アプロディーテーは彼に3つの黄金の林檎を与え、これを1つずつ落としてアタランテーの気を引き付けるように教えた。オウィディウスによれば、この林檎はキプロス島のタマソス(英語版)にあるアプロディーテーの聖なる林檎の木から取られたとされる[7]。また、セルウィウスはこれをヘスペリデスの園の林檎であるとしている。アタランテーは、2つ目の林檎までは彼に再び追いつくことが出来たが、3つ目の林檎を拾おうと立ち止まった際にヒッポメネースが競走に勝利し、アタランテーを妻にする権利を手にした。
後に、アタランテーとヒッポメネースは、彼の故郷への旅の途中にキュベレーの聖域で交わったことにより怒りを買って獅子に変えられた。オウィディウスとセルウィウスによれば、ヒッポメネースがアプロディーテーの助力への返礼を怠ったために怒り、キュベレーの神殿に2人が立ち寄った際に彼らを愛欲で狂わせて交わらせ、これによってキュベレー(ヒュギーヌスによればゼウス)が彼らを獅子に変えたとされる。その後、彼らはキュベレーの戦車を牽いているとされ、セルウィウスはこの戦車を地球そのものと考えていた。
アポロドーロスによると、アタランテーに徒競走で勝利して結婚し、後にアタランテーとともにライオンに変えられた人物はアムピダマースの子メラニオーンとなっている[8]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ?ππομ?νη? はテオクリトス[1]、エウリーピデースの他[2]、多くのローマ人の著作家によって言及されている。
^ アプロディーテーは男女の愛を拒絶するアタランテーに反感を持っていた。
出典^ テオクリトス『牧歌』3歌40行。
^ エウリーピデース断片(アポロドーロス、3巻9・2による言及)。
^ オウィディウス『変身物語』10巻605行。
^ a b c d ヒュギーヌス、185話。
^ オウィディウス『変身物語』10巻560行-707行。
^ セルウィウス『アエネーイス注釈』3巻113行。
^ オウィディウス『変身物語』10巻644行。
^ アポロドーロス、3巻9・2。
参考文献
アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
オウィディウス『変身物語(下)』中村善也訳、岩波文庫(1981年・1984年)
テオクリトス『牧歌』古澤ゆう子訳、京都大学学術出版会(2004年)
ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)
関連項目
メラニオーン
オリュンポス神