ビジネスソフトウェアの本質は、コストを削減するか生産性を向上させることで収益を増やすことにある。当初は、ホワイトカラーの仕事の中でも特に定型的な作業をメインフレームが肩代わりすることから始まった。特に会計ソフトは早くから普及した。各種簿記の処理が自動化されていった。このようなホワイトカラーの業務でのソフトウェア使用は企業収益に大いに貢献し、ホワイトカラーの作業内容の質的転換をもたらした。コンピュータは100人のホワイトカラーの仕事をやってのけ、しかも健康保険も退職金も不要だったのである。
IBMやヒューレット・パッカードなどの業者がこのような成功を収めた後、1980年代にはCAD/CAMソフトウェアが登場し、専門技能を有する技術者や設計技師の作業にも質的転換がもたらされた。また、同じ頃プロジェクトマネジメント用ソフトウェアも登場している。
ビジネスに最大の影響を与えたビジネスソフトウェアは、ワードプロセッサであろう。欧米ではそれまでどこにでもあったタイプライタが消え、WordPerfect(後には Microsoft Word)へと置き換えられていった。また、表計算ソフトも素早い普及を見せたビジネスソフトウェアであり、Lotus 1-2-3 や Microsoft Excel などがある。
その後、コンピュータの性能向上と共にビジネスソフトウェアも高機能化し分化していった。また、インターネットの発展によってビジネスの形態や内容も大きく変わっていった。
脚注^ James O'Brien and George Marakas, Management Information Systems, 7th ed. McGraw-Hill
^ Dictionary of Marketing Terms, 3rd Edition
関連項目
e-ビジネス
経営情報システム
プロジェクトマネジメント
小売ソフトウェア
サプライチェーン・マネジメント
デジタルダッシュボード
ソフトウェア
文書管理システム
プロジェクト管理ソフトウェア
イベントマネジメントソフトウェア