ヒジュラ暦
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 (巡礼(ハッジ)の中心的行事)』

10日から
イード・アル=アドハー
 (犠牲祭)』該当

出典別の月名の一覧出典1[9]出典2[8]出典3[10]出典4[11]
第1月ムハッラムムハッラムムハッラムムハッラム
第2月サファルサファルサファルサファル
第3月ラビーウ・アルアウワルラビー・アルアッワルラビーウル=アウワルラビー・アルアッワル
第4月ラビーウ・アッサーニーラビー・アルアーヒルラビーウッ=サーニーラビー・アッサーニー
第5月ジュマーダー・アルウーラージュマーダー・アルウーラージュマーダル=アウワルジュマーダ・アルアッワル
第6月ジュマーダー・アルアーヒラジュマーダー・アルウフラージュマーダッ=サーニージュマーダ・アッサーニー
第7月ラジャブラジャブラジャブラジャブ
第8月シャアバーンシャーバーンシャアバーンシャーバーン
第9月ラマダーンラマダーンラマダーンラマダーン
第10月シャウワールシャッワールシヤウワールシャッワール
第11月ズー・アルカアダズー・アルカーダズル=カイダズー・アルカーダ
第12月ズー・アルヒッジャズー・アルヒッジャズル=ヒッジャズー・アルヒッジャ

1か月の長さと置閏

月と季節の関係は、預言者ムハンマドが断ち切った。そこで行われたのが、調整を禁じることであり、純粋に天体の月に頼ること、そして信頼できる目撃者が夜空に新しいを観測したときにを始めることであった。

しかし、予測不可能な観測に基づいた暦が天文学には無益であるため、1つの理論モデルが考え出された。それは奇数の月を30日、偶数の月を29日とし、全部で354日とするものである。朔望月は実際は29日と半日よりも少し長いため、このモデルにおける1年は12の月期分に0.36708日分、つまり8時間48分36秒よりもちょっと少ない値分、足りない。それを補うために、年によっては最後の月を29日ではなく30日としている。この追加日は現時点、30年周期で11回、すなわち2, 5, 7, 10, 13, 16, 18, 21, 24, 26, 29年目に置かれている。追加日のお陰で不足分は0.0124日=17分51.36秒までに縮まっているが、イスラムの歴史を通じこれが統一的な習慣になったことはない[11]
追加日の累計回数と閏年の関係

t {\displaystyle t} を「(ヒジュラ暦元年からの)追加日(閏日)の累計回数」とし、 y t {\displaystyle y_{t}} を「追加日が挿入される年」(閏年)とすると、床関数と天井関数を用いることで、以下の数式が成り立つ(オンライン整数列大辞典の数列 A057347)[注釈 8]

y t = ⌊ 30 t − 4 11 ⌋ = ⌈ 30 t − 14 11 ⌉ {\displaystyle y_{t}=\left\lfloor {\frac {30t-4}{11}}\right\rfloor =\left\lceil {\frac {30t-14}{11}}\right\rceil }

実際、 t {\displaystyle t} を1から順に11まで増加させると、 y t {\displaystyle y_{t}} の値は上記と同じく、

2, 5, 7, 10, 13, 16, 18, 21, 24, 26, 29

となる。

一方、「ヒジュラ暦での年数」を基に「(ヒジュラ暦元年からの)追加日(閏日)の累計回数」を求めるには、前者を y {\displaystyle y} [注釈 9]、後者を t y {\displaystyle t_{y}} と置いた時、床関数と天井関数を用いた、

t y = ⌊ 11 y + 14 30 ⌋ = ⌈ 11 y − 15 30 ⌉ {\displaystyle t_{y}=\left\lfloor {\frac {11y+14}{30}}\right\rfloor =\left\lceil {\frac {11y-15}{30}}\right\rceil }

という数式を使えばよい[注釈 8][注釈 10]
西暦対応表

以下に、ヒジュラ暦と西暦(グレゴリオ暦)の対応表を示す。

ただし、次の2点に注意すること。
表内の日付は
協定世界時によるため、9時間の時差がある(日本時間は協定世界時に比べて9時間早い)。

ヒジュラ暦において1日は、西暦のように午前0時から始まるのではなく日没から始まる。したがって、表内の日付は正確なものではなく、概ねその前日の日没から始まるものとして考える。地域や宗派などによっては、1日あるいは2日程度の誤差があり得る[7]

