パール・ハーバー_(映画)
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また、『タイタニック』(1997年)や『スターリングラード』(2001年)のような歴史的悲劇の中の恋愛映画としても大々的に宣伝が行われ、興行的には大ヒットすることになった[4]。なお、リアリティはともかく迫力に溢れた映像および音響演出は話題となり、その年のアカデミー賞では音響効果賞を受賞している。

本作の偏見的な描写はアメリカ国内でも注目され、アメリカの有名な映画評論家であるロジャー・イーバートは「この作品は真珠湾攻撃を知らないか、第二次世界大戦さえも知らない観客を対象に作ったのだろう」と批評した。また、ワシントン・ポストは同じ真珠湾攻撃をテーマにした戦争映画『トラ!トラ!トラ!』にかけて、「ボア、ボア、ボア(退屈で退屈で退屈)」と批判した[5]トレイ・パーカーらによるブラック人形劇コメディ映画『チーム・アメリカ』(2004年)でも、挿入歌に本作への痛烈な批判ネタを織り込んでいる。

試写会が大々的に真珠湾内で行われ、会場となったのは空母ジョン・C・ステニス艦上だったが、日本と日系の報道機関はシャットアウトして行われた[6]。また、試写会の為だけに500万ドル(日本円で約6億円)をかけて行ったこと[7][8]や同空母をサンディエゴから航行させたことについても一部から批判された。
史実と異なるとして論争になった点
真珠湾攻撃のシーンについて

日本軍が機銃掃射で民間病院や民間人を攻撃しているシーンや海面に浮いている兵士へ執拗に機銃掃射をするシーンがあるが、これは史実に無い過剰演出として批判する意見がある
[9]。ただし、記録によれば日本側の諜報活動のミスにより民間施設が軍事施設として誤って攻撃対象になっていた場合もあるようで、実際にそれによる死傷者も出ている[10]。また、子どもたちが野球している頭上を零戦が飛んでいく場面があるが、爆撃が始まったのは日曜日の午前7時55分のため、朝早くからリトルリーグをやっているはずが無いという指摘もある[5]

劇中で登場する攻撃を受けるアメリカ海軍艦艇に、当時はまだ存在しないスプルーアンス級駆逐艦が写っている。真珠湾内で退役していた数隻の同級駆逐艦を撮影に使用しているが[11]、実際に同級駆逐艦が就航するのは真珠湾攻撃から34年後の1975年である。また湾内を映した複数の場面で、別の現代艦船も複数映り込んでいる。

レイフとダニーの駆るP-40と零戦の対決では、当時運動性など圧倒的に性能が優れているはずの零戦がたった2機のP-40に敗北しているが、これも物議を醸した。史実での日本側の記録においては零戦隊の損害は9機のみで、空戦による被害は無かったとされている。ただしその一方で、ジョージ・ウェルク(George Welch)とケニス・テイラー(Kenneth M. Taylor)という2人のパイロットが真珠湾攻撃の際に2機のP-40で多数の零戦に対して戦いを挑み、その内6?10機を落としたという証言(テイラー機が被弾し、片方の主翼半分を吹き飛ばされるも無事生還したという)もあり[11]、この証言を参考にした可能性はある[10][12]


映画『トラ・トラ・トラ!』の撮影の為に製作された、バルティBT-13改造の九九式艦上爆撃機(2006年撮影)映画『トラ・トラ・トラ!』の撮影の為に製作されたBT-13改造の九七式艦上攻撃機風の改造機
脚注・参考文献^ a b “Pearl Harbor (2001)”. Box Office Mojo. 2009年10月10日閲覧。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:50 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef