ヒラギノ
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Mac OS XがヒラギノOpenTypeを標準搭載するという知らせは、特にDTPにおいてLaserWriter II NTX-J以来、モリサワ書体を事実上の標準あるいは前提としてきたことからの転換(を迫る可能性があること)、また高品位印字のためにプリンタフォントを必要とする従来の在り方[9]を変革するものと受け止められ、ヒラギノショックとも称された[10]

ヒラギノは、明朝体の発売から12年、Mac OS X搭載から4年経った2005年、グッドデザイン賞(コミュニケーションデザイン部門)を受賞した[7]

2010年からは、モリサワの年間ライセンス・MORISAWA PASSPORTを通じた提供が始まった[11]
おりぜ社への制作委託

2019年3月27日、ヒラギノの権利を保有するSCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA)は、新たな文字制作体制を関係各社と構築中であると明らかにした[12]。同年9月12日、SCREEN GAは「合同会社おりぜ」にヒラギノフォントの文字制作を委託する業務提携契約を締結したと発表した[13]。おりぜ社は、1994年から2009年まで字游工房に在籍したタイプデザイナー・岡澤慶秀(おかざわ よしひで)が代表を務めるタイプデザイン会社。岡澤はこの時点までに「ヒラギノUD角ゴ・丸ゴ」「ヒラギノ角ゴ W0」などの制作に従事している。
千都フォントライブラリー

京都に所在する大日本スクリーンは、文字文化の多くの起源が京都にあるとして「千年の都京都」にちなみ自社オリジナルフォントを千都フォントライブラリーと名付けた。

千都フォントライブラリーには、ヒラギノフォントの他に三宅康文デザインによる「ダイゴ」「ケアゲ」「オイケ」の3書体と「フナオカ丸ゴシック体」「キョウゴク角ゴシック体」があった。「ダイゴ」「ケアゲ」「オイケ」の3書体は後にファンシー書体集として提供され、2016年以降は特注商品となっている。

印刷史研究会が近代の鋳造活字をオリジナル通りに覆刻した「日本の活字書体名作精選」も千都フォント仮名書体集として2004年3月に発売された。

2006年には、凸版印刷・字游工房・大日本スクリーンのコラボレーションプロジェクトから生まれた「こぶりなゴシック」が「ヒラギノフォント」に続く千都フォントライブラリーの新書体として発売された。

2010年代半ば以降、ウェブサイト・サポート窓口の名称などで、次第に「千都」にかわって「ヒラギノ」を前面に押し出すようになった。2013年に開設されたヒラギノフォント総合情報サイト screen-hiragino.jp では「ファンシー書体集」「日本の活字書体名作精選」もヒラギノフォントのラインアップに加えられている。
フォント形式と流通形態

現行製品はmacOS / Windows NT系対応のOpenType(otf形式=PostScriptベース)で、ダウンロード販売される。パッケージ販売は2020年3月に終了した[14]。過去にはClassic Mac OS対応のOCFCIDWindows対応のttc形式(TrueTypeベース)が販売された。形式ごとにそれぞれフォント名が異なる。TrueTypeの等幅フォント以外は、すべてプロポーショナルフォントになっている。
購入・年間ライセンス

Macで標準インストールされない書体を導入する場合とWindowsで利用する場合は、買い切り製品か、MORISAWA PASSPORTの契約が必要となる。
Macの標準搭載書体

OS X El Capitan(10.11)で、フォントファイルサイズの圧縮のためOpenType Collection化(OTC化)が行われた結果、アウトラインデータはProN/StdNフォントのものに統一され、Pro/Stdフォントはそのデータを参照する(JIS2004字形とJIS90字形の使い分けについては従来通り)[15]。この処理によりFont Bookやフォントパネルに表示されないフォント名がある。

Mac OS X v10.0以降、以下のPro/Stdフォントがインストールされる。

ヒラギノ角ゴ Pro W3

ヒラギノ角ゴ Pro W6

ヒラギノ角ゴ Std W8

ヒラギノ明朝 Pro W3

ヒラギノ明朝 Pro W6

ヒラギノ丸ゴ Pro W4

Mac OS X v10.5では、JIS X 0213:2004の例示字形を標準とする以下のProN/StdNフォントが追加された。

ヒラギノ角ゴ ProN W3

ヒラギノ角ゴ ProN W6

ヒラギノ角ゴ StdN W8

ヒラギノ明朝 ProN W3

ヒラギノ明朝 ProN W6

ヒラギノ丸ゴ ProN W4

Mac OS X v10.6では、簡体字中国語フォントとして、以下のフォントが追加された。

Hiragino Sans GB W3

Hiragino Sans GB W6

OS X El Capitanでは、角ゴシック体がW0?W9の10ウエイトとなり、以下のフォント名(英語名)として追加されている[16]

ヒラギノ角ゴシック W0 (Hiragino Sans W0)

ヒラギノ角ゴシック W1 (Hiragino Sans W1)

ヒラギノ角ゴシック W2 (Hiragino Sans W2)

ヒラギノ角ゴシック W3 (Hiragino Sans W3)

ヒラギノ角ゴシック W4 (Hiragino Sans W4)

ヒラギノ角ゴシック W5 (Hiragino Sans W5)

ヒラギノ角ゴシック W6 (Hiragino Sans W6)

ヒラギノ角ゴシック W7 (Hiragino Sans W7)

ヒラギノ角ゴシック W8 (Hiragino Sans W8)

ヒラギノ角ゴシック W9 (Hiragino Sans W9)

macOS Sierraでは、繁体字中国語フォントとして、以下のフォントが追加された。

Hiragino Sans CNS W3

Hiragino Sans CNS W6

iPhone、iPadの標準搭載書体

iPhoneiPod touchiPadには、以下のフォントが標準インストールされる。

HiraKakuProN-W3(「ヒラギノ角ゴ ProN W3」のPostScript名[17]

HiraKakuProN-W6(「ヒラギノ角ゴ ProN W6」のPostScript名[17]

iOS 4では、以下のフォントが追加された。

HiraMinProN-W3(「ヒラギノ明朝 ProN W3」のPostScript名)

HiraMinProN-W6(「ヒラギノ明朝 ProN W6」のPostScript名)

iOS 11では以下のフォントが追加された。

HiraMaruProN-W6(「ヒラギノ丸ゴ ProN W4」のPostScript名)

一太郎のバンドル書体

一太郎2012 - 2012年2月発売の『一太郎2012 承』のプレミアム/スーパープレミアムにotf形式フォント6書体がバンドルされた[18]


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