540日前-10日前

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グレゴリオ暦-ヒジュラ暦間の日付対照表(540日前-10日前)相対的な日付グレゴリオ暦ヒジュラ暦相対的な日付グレゴリオ暦ヒジュラ暦
540日前2022年12月16日1444年5月22日270日前2023年9月12日1445年2月26日
530日前2022年12月26日1444年6月2日260日前2023年9月22日1445年3月7日
520日前2023年1月5日1444年6月12日250日前2023年10月2日1445年3月17日
510日前2023年1月15日1444年6月22日240日前2023年10月12日1445年3月27日
500日前2023年1月25日1444年7月3日230日前2023年10月22日1445年4月7日
490日前2023年2月4日1444年7月13日220日前2023年11月1日1445年4月17日
480日前2023年2月14日1444年7月23日210日前2023年11月11日1445年4月27日
470日前2023年2月24日1444年8月3日200日前2023年11月21日1445年5月8日
460日前2023年3月6日1444年8月13日190日前2023年12月1日1445年5月18日
450日前2023年3月16日1444年8月23日180日前2023年12月11日1445年5月28日
440日前2023年3月26日1444年9月4日170日前2023年12月21日1445年6月8日
430日前2023年4月5日1444年9月14日160日前2023年12月31日1445年6月18日
420日前2023年4月15日1444年9月24日150日前2024年1月10日1445年6月28日
410日前2023年4月25日1444年10月4日140日前2024年1月20日1445年7月9日
400日前2023年5月5日1444年10月14日130日前2024年1月30日1445年7月19日
390日前2023年5月15日1444年10月24日120日前2024年2月9日1445年7月29日
380日前2023年5月25日1444年11月5日110日前2024年2月19日1445年8月9日
370日前2023年6月4日1444年11月15日100日前2024年2月29日1445年8月19日
360日前2023年6月14日1444年11月25日90日前2024年3月10日1445年8月29日
350日前2023年6月24日1444年12月5日80日前2024年3月20日1445年9月10日
340日前2023年7月4日1444年12月15日70日前2024年3月30日1445年9月20日
330日前2023年7月14日1444年12月25日60日前2024年4月9日1445年9月30日
320日前2023年7月24日1445年1月6日50日前2024年4月19日1445年10月10日
310日前2023年8月3日1445年1月16日40日前2024年4月29日1445年10月20日
300日前2023年8月13日1445年1月26日30日前2024年5月9日1445年11月1日
290日前2023年8月23日1445年2月6日20日前2024年5月19日1445年11月11日
280日前2023年9月2日1445年2月16日10日前2024年5月29日1445年11月21日

今日-540日後

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グレゴリオ暦-ヒジュラ暦間の日付対照表(今日-540日後)相対的な日付グレゴリオ暦ヒジュラ暦相対的な日付グレゴリオ暦ヒジュラ暦
今日2024年6月8日1445年12月1日 —  —  —
10日後2024年6月18日1445年12月11日280日後2025年3月15日1446年9月15日
20日後2024年6月28日1445年12月21日290日後2025年3月25日1446年9月25日
30日後2024年7月8日1446年1月1日300日後2025年4月4日1446年10月5日
40日後2024年7月18日1446年1月11日310日後2025年4月14日1446年10月15日
50日後2024年7月28日1446年1月21日320日後2025年4月24日1446年10月25日
60日後2024年8月7日1446年2月1日330日後2025年5月4日1446年11月6日
70日後2024年8月17日1446年2月11日340日後2025年5月14日1446年11月16日
80日後2024年8月27日1446年2月21日350日後2025年5月24日1446年11月26日
90日後2024年9月6日1446年3月2日360日後2025年6月3日1446年12月6日
100日後2024年9月16日1446年3月12日370日後2025年6月13日1446年12月16日
110日後2024年9月26日1446年3月22日380日後2025年6月23日1446年12月26日
120日後2024年10月6日1446年4月2日390日後2025年7月3日1447年1月7日
130日後2024年10月16日1446年4月12日400日後2025年7月13日1447年1月17日
140日後2024年10月26日1446年4月22日410日後2025年7月23日1447年1月27日
150日後2024年11月5日1446年5月3日420日後2025年8月2日1447年2月7日
160日後2024年11月15日1446年5月13日430日後2025年8月12日1447年2月17日
170日後2024年11月25日1446年5月23日440日後2025年8月22日1447年2月27日
180日後2024年12月5日1446年6月3日450日後2025年9月1日1447年3月8日
190日後2024年12月15日1446年6月13日460日後2025年9月11日1447年3月18日
200日後2024年12月25日1446年6月23日470日後2025年9月21日1447年3月28日
210日後2025年1月4日1446年7月4日480日後2025年10月1日1447年4月8日
220日後2025年1月14日1446年7月14日490日後2025年10月11日1447年4月18日
230日後2025年1月24日1446年7月24日500日後2025年10月21日1447年4月28日
240日後2025年2月3日1446年8月4日510日後2025年10月31日1447年5月9日
250日後2025年2月13日1446年8月14日520日後2025年11月10日1447年5月19日
260日後2025年2月23日1446年8月24日530日後2025年11月20日1447年5月29日
270日後2025年3月5日1446年9月5日540日後2025年11月30日1447年6月9日

