雑誌タイムは、名作アニメトップ5のうちの一つに本作を含めた[29]。また、イギリスのメディアTime Out(前出のタイム誌とは無関係)が2009年に発表した『最も偉大な50本のアニメーション映画』にも選出されている[30]。イギリスのトータル・フィルム(英語版)の名作アニメ映画ランキングでは25位にランクインした[31]ほか、 Entertainment Weeklyの1991年から2011年の映画を対象にした50 Best Movies You've Never Seenにも加えられた[32]。
Anime News Networkのティム・ヘンダーソンは本作を「強迫観念的なまでに初期のインターネット文化に集中したエフェクト」を持つ、「ダークで洗練されたサイコスリラー」と評し、タレントのファン層がたった10年でいかに進化したのかを思い知らされたと述べている[33]。 映画監督のダーレン・アロノフスキーには『パーフェクトブルー』の実写化権を購入したという噂があり、今自身がアロノフスキーとの対談で尋ねたところ、買おうとしたものの条件が合わなかったので購入には至らなかったとアロノフスキー自身は否定している[34]。その際、アロノフスキーの映画『レクイエム・フォー・ドリーム』には「パーフェクトブルー」に影響されたシーンやまるごと真似たとおぼしきカットがかなりあることについて今が尋ねると、それはオマージュだとアロノフスキー本人が認めた[34][注 5]。また『パーフェクトブルー』を実写化したいとも語っている[34][36]。映画『ブラック・スワン』も本作との類似性が指摘されているが、こちらは否定している[37]。
影響
受賞歴
FANT-ASIA'97 PUBLIC PRIZE THE BEST (グランプリ)受賞
ファンタスボルト'98 ベストアニメーション受賞
関連項目
悪夢・解離性同一性障害 - 作中での重要なエッセンスとなっている。
ブラック・スワン (映画)
誠のサイキック青年団 - 竹内義和と北野誠によるラジオ番組。大友克洋が熱烈なリスナー(サイキッカー)であったことから、大友が企画協力として参加するきっかけとなった。なお、北野も本作にレポーター役で出演している。
脚注
注釈^ a b その後、1998年に『パーフェクトブルー1998』として改題・改訂されたものが出版された。同じ作者で1995年に短編集『夢なら醒めて… : 美少女アイドルホラー』(2002年に映画『PERFECT BLUE―夢なら醒めて』の公開に合わせて同じタイトルで再販)という本が出ているがこちらは全く別の作品である。
^ a b 1998年には本作の公開にあわせ、「パーフェクトブルー1998」のタイトルで再版された。
^ ただし、原作者がアニメ化企画をあちこちに売り込んでいた頃に、大友が彼にアニメ業界の事情をアドバイスしたことがあったという。
^ 読もうと思っても当時は原作が発売されていなかった(絶版状態)からだとも語っている[19]。
^ 例えばジェニファー・コネリー演じる映画の登場人物のマリオンが浴槽に顔を沈めて水中で叫ぶ場面は、本作でアイドルユニットを卒業した主人公が、望まぬ仕事が続き、浴槽の湯船のなかで叫ぶシーンと符合しており、どちらも「本意ではないことを続けているが、いまさら後戻りは出来ない」という精神的に追い詰められた気持ちを水中に向けて放っている[35]。
出典^ a b “今 敏の長編アニメ映画『パーフェクトブルー』全国51館で劇場上映、公開25周年を記念して”
^ “ ⇒パーフェクトブルー戦記1 発端”. 2018年9月30日閲覧。
^ “Perfect Blue (1999)”. Box Office Mojo. 2016年7月4日閲覧。
^ a b c d “[今敏逝世十週年作曲家平澤進聊今敏與他的動畫音樂]” (中国語). 加點音樂誌 (2020年8月24日). 2023年6月18日閲覧。