻訳には基本的には見られないが、同社が右開きの手法を取り入れた後も高橋留美子作品は左右反転して出版していた[注 2]。日本語の設定やジョークを別のものに置き換えたりすることが多く、例えば、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}『めぞん一刻』では通貨単位が円ではなくドルに直されている[要出典]。また『らんま1/2』第1巻において、「ここは北海道だ」が「東京はここから500マイル南だ」になっている[要出典]。評価するファンがいる反面、否定的な意見も少なくない[14][15]

2002年に出版社TOKYOPOPがアメリカでは初めて日本の翻訳漫画の単行本を反転させずに書店で売り始めると、それにならう形で同社や他の出版社も日本の漫画の翻訳において右開きでの印刷を取り入れるようになった[11]。これは1997年にドイツのカールセン出版社が『ドラゴンボール』を翻訳する際に鳥山明が左開きでの出版許可を出さなかったことの影響もある[16]。同年に集英社がビズの株式を取得した[17]。また、紙雑誌の"Shonen Jump"を月刊で発行するが、2012年1月30日に電子の週刊雑誌に移行し、2015年8月31日には"Weekly Shonen JumpとしてAmazonやその子会社コミクソロジーから配信し販売路を拡大した[18][19]。デジタルに移行することで、紙雑誌の頃のタイムラグを最小限に抑えることができるようになった[19]

2003年に集英社の出資を受けビズ・ホールディングス(英語: VIZ HOLDINGS,Inc)となる[20]

2004年に小学館エンターテイメントプロダクション(Shogakukan Entertainment Production)と合併してビズメディアとなった[10][20]。これらにより、集英社の作品も含めて、それまで分かれていた小学館系の作品の販売ルートを1本化する[20]

2005年6月に月刊の少女漫画雑誌"Shojo Beatを発行。2009年6月16日発売の2009年7月号、同誌の49号目を最後に休刊した[7]。詳しくは"Shojo Beat"のページを参照。

2007年にパリに子会社ビズメディア・ヨーロッパ(VIZ Media Europe)を設立した[21]。ヨーロッパでの事業を広げるためだったが、そこではすでに人気タイトルの販売契約を既存の企業と結んでいたため、あまり上手くいかなかった[21]


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