曜日名

ヒジュラ暦での曜日名は専らアラビア語による[7][12][注釈 11]

ヒジュラ暦の曜日の名称日本語原義アラビア語翻字
ラテン文字カタカナ
土曜日シャバト[注釈 12]?????‎al-Sabtアッ=サブト
日曜日1?????‎al-Ahadアル=アハド
月曜日2???????‎al-Ithnaynアル=イスナイン
火曜日3????????‎al-Thalatha'アッ=サラーサー
水曜日4????????‎al-Arba'a'アル=アルバアー
木曜日5??????‎al-Khamisアル=ハミース
金曜日集まる[注釈 13]??????‎al-Jum'aアル=ジュムア

古典アラビア語での日付の数え方

古典アラビア語では、現代のものとは異なる、別の日付の数え方も存在した[11]。それは以下の通りである。
月の初日が(日中において)「一晩が過ぎ去った」と表される。

同様に、14日まで「何晩過ぎ去った」という形で続く。

15日は「真ん中」と呼ばれる。

16日以降は、「14晩残っている」のように、数が減らされながら呼ばれる。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 月の満ち欠けのみに基づく暦法。
^ 月の満ち欠けに基づきつつも、閏月によって季節とも合わせる暦法。
^ 季節のみに基づく暦法。
^ a b ここでの「毎年」は、「太陰暦たるヒジュラ暦」と「太陽暦(例えば世界的に使われているグレゴリオ暦など)」のどちらを基準とするのかを問わない。具体的には、「ヒジュラ暦上の特定の日付(月と日)を太陽暦上の日付に変換する場合に、ヒジュラ暦基準で1年経過するごとに、太陽暦の日付が約11日ずつ遅れていくように見えること」と、その逆としての「太陽暦上の日付をヒジュラ暦上の特定の日付に変換する場合に、太陽暦基準で1年経過するごとに、ヒジュラ暦の日付が約11日ずつ進んでいくように見えること」の両方を意味する。
^ 直訳すると「聖遷の年」である。
^ 上記のようにクルアーンで純粋太陰暦の使用が決められているため、純粋太陰暦たるヒジュラ暦の使用はイスラム教徒にとって必須となる。しかしながら、1日5回の礼拝のタイミングは、地域によっては季節に左右され得るので、そのタイミングの推測には、季節を基準とする太陽暦も必要になると思われる。
^ Common Era(共通紀元)の略。西暦#中立的な表現を参照。
^ a b 右端の式は、「Graham, Knuth, & Patashnik, Ex. 3.12」により、そのすぐ左側にある式を変形したもの。
^ その年の最終日が到来していない時は前年の年数で考える。
^ 便宜上、この注釈では、前述の y t {\displaystyle y_{t}} を f ( t ) {\displaystyle f(t)} に、 t y {\displaystyle t_{y}} を g ( y ) {\displaystyle g(y)} に置き換える。また、任意の非負整数を x {\displaystyle x} とする。この時、 g ( x ) {\displaystyle g(x)} が f ( x ) {\displaystyle f(x)} の逆関数であるためには、 f ( x + 11 ) = f ( x ) + 30 {\displaystyle f(x+11)=f(x)+30} 、 g ( x + 30 ) = g ( x ) + 11 {\displaystyle g(x+30)=g(x)+11} という周期性を考えれば g ( f ( x + 11 ) ) = g ( f ( x ) ) + 11 {\displaystyle g(f(x+11))=g(f(x))+11} が成り立つので、整数 n {\displaystyle n} が1?10の時に g ( f ( n ) ) = n {\displaystyle g(f(n))=n} が成り立てばよい。 g ( y ) {\displaystyle g(y)} (つまり、 t y {\displaystyle t_{y}} )の式では、それが成り立つ。
^ 表内の通りでも良いし、それらの前に「日」を意味する「???‎」(ヤウム、Yawm)を付けても良い。
^ ユダヤ教安息日
^ イスラームにおいて金曜日は、モスクに「集まっ」て、合同礼拝する日である。

出典^ 渡邊敏夫『暦入門―暦のすべて』(初版)雄山閣出版、東京都、1994年4月、76頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4639012191。 
^ a b “ ⇒第9章悔悟章 34-92”. 2021年8月18日閲覧。
^ ハワード・R・ターナー「図説科学で読むイスラム文化」
^ “暦Wiki/イスラム暦 - 国立天文台暦計算室”. 2018年10月18日閲覧。
^ 不規則なヒジュラ暦を永久カレンダーで実現 ブランドトップの新作プレゼン【パルミジャーニ・フルリエ】、プレジデントスタイル
^ TONDA HIJRI PERPETUAL CALENDAR PLATINUM, Parmigiani Fleurier
^ a b c “ヒジュラ(イスラーム)暦・西暦換算表 - ジェトロ・アジア経済研究所”. 2020年4月13日閲覧。


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