大伴家持が万葉集で『うらうらに照れる春日に雲雀上がり心悲しも独りし思へば』と詠っている。松尾芭蕉(永き日を囀り足らぬひばりかな)や与謝蕪村などの句で、のどかな日本の田園風景の春の風物詩として多数詠われており[13]、春の季語ともなっている。囀りを日本語に置き換えた表現(聞きなし)として「日一分、日一分、利取る、利取る、月二朱、月二朱」というものがあり、この聞きなしと飛翔しながら囀る生態から太陽に金貸しをしているという民話もある[6]。春季に縄張りを主張するために鳴き声を挙げることから春の風物詩とされることもあり、本種をモチーフにした詩(例としてパーシー・ビッシュ・シェリーの「ひばりに寄せて」)などもある[4]。イギリスのレイフ・ヴォーン・ウィリアムズが作曲したヴァイオリンによるヒバリのさえずりを模擬した『揚げひばり』の楽曲がある[10]。またハイドンの弦楽四重奏曲第67番は、第1楽章冒頭の旋律がヒバリのさえずりに似て聞こえるため『ひばり』の名で呼ばれるようになった[20]。日本では飼い慣らしたヒバリを放ち、そのさえずりと高さを競わせる「揚げ雲雀」と呼ばれる遊びがあった。現在は鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律によりヒバリの愛玩目的の飼育は認められていない。
近年、世界的に減少傾向にあり[12]、ヨーロッパでは春播き小麦から秋播き小麦への転換で草丈が高くなることによる生息適地の減少や年間繁殖回数の減少、また農耕の大規模化にともなう環境の均質化が原因として考えられている[21]。日本の東京では、畑地面積が大きく減少しており、畑地の小面積化も進んでいる。作付け作物もヒバリにとっての生息適地となる麦から野菜へと変化しており、このような畑地の減少と質的な変化がヒバリの減少に大きく影響していると考えられている[21]。 江戸時代の頃には「三鳥二魚」と呼ばれる5大珍味の1つに数えられていた。水戸藩から皇室に献上されていた郷土料理である。三鳥二魚とは、鳥=鶴(ツル)、雲雀(ヒバリ)、鷭(バン)、魚=鯛(タイ)、鮟鱇(アンコウ)のことである。 日本の以下の自治体の指定の鳥である。
人との関わり
ヒバリをシンボルとする自治体
都道府県
茨城県 - ヒバリをモリーフとした「ひばりくん」が、茨城県警察のマスコットキャラクターに採用されている[22]。
熊本県
市町村
北海道:帯広市、東神楽町、大樹町
青森県:六戸町
山形県:庄内町
福島県:南相馬市
茨城県:石岡市、つくばみらい市、八千代町、河内町、五霞町
栃木県:真岡市、芳賀町、壬生町、高根沢町
群馬県:吉岡町、板倉町
埼玉県:所沢市、熊谷市、入間市、川島町、吉見町、三芳町
千葉県:野田市
東京都:府中市、瑞穂町
神奈川県:相模原市
山梨県:昭和町
長野県:南牧村
静岡県:富士宮市
石川県:川北町
岐阜県:輪之内町
三重県:東員町
滋賀県:甲西町、今津町、中主町、湖東町
福岡県:大刀洗町
熊本県:嘉島町、菊陽町、あさぎり町
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 漢字表記の「告天子」には、別種のヒバリ科コウテンシ属
出典^ a b c d 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、274頁。
^ “告天子(コウテンシ)とは - コトバンク
^ 『漢字に強くなる本 -これは重宝』 編集:佐藤一郎、浅野通有 出版:光文書院 刊行日:1978/09 (刷)昭和54年6月15日発行622頁
^ a b c d e f 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、46、48、218頁。
^ a b c d e f g h i j k 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、403頁。
^ a b c d e f 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、83頁。