ヒジャブ
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イスラームを国教としていたり戒律に厳格な信徒が主流派の政権下では、婚姻、血縁関係のない男性がいる場での着用を法律で義務化している場合もある。イランでは西欧的近代化を目指すパフラヴィー朝が1936年に禁止したが、着用を望む女性の反発を受け1941年に禁令を撤廃した。パフラヴィー朝を打倒したイラン革命で成立したイラン・イスラム共和国は罰則や風紀警察による取り締まりにより義務化したが、浅くかぶって前髪を見せたり、人前で脱いだりする女性も一部で現れている[14]

イラン・イスラム革命後のイランでは7歳以上の少女はヒジャブが強制されており、髪を隠さない少女・女性と学校へ行くことも禁止されており、むちで打たれたり、刑務所に入れられ、人によっては殺される。アメリカに亡命したイラン人ジャーナリストで反体制人権活動家のマシー・アリーネジャード(Masih Alinejad)は、イラン訪問時にセゴレーヌ・ロワイヤル(フランスの大臣)や、イタリアのフェデリカ・モゲリーニ(欧州連合(の外交安全保障上級代表(EU外相))氏ら欧米の女性政治家が、イラン政府に言われるままヒジャブを着用したことを糾弾している[15]

サウジアラビアについては近年、着用は任意であるとする王室の見解が出るなどしており、ヒジャーブを着用しない女性や髪を多く出して着用する女性が増え、急速な開放政策の影響が見られる。

一方、フランスでは1905年に制定されたライシテ(政教分離)法に基づいて2004年に公立学校における「これみよがし」な宗教的標章等の着用を禁止する法律[16]が制定されたため、ヒジャブもその対象とされ、内外のイスラム教徒から反発を受けている。

世界第3位のイスラム教徒の人口を抱えるインドでは、ヒジャーブそのものが「女性抑圧の象徴」だとしてカルナタカ州で、公立学校での女子生徒のヒジャーブ着用を禁じる通達が出されている。

また、スポーツの試合中における着用についても、国際競技連盟によって認める場合と一切認めない場合に分かれる[17][18]
注釈^ 装飾とは、美しく魅力的な部分で、顔と両掌以外の全身を指す。

出典[脚注の使い方]^ Project, Living Arabic. “The Living Arabic Project - Classical Arabic and dialects” (英語). livingarabic.com. 2023年8月17日閲覧。
^ “???? ??? ????? ???? (???)”. almougem.com. 2023年8月17日閲覧。
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^ a b c 藤本 2012, pp. 285?300.
^ 中田考(監修)『日亜対訳クルアーン[付]訳解と正統十読誦注解』株式会社作品社、2016年、382頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-86182-471-5。"また女の信仰者たちに言え、彼女らの目を伏せ、陰部を守るようにと。また、彼女らの装飾は外に現れたもの以外、表に表してはならない"。 
^ “その髪、隠さなくていいの? イランの女性のしたたかさ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2021年7月6日). 2022年9月22日閲覧。
^ “その髪、隠さなくていいの? イランの女性のしたたかさ https://t.co/LsJWjIk2n9 保守強硬派に位置づけられるライシ政権が発足する以前のイランでは、髪を覆うはずのヘジャブを両肩に掛けたり、首にまいたりしただけの女性も見られました。 2021年7月配信の記事です。”. 朝日新聞Twitter. 2022年9月22日閲覧。
^ “「女性、命、自由」求める抗議も イラン、22歳の死亡事件きっかけ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年9月19日). 2022年9月22日閲覧。
^ “イラン抗議デモは「ベルリンの壁」に匹敵 米在住女性活動家(AFP=時事)”. Yahoo!ニュース. 2022年10月15日閲覧。
^ 【米国見聞】イスラムファッションに商機/百貨店、サイトに洗練商品『日経MJ』2018年3月2日(グローバル面)
^ 【世界発2021】ヘジャブつけぬイラン女性「自由に生きる」風潮広がる『朝日新聞』朝刊2021年7月17日(国際面)同日閲覧
^ “イラン抗議デモは「ベルリンの壁」に匹敵 米在住女性活動家(AFP=時事)”. Yahoo!ニュース. 2022年10月15日閲覧。
^ “ ⇒Bulletin officiel n° 21 du 27 mai 2004”. www.education.gouv.fr. 2018年6月11日閲覧。
^ 【アジア大会】髪覆うヒジャブ着用禁止、カタールが試合放棄 バスケット女子 ハフィントン・ポスト、2014年9月25日
^ サッカーのアフガン代表、「ヒジャブ」付きユニホームを発表 CNN 2016年03月11日 18:06

参考文献

藤本優子「イランのヒジャーブと女性:政治・法律・個人」『着衣する身体と女性の周縁化』、恩文閣出版、2012年、ISBN 9784784216161。 

関連項目

イスラム教

着用強制-宗教警察

政教一致

イスラム圏の女性の服装

en:Types of hijab(ヒジャブの種類)


ベール (服飾)

ブルカ

ハイク(英語版)

アバヤ

クーフィーヤ

頭巾

パルダ

外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ヒジャブに関連するカテゴリがあります。

『ヒジャーブ』 - コトバンク

『ヘジャブ』 - コトバンク










民族服
アフリカ

ダシキ

タゲルムスト(英語版)

ヘッドタイ(英語版)

ベルガー(アラビア語版、英語版)

ブーブー(英語版)

ハイク(英語版、アラビア語版)

ラジャール

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ジュラバ(英語版)